「トリップアドバイザー・エクスペリエンス」観光施設・地方自治体向けにインバウドセミナーを開催
2018.08.13
世界最大級のツアー・アクティビティの予約サイト「Viator(ヴィアター)」を運営するTripAdvisor Experience(トリップアドバイザー・エクスペリエンス)は、TripAdvisor(トリップ・アドバイザー)のサイト上でツアーや施設の入場チケットなどを購入できるサービスの日本市場での拡大と普及に向けて本格的に着手を始めた。
7月下旬、同社は、国内の観光施設や地方自治体の担当者を招待し、サービスの認知度向上と登録促進に向けた説明会を開催。その内容は以下のようなものだった。
月間4.55億ユーザーが閲覧するトリップアドバイザーを活用して施設の認知度向上にも
世界中で750万の宿泊施設やレストラン・観光施設を掲載、月間約4.55億ユーザーが閲覧する米国発の世界最大級口コミサイト、トリップ・アドバイザー。日本での利用も浸透し、日本国内の掲載施設数は85万以上にも上る。また、日本国内での利用増加と共に、海外からの日本ページへのアクセスも増加しており、海外利用は、米国・中国・香港・台湾・オーストラリアの順番となっている。
同社日本法人の牧野氏によると、トリップアドバイザーは検索エンジン対策にも取り組んでおり、例えば「Tokyo Museum」と検索すると、トリップアドバイザーのページが上位表示されることにも触れ、トリップアドバイザーで口コミを集め高い評価を得ることで、観光客にも認知してもらえる可能性が高まることを強調した。
また、最近のトレンドとして、体験コンテンツのニーズが高まりと共に、ツアーや体験商品のサイト上での購入が増えていることにもふれ、サイト上でのチケット販売が、施設の認知から購入までワンストップで可能になると話した。
ゴールデンスポーツイヤーズ到来で、欧米圏からの誘致に期待
続いて登壇した株式会社やまとごころ代表村山氏は、インバウンドマーケットのトレンドとして1、団体から個人へ 2、都市部から地方へ 3、欧州勢の影響力の高まり 4、モノからコトへ の4つの変化に言及した。特に、ラグビーワールドカップ大会2019、東京2020オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ2021関西とゴールデンスポーツイヤーズが到来し、体験への興味関心が高い欧米圏からの訪日客増が見込めること、こうした流れが一過性のものではないことを強調した。
早朝観光ツアーなど、観光客向けスペシャルコンテンツの提供も可能
トリップアドバイザー・エクスペリエンスでは、一般的なツアーや入場券の販売にとどまらず、ホテル、航空会社、旅行会社などの観光関連企業や、テクノロジー企業など全世界で3500ものパートナー企業とのコラボを通じた体験コンテンツの提供も行っている。
APACリージョナルディレクターのバイディ・リー氏は、日本でもこういったパートナー企業とのコラボは進んでいると話した。
具体例として、ガイドブック出版を手掛けるロンリープラネットとロボットレストランの連携によるショーチケットの販売や、航空会社とフクロウカフェのコラボによるチケット販売などを挙げた。
また、日本以外の全世界における先進的な取り組みとして、バチカン美術館の早朝観光ツアーや、ニューヨークメトロポリタン美術館の夜間ツアーなどの事例にも触れた。通常料金よりコストはかかったとしても、スペシャルな体験へのニーズがあることにも触れ、特別な観光スポットや施設がない地方でも、工夫次第では、魅力的に見せることが出来ると強調した。
月間アクセス5億以上のプラットフォーム活用で集客も可能に
今回トリップアドバイザー・エクスペリエンスが紹介した、ツアー・アクティビティのオンラインチケット販売サービスの最大の特徴は、月間平均5億人以上と絶大なアクセスを誇るトリップアドバイザーを活用できること。また、チケット購入に応じたコミッション制を導入しているため、リスクゼロで始められること、24時間での多言語コールセンターも用意している。
さらに、トリップアドバイザーへの掲載や高評価を獲得することで、同社が提供する各種アワード受賞などを通じ、施設自体の認知度向上も見込めると、同社東アジア・南アジア地域マネージャーのティナ・リン氏は説明した。
中級都市の成長率ランキングトップ5を日本の都市が独占
バイディ・リー氏によると、直近10年のAPAC地域における旅行市場の伸び率は、130%増と好調ではあるが、OTAの利用率は11%であり、欧米諸国の20%と比べると低く、今後成長が見込まれる分野とのこと。日本旅行は現在も根強い人気があり、特に大都市以外の中級都市の成長率ランキングでは、名古屋・横浜・神戸・札幌・福岡が人気TOP5を占めている。
このように、東京・大阪といった大都市以外のエリアも注目を集めていることから、地方の観光施設による観光客取り込みも、工夫次第では可能だ。今後はサイト上でのチケット販売強化に向け、パートナーである株式会社やまとごころと共に取り組んでいく。