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ラグビー観戦目的の訪日外国人の平均支出は38.5万円、 一般インバウンド客の2.4倍に

2019.12.30

今年の流行語大賞に「One Team」が選ばれたことでもわかるように、ラグビーワールドカップ(以下RWC)での日本代表の活躍は日本列島を熱狂させた。オリンピック(約2週間)やサッカーワールドカップ(約1カ月)よりも開催期間の長いラグビーワールドカップは、今年9月20日から11月2日までの44日間、日本各地で開催された。

決勝戦は7万人が観戦

総試合数は、台風19号の影響により中止となったプール戦の3試合を除く全45試合。観客動員数は170万4443人で、1試合平均3万7877人だった。プール戦の最多動員試合は、日本がスコットランドを破って決勝トーナメント進出を決めた試合で、6万7666人。大会最多は決勝の南アフリカ対イングランド戦の7万103人で、いずれも横浜国際総合競技場での開催だった(ちなみに2015年イングランド大会の観客動員数は2447805人、1試合平均51621人)

また、試合会場以外での盛り上がりも注目されたが、ファンゾーンの動員はイングランド大会を超え、約113万7000人に上った。

フランス人客は1人当たり支出が47万6000円

さて、出場国の応援にかけつける訪日外国人による経済効果も期待された今回のRWCだが、JNTOによると、ラグビーワールドカップ観戦者1人1回当たりの旅行支出は、38万5000円と試算され、観戦していない旅行者の15万9000円と比較して約2.4倍となった。


グラフをご覧いただければわかるが、国籍別で見ても、ラグビー観戦者のほうが観戦していない旅行者よりも支出が大きい。特にフランスは平均を大きく上回る47万6000円で、オーストラリアも40万円を超えた。

宿泊費、交通費など軒並み増加、公式ビール消費量は2.8倍増

RWC観戦者の1人1回当たり支出の費目別に注目すると、スポーツ観戦費は当然として、宿泊費、飲食費、交通費、買物代(酒類)とすべての費目での支出が、観戦していない旅行者と比べて多かった。

表にもあるように、平均泊数はオーストラリアを除くと観戦の有無で大差はないものの、宿泊費の平均が観戦なしの旅行者と比べると2.7倍も多かった。これは、富裕者層が多いといわれるラグビー観戦者がハイグレードの宿に泊まるなど、宿泊費にたくさんお金をかけた可能性が考えられる。

交通費に関していえば、試合と試合の合間が長いため各地へ足を伸ばす機会が多かったためだろう。また、事前に予想されていたとおりアルコール消費量も増えた国が多かった。公式ビールのハイネケンの国内消費量は、前年9~10月比282%の大幅増を記録したほどだった。

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