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【世界の動きまとめ】日本の『Go To キャンペーン』が海外でも話題。withコロナの観光、旅行再開に積極的なヨーロッパ、入国規制緩和に慎重なアジア

2020.05.27

7月からの本格的なバカンスシーズンを目前に入国規制緩和、海外からの受け入れ再開に対してヨーロッパの国々が動きが活発だ。一方で、アジアを見ると、抑制の優等生とされる国々でも、海外からの受け入れ再開は秋を予定するなど、観光に対する思惑の違いが見えてくる。

 

WHOが、日本の感染防止策を評価

緊急事態宣言が約7週間ぶりに全面的に解除され、次のステージへと進み始めた日本。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は25日、日本の新型コロナウイルス対策について、ピーク時は1日当たり700人以上の感染者が確認されたものの、現在は40人ほどになっており、死者も少ないことから、日本の新型コロナウイルス感染防止対策は「成功している」と評価した。

 

観光需要喚起のための日本のキャンペーンが話題

このままスムーズにいけば、6月19日からは県をまたぐ移動も認められるようになり、徐々に国内旅行を活性化させていく。観光需要喚起のために、政府は『Go To キャンペーン』を展開する準備を進めている。

アメリカの経済誌フォーブスはこのキャンペーンについて、アフターコロナの旅行喚起のために各国政府が実施するキャンペーンとして、利用者にとって最も価値のあるものではないかとして紹介している。ただし、観光庁は、「日本を訪れる外国人旅行者でも利用することができるのでは」と海外のSNSなどで話題となっていることを受けて、このキャンペーンは日本国内での旅行需要喚起のため、日本国内居住者を想定していると改めて強調した。

『Go To キャンペーン』は、新型コロナウイルスで打撃を受けた国内旅行、飲食業などを支援するために予定されているもので、1兆6794億円の補正予算が計上されている。

その内の『Go To Travelキャンペーン』では、旅行業者等経由で、期間中の旅行商品を購入した消費者に対し、旅行代金の半額を補助(ただし、最大一人あたり2万円分×泊数)することを決めている。また飲食・イベント参加などを促すための『Go To Eatキャンペーン』『Go To Event キャンペーン』『Go To 商店街 キャンペーン』なども展開される。観光庁や経産省などは近く『Go Toキャンペーン』の運営事務局の公募を開始する予定となっており、開始時期は7月下旬とされているが、早まる可能性もあるとのこと。

似たようなアフターコロナの旅行喚起策としては、イタリアのシチリア州政府が、国内航空運賃の半分とホテルに3泊宿泊した場合の1泊分を、カバーすることを発表している。

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観光再開に前向きなヨーロッパでの「Dデー」は、6月15日?

ヨーロッパでは、バカンスシーズンを前に国内外からの観光客受け入れに間に合わせようとする動きが始まっている。歴史的にも文化的にも関わりの深い、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国では、「トラベル・バブル」がすでに構築され、人の往来が始まっている。

 

【イタリア】6月3日より国内外よりの観光再開
新型コロナウイルスで甚大な被害を受けたイタリアでは5月16日、ジュゼッペ・コンテ首相が入出国を解禁する政令に署名し、6月3日から外国人観光客の受け入れを開始することが明らかになった。同日からは、国内の県から県への移動も認められるようになる。

 

【フランス】健康証明書の提出を求める
6月15日より、スイス、ドイツとの間で、互いの国を行き来できる「トラベル・バブル」を開始する。フランス政府が海外からの入国者に課している14日間の自主隔離の代わりに、両国からフランスを訪れる入国者は、新型コロナウイルスに感染していないことを記した健康診断書の提出を入国時に示すことが求められる。この措置は少なくとも7月末まで実施されるという。

 

【ポルトガル】チェクアウトしてから24時間は使用禁止
観光客が安全に宿泊施設を選択できるように、衛生基準を満たしたホテルに「Clean&Safe」証明書を与える方針。この証明書は、ホテルやレストランなどの施設が新型コロナウイルス対策のために推奨された、衛生と安全の手順に従っていることを示すものとなる。ホテルは宿泊者がチェックアウトしてから24時間後まで次の宿泊者がチェックインできないようにし、徹底した衛生管理を行う必要があるほか、ビュッフェも禁止し、ビーチで日光浴をする人は互いの距離を1.5メートル空け、パラソルを3メートル以上離す対策を講じる。

 

【ドイツ】6月15日より30カ国との往来再開の可能性
ドイツ政府は、6月15日からスイス、フランス、オーストリアとの往来を再開させることを決定している。さらに、パンデミック統計の進展が許せば、同日までに規制緩和の対象を、ヨーロッパの30カ国(EU加盟国26カ国と、シェンゲン圏のアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインの4カ国)に広げるか否かの投票をする予定であることも公表した。

このドイツの動きに対して、イタリアのディマイオ外相は、国境が再び開かれる日を、第2次世界大戦時にアメリカ軍が重要な作戦開始日を表した軍事用語Dデーにかけ、「6月15日を、新しいDデーとしてヨーロッパ観光にとって大切な日にしよう」と、ヨーロッパ全体で観光再開のスタートができるようにとテレビ番組のインタビューを通じて呼びかけた。

 

【ギリシャ、スペイン】段階的に観光を再開
新型コロナウイルスの流行に対して、2月27日には最大のお祭りであるカーニバルを中止、海外からの入国者には空港でPCR検査し、結果が出るまでホテルで待機させるなど素早く対策を講じ、被害を最小限に抑えたギリシャは、観光業の再開に早くも舵を切っている。世界金融危機後、厳しい財政状態が続いているギリシャではGDPの20%を占める観光業の再開が経済復活のカギになる。

ギリシャ政府は、段階的な入国制限緩和を実施すると発表している。第一段階として、6月15日よりキプロス、ドイツ、ブルガリア、イスラエル等、感染抑制が出来ている国や地域からの観光客の入国を認め、フライトはアテネ国際空港のみが使われる。対象となる具体的な国や地域名については5月末に発表される。

入国制限緩和第2弾は、7月1日。大半の国や地域から自由に入国できるようにする予定にしており、アテネ以外の全ての国際空港からの入国を可能にするという。外国からの観光客に対しては、コロナウイルス検査や入国後の隔離措置対象とはしないが、無作為のサンプリング検査を実施する予定だという。

ギリシャでは、最終段階を7月15日に見据えており、国内線,国際線とも乗員・乗客のマスクを着用。空港内でもマスクを着用し、周囲の人との距離を1,5m以上確保することを求めており、違反者には150ユーロの罰金が科すという。

新型コロナウイルスによる被害が大きく、観光再開に慎重な姿勢をとっていたスペインも、7月1日より海外からの旅行者を受け入れる方向であると発表している。

 

【イギリス】エアブリッジ導入を検討
一方、1月末にEUを離脱しているため、EUでの国境再開のための協議に招かれることもないイギリス。感染抑制が確認された国同士で結ぶ「トラベル・バブル」を、イギリスでは「エアブリッジ」と呼び、導入検討を始めている。これを結んだ国からの入国者は、現在イギリス政府が海外からの入国者に課している14日間の自主隔離の行動制限が免除される。イギリスはフランスとの間に相互免除の方針を一旦発表したが、EUからの「一国だけを特別扱いしないように」との警告を受け、撤回している。現在、14日間の行動制限が免除されているのは、アイルランドと、マン島、ガーンジー島からの入国者のみ。

女王陛下も新型コロナで収入が大幅にダウン
イギリス王室も新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で、最大1800万ポンド(約23億8400万円)の損失が出る可能性があるという。今年の夏は、王室が所有する宮殿や城を訪れる観光ツアーがすべてキャンセルされているため減収は免れない。『The Sun』によると、王室はスタッフの新規採用も見送っているという。

ヨーロッパは冬の期間は日照時間の短い所も多く、夏のバカンスに出かけることを何よりもの楽しみにしている人々が多い。前述のように、夏の本格的なバカンスシーズンを前に、EU間での往来再開に向けて急速に動き出している。ドイツが30カ国に対して国を開ける可能性がある6月15日、もしくはスペインが受け入れを始めるとしている7月1日が、新しいD デーになる可能性があるかもしれない。

 

アジアでは、新型コロナ抑制優等生の国々は慎重姿勢

そんな海外からの観光客の受け入れ再開に積極的な動きを見せるヨーロッパに対して、アジアは慎重な姿勢をとる国が多い。新型コロナウイルスによる感染者数を抑えることができ、これまでに死者数も0人となっているベトナム政府観光局は、インバウンド客受け入れ再開のためのスケジュールを政府に提出。抑制できている状況が続くようであれば、9月までには海外からの入国が再開されるであろうことや、韓国、中国本土、日本、台湾、およびいくつかのASEAN加盟国で、外国人観光客歓迎のためのキャンペーンを展開する準備していることなどを、地元メディアVnExpressに語った。

新型コロナウイルスの封じ込めに成功した台湾では、現在、3段階で防疫規制を緩和する施策をとっている。最終ステップとなる「国際旅行」については、10月1日以降を予定していることを発表している。

インドネシア政府も、バリ島、ジャワ島への外国人観光客の受け入れを10月より始める予定であることを公表している。

(やまとごころ編集部:外島美紀子、深谷昌代)

 

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各国・地域の入国規制まとめ

 

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7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】