やまとごころ.jp

【コロナ:世界の動きまとめ】Go To キャンペーン、7月22日開始。航空会社も続々セールをスタート。中国、台湾なども乗り放題、商品券などで国内旅行喚起

2020.07.11

Go To トラベル、予約済み分も対象に

赤羽国土交通相は10日、新型コロナウイルスで大打撃を受ける観光業の需要喚起策『Go To キャンペーン』のうち、旅行代金を補助する『Go To トラベル』事業を7月22日から開始することを発表した。当初、すでに予約済みの分の旅行は「需要喚起という主旨に合わない」と補助の対象外としていたが、方針を変更。8月上旬としていた開始日も、海の日、スポーツの日の4連休の前日に前倒し、7月22日以降の旅行であればすでに予約済み分の旅行も対象なる。

『Go To トラベル』事業では、国内旅行を対象に、宿泊・日帰り旅行代金の半額が補助される。補助額の上限は宿泊1人1泊2万円、日帰りは1万円で、利用回数の制限はない。補助される7割が旅行代金から差し引かれ、残りの3割は旅行先で使える「地域共通クーポン」として付与される。
例えば、1泊2万円の旅行の場合、半額の1万円が補助され、旅行代金割引は7000円、3000円がクーポンとして発行される。すでに予約済みの旅行に関しては、オンラインまたは郵送による申請で割引分が後日還付される。「地域共通クーポン」の発行は、偽のクーポン券防止のための準備期間を要することから9月以降となる。

『Go To トラベル』の開始には、観光業から大きな期待はある一方、東京などで新型コロナウイルス感染者が増えている現状下での他府県を跨っての移動を後押しすることになるキャンペーンの開始を不安視する声もある。観光庁では、すでに約40の道府県で実施されている観光キャンペーンが好評なことなどから、前倒しでの開始を決定した。

『Go To トラベル』事業の事務局には、日本旅行業協会(JATA)を代表とする「ツーリズム産業共同提案体」が選定され運営業務にあたる。委託費用は1895億円で国が公募で提示していた上限より約400億円少なかった。

「ツーリズム産業共同提案体」は、JATA、全国旅行業協会、日本観光振興協会、JTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズから構成され、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、リクルートライフスタイル、楽天、ヤフーが協力団体として名を連ねる。

▼最新版はこちら
【コロナ:世界の動きまとめ】『Go To トラベル』不安と共にスタート。中国では4カ月ぶりに国内旅行制限を解除

 

航空各社もキャンペーンを続々スタート

航空各社もキャンペーンを発表している。
ジェットスター・ジャパンは、往復予約で復路の航空券が8円となる8周年記念セールを7月9日午後5時から15日午後5時まで国内全23路線を対象に実施。
ピーチ・アビエーションは、「72時間限定SALE」を7月10日午後10時から13日午後9時59分まで実施している。東京/成田〜沖縄/那覇・石垣(3,990円)など、国内線全24路線が対象となっている。
エアアジア・ジャパンは、国内線全路線を対象としたセールを、7月19日まで開催。名古屋/中部〜札幌/千歳・福岡線の片道運賃が3,840円などとなっている。対象搭乗期間は8月1日から10月24日まで。
スカイマークは、国内線全路線を対象にとした、「いま行こう!いま得キャンペーン」を7月13日午後4時から開催。国内全路線を片道10,000円、東京/羽田〜神戸線を片道9,000円とする。搭乗期間は7月17日から8月6日まで。
ソラシドエアは、割引運賃「ソラシドスペシャル」を7月3日午前9時30分から13日まで販売。片道運賃は、名古屋/中部~鹿児島線は4,100円からなど、8月24日から10月24日までの搭乗分が対象となる。

 

中国:週末限定・5万円で中国国内線乗り放題チケット

中国観光研究院の関係者は、同国の今年の観光経済が「U字回復」するとの見通しを示した。先月の端午節(6月25日〜27日)の3連休では、国内の観光客が延べ4880万9000人、観光収入が122億8000万元(約1857億9000万円)となり、大きく回復の兆しを見せている。連休中の観光では「事前に予約をする」「食事は分かれてとる」「1メートルの距離を開ける」といったマナーが定着しつつあり、観光における安全意識が高まっているという。

上海市では、6月25日〜27日の端午節連休で同市を訪れた観光客が延べ373万人に達し、58億元(約883億円)の観光消費を生み出した。上海では新型コロナウイルスの経験を経て、文化体験に対するニーズに新たな3つの変化があったという。上海市文化旅行局の于秀芬局長は、「オンライン形式の人気の高まり」「健康や体験を重視」「近距離旅行の選択」を挙げており、今後は3年がかりでオンライン文化体験ツアーを促進し、世界一流のオンラインツアー企業を作りたいと意気込んでいる。

上海に拠点を置く中国東方航空は、週末限定で中国国内線が乗り放題となる約5万円のチケットを販売した。このチケットは今年の年末まで利用でき、販売初日には10万セットが売れたという。6月27日と28日の最初の週末には、6万5000枚を超えるチケットが使用され、初日に人気があった上海発の路線は、成都、深セン、西安、青島、重慶、厦門、長沙、三亜、昆明、広州への便だった。

 

台湾:政府が購入額の3倍消費できる商品券を発行

台湾政府は新型コロナウイルスの影響により深刻な打撃を受けた経済の活性化を図るために、7月1日から消費喚起を促す商品券「振興三倍券」の発行を開始している。これにより、例えば消費者が1000台湾元を支払った場合、その3倍となる3000台湾元の消費をすることができる。紙とデジタルの2種類があり、年末まで使えるとあって、7月1日の発売日には午後10時の時点で179万件を突破するほど購入が殺到したという。

 

マカオ:観光局、フリギー&アリペイと提携し、観光復興計画を開始

マカオでは1月下旬から新型コロナウイルスの水際対策を行なっており、入境制限を講じてきた。その後インバウンド客数は激減し、5月のインバウンド客数は前年同月比99.5%減の1万6133人となった。また、マカオ政府統計調査局によると、5月の平均ホテル客室稼働率は12.3%で、前年同月比77.8ポイントの大幅下落となった。

マカオの観光業が深刻な打撃を受ける中、マカオ観光局は、アリババグループ傘下の旅行プラットフォーム「フリギー」およびアリペイと連携し、観光復興計画を開始した。マカオ観光局が発表した計画によると、観光の回復は3段階で設定されており、第1段階では内外での宣伝、第2段階では中国本土の近隣都市からの短期ツアーの受け入れ、第3段階では外国人観光客の誘致や、交通機関の割引などが行われる予定となっている。

 

香港:入境制限の延長を表明。中国本土、マカオ、台湾以外は9月18日まで

香港政府は7月2日、入境制限および集合制限措置を延長すると発表した。香港では6月上旬に経路不明の感染やクラスターの発生が確認されており、主要な防疫措置を維持する方針を示している。中国本土、マカオ、台湾からの入境制限は7月7日まで延長し、これ以外の国からの入境制限を9月18日まで延長している。

 

韓国:施設に利用者名簿の作成を義務付け

韓国では7月1日より、新型コロナウイルスの感染リスクが高い施設に対し、QRコードを利用した入店者名簿の作成が義務付けられた。クラブやカラオケ、集団で激しい運動を行う室内のスポーツ施設、立見席のある公演会場のほか、大規模な学習塾やビュッフェスタイルの飲食店などの12業種が対象となっており、利用者は氏名や連絡先などの情報が含まれるQRコードをスマホで提示する必要がある。

韓国の国鉄である韓国鉄道公社(KORAIL)は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、今年上半期の赤字が6000億(約537億円)ウォンに達することを発表した。同社の孫社長は、「年末までに赤字が1兆ウォン(約895億円)を超えないようにするため、コストを2000〜3000億ウォン(約179億円〜268億円)削減する計画を立てている」と述べている。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ