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【世界の動きまとめ】パンデミック宣言から半年。世界と日本の新型コロナはどう変わった? UNWTO調査、115の国と地域で旅行制限緩和。Go To 東京追加は、月内に最終判断

2020.09.12

WHOのテドロス事務局長が、新型コロナウイルス感染症が世界的な大流行である「パンデミック状態となっている」との認識を示したのが、3月11日。あれから6カ月が経ち、世界の感染状況はどのように変化したのかを見ていく。

 

世界の感染者は、6カ月前の約237倍

中国で最初に報告され世界へと感染が拡大した新型コロナウイルス。3月11日の時点で、WHOが発表した累計患者数は11万8381人、死亡例は4292人。感染地域は113の国と地域となっていた。この時点で、中国で累計患者数が約8万人、死亡者が3100人となっており、それぞれ全世界の68.4%と73.7%を占めていた。中国に次ぎ、感染者数が多かったのが、イタリア。すでに約1万が感染しており、600人が死亡。イタリアではこの時点ですでに医療体制がひっ迫していた。次いで感染者が多かったのがイランで 感染者数は約8000人、死亡者約300人。韓国での感染者も多く約7000人、約60人が亡くなっていた。

日本では3月11日の時点では、感染者数が1330人。その内、694人はダイヤモンド・プリンセス号のクルーズ船の乗客、乗員の感染者、14人はチャーター機で中国から帰国した感染者だった。また、国内で死亡したのはクルーズ船も合わせて21人となっていた。

半年が経ち、感染が確認された国は188の国と地域に広がり、世界で9月11日までに確認された感染者は、2811万4036人で、6カ月前の約237倍。亡くなった人も90万9164人となっている。

感染者が多い地域も、多い順にアメリカ639万6551人、インド456万2414、ブラジル423万8446人、ロシア104万2836人。インドでは8月半ばからから連日7~8万人で新規感染者が確認されており、アメリカに次ぐ感染国となっている。日本の累計の感染者数は7万3901人、1412人がこれまでに新型コロナで亡くなっている。

 

UNWTO:世界の目的地の53%が制限を緩和

UNWTO(国連世界観光機関)は10日、各国の旅行制限について調査した最新版の「COVID-19関連の旅行制限:観光のためのグローバルレビュー」を発表した。それによると、9月1日までになんらかの旅行制限を緩和したのは、世界のすべての目的地の53%にあたる115の国と地域になった。7月19日時点より28増加した。この115のうち、2カ国ではすべての制限を解除しているが、残りの113の国と地域では、一部の制限措置を継続させている。

ズラブ・ポロリカシュヴィリ事務総長は、「世界の観光は、ゆっくりではありますが確実に、各地域で再開し始めています。旅行制限を緩和し始めたことは、観光業の扉が再び開き始めたことでもありまます」とコメントした。

 

Go To トラベル:10月1日より東京発着も追加の方針

11日に開かれた新型コロナウイルスの対策を検討する政府の分科会は、観光需要の喚起策として実施している「Go To トラベル」で、これまで除外していた東京都発着の旅行を10月1日より対象に加える方針を決定した。

東京都は10日の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議において、東京都の感染状況を、分科会が示す感染状況のステージを判断する4段階の最も高いステージ4から1段階下のステージ3に引き下げた。尾身会長ら分科会の専門家からは、「Go To トラベル」で東京発着を対象に加えるには、東京都の感染状況がさらに下のステージ1、2の段階でなっているべきとの指標が出されている。

ステージを判断する指標は6項目あるが、「感染経路が不明な人の割合」が1週間平均で59.2%、人口10万人当たりの入院患者と宿泊施設や、自宅で療養している人の「療養者数」が18.1人であること、現時点で確保している病床数の占有率が53.5%である「病床のひっ迫具合」の3項目が、ステージ3となっていると、東京都のモニタリング会議は示している。政府は、このままの状況が落ち着けば10月1日から東京発着も追加する方針で、9月下旬の感染状況を見て最終判断をする。

「Go To トラベル」は、新型コロナウイルスで打撃を受けている観光業を喚起のための支援策で、旅行代金の割り引きや、観光施設や土産物店などで使えるクーポンの形で最大1日2万円分の補助を受けることができる。このうち旅行代金の割引が、7月22日より始まったが、東京都の感染者が増加傾向にあったことから、東京発着の旅行商品は除外とされ、東京都民も対象外とされていた。人口約1400万人の東京発着の旅行も対象に加わることで、観光業界を支える効果が高まることが期待されている。

この決定は、前日となる10日、東京都が新型コロナウイルスへの警戒度を1段階引き下げたことを踏まえた決定となる。また東京都は、23区内の酒類を提供する飲食店とカラオケ店に求めている営業時間の短縮要請について、今月15日に終了することを決めた。

 

シンガポールとのビジネス往来再開へ

外務省は、シンガポールの間で、ビジネス目的の短期滞在者を対象とした往来を18日より再開させると発表した。PCR検査の陰性証明や行動計画の提出を条件に、入国直後からホテルや仕事場等の限定的な場所でのビジネス活動可能にする「ビジネストラック」での再開となる。日本がビジネストラックを導入するのは初めてのこと。

入国後14日間の自宅待機は維持しつつ、追加的防疫措置を講じることで入国できる「レジデンストラック」での往来再開は、タイ、ベトナム、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、台湾との間で実施されている。

 

タイ:「バンコク日本博」がオンラインで開催

タイ最大級の日本総合展示会「バンコク日本博」が9月3日(木)〜6日(日)にかけてバンコクのショッピングセンター「サイアムパラゴン」で開催された。今年で第6回目を迎える今回のイベントは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりすべてオンラインで開催。鳥取県、熊本市や神戸市、森の京都DMO、群馬県みなかみ町といった自治体や、タイでビジネスを展開する企業、日本語学校、大学、専門学校など83の日系企業や団体、パフォーマーなどがZoomとFecebook Liveを通じて出展・参加し、タイへの市場拡大やインバウンド旅行者の獲得、認知度の向上を図った。

[caption id="attachment_39973" align="aligncenter" width="504"] ▲「バンコク日本博」のステージはFacebook Liveで配信された[/caption]

 

トラベル&ショッピング出展ブースや、留学ブースなどを含めて合計が7146人がZoomへ入室。また、ステージとして用意されたFacebook Liveでは、20組の演者がパフォーマンスを披露したり、地域PRのために日本の地域などからの中継もあり、1万3804人が視聴した。

ライブ中継で日本の地域をPRしたブースでは、タイ人の参加者から「次はそこにいきたい!」といったコメントが出るなど、ダイレクトに旅先のイメージが伝わったことがわかる。また、出展者からは「オンラインでの出展は初めての試みでしたが、インバウンドPRの新たな形として良い機会になった」との声が上がっていた。2021年は9月3日(金)〜5日(日)に開催予定となっている。

 

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