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【コロナ:世界の動きまとめ】香港、第3波乗り越え新規感染者ゼロ。イギリス政府、再拡大イングランドで行動制限。Go To トラベル東京追加、Go To イートも10月1日より

2020.09.16

観光業支援策「Go To トラベル」へ、全国の宿泊事業者の約6割が登録。これまでに延べ1339万人の宿泊客が利用している。10月1日からは東京発着も対象となることが見込まれており、同日に始まる「Go To イート」と共に、新型コロナウイルスにより打撃を受けた事業者支援として期待が高まっている。
香港では3カ月ぶりに感染者ゼロとなり規制緩和も進む。イギリス政府は再拡大を受け、イングランドでの行動制限を始めた。

 

「Go To トラベル」延べ1339万人が利用

政府の観光支援事業「Go To トラベル」を利用した宿泊者は、7月22日から8月末までで、延べ1339万人となったことを国土交通省が速報値として発表した。昨年8月の国内宿泊者数(訪日外国人を除く)5374万人には及ばないものの、新型コロナウイルスにより打撃を受けている観光業喚起策としては一定の効果を出した形となった。18日からは、10月1日から対象に追加見込みとなっている東京発着の旅行商品の販売も始まる。人口1400万人を抱える東京が事業の対象に加われば、利用の一層の増加が期待される。ただし、東京の正式な追加決定は、9月下旬の以降の感染状況を見極めての最終判断となる。

キャンペーンに参画するには、参加事業者登録をする必要があるが、13日時点で全国の宿泊事業者の約6割に当たる2万1836事業者が登録を済ませている。

 

「Go To イート」は、食事券販売とオンラインでのポイント付与

10月1日からは、外食支援策として農林水産庁が実施する「Go To イート」事業も始まる。「Go To イート」は、地域で販売されるプレミアム付き食事券と、オンラインで飲食店を予約した場合との2本立てとなっている。

登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券は、購入額の25%分を上乗せして販売する。一度に購入できるのは2万円分までだが、購入回数に制限はない。

オンラインの場合は、飲食予約サイト経由で飲食店を予約した消費者に対して、昼食時間帯で500円分、15時以降の夕食時間帯で1000円分のポイントを付与。ポイント付与の上限は、1回の予約で10人分までで、次回以降の飲食で利用することができる。

プレミアム付き食事券の販売も、ポイント付与も2021年1月末までで、利用は3月末までとなる。

自宅や職場への宅配サービスも、飲食店が独自に実施する場合は、食事券の利用対象となるが、Uber Eatsや出前館などのデリバリサービスを利用した場合は対象外となる。

 

東京の飲食店、深夜営業再開

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、東京都は飲食店に対して、営業を午後10時までと要請していた時短営業が15日に終わった。応じていた店は16日から、1カ月半ぶりに深夜営業を再開させる。

 

香港:防疫措置の緩和を発表。ディズニーランドなども再開

香港特区政府衛生防護中心は15日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者数が4人であることを発表。この4人はすべて海外からの入境者となっており、香港内で確認された新規感染者はゼロとなった。香港での感染者数がゼロとなったのは、6月16日以来のこと。香港では第2波が落ち着いた4月中旬以降、7月上旬までは一日に確認される新規感染者数がゼロ~1桁で推移していたが、7月4日から2桁となってからは再び感染者数が増え始め、同月30日には149人を確認するなど第3波が始まっていた。

香港政府は増加に歯止めを掛けるため防疫対策の強化を実施していたが、9月11日から17日までの7日間で防疫措置の緩和を実施している。具体的な緩和の内容は以下の通り。

(1)レストラン等飲食店での1テーブルの利用可能人数を「2名まで」から「4名まで」に緩和(ただし、座席数50%までの顧客数制限や午後10時までの飲食時間制限等は変わらない)。

(2)ゲームセンター等の娯楽施設、図書館、すべての運動場所等の営業停止を解除(ただし、個別の制限等があり得る)。ただし、バー、サウナ、展覧会場、パーティールーム、プール、ナイトクラブ、カラオケ店は営業停止を継続。

(3)公共の場での集団制限人数を「2名まで」から「4名まで」に緩和。

このほか、感染状況が改善された場合は9月18日(金)からディズニーランドおよびオーシャンパークの2つのテーマパークと、展覧会場を再開すると発表。緩和措置を行う一方で、公共交通機関や公共の場でのマスク着用は引き続き義務付けられる。

 

11カ国との国境再開に向け協議

香港政府はまた、11カ国との国境再開に向けて協議を進めていることを明らかにした。11カ国には、日本、タイ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、フランス、 スイス、ドイツ、シンガポールがリストアップされているが、このうち両国間で会談を行なったのは日本とタイの2カ国となっている。また、トラベルバブルを実現させるためには、旅行前と到着後に新型コロナウイルスのPCR検査を行う必要があるとの見解を示した。

香港では全市民を対象とした、新型コロナウイルスの無料検査が14日間実施され、15日に終了した。検査を受けた市民は178万3000人で、確認された感染者は累計32人だった。人口の約23.7%が検査を受けたことになる。政府は当初人口750万人のうち500万人が受けることを前提に態勢の拡充を推進していた。

 

ジャカルタ:再びロックダウン、新型コロナ感染の再拡大で医療逼迫

インドネシアの首都ジャカルタは、新型コロナウイルス感染症の再拡大による医療体制の逼迫を受け、9月14日よりロックダウンを開始した。これに伴い、在宅勤務や、在宅学習、娯楽施設の閉鎖、公共交通機関の運行時間および乗客数の制限、飲食店はテイクアウトと宅配に限定するなどの措置を講じる。ジャカルタでは第1波の際に4月10日からロックダウンが行われ、6月5日から制限が段階的に解除されていた。

 

クルーズ船:イタリアを巡るクルーズなどが再開

新型コロナウイルスのパンデミックにより、大型クルーズ船は3月に全世界で停止していたが、現在は10種類のクルーズ船が運航を再開している。このうち、最初に正式な運航を再開したのはイタリアのジェノヴァを7日間で巡った「MSCグランディオーサ」。その後、台湾、北欧、ポリネシア、ハンブルグ、フランスなどを巡る各クルーズ船の再開が続き、10番目には「コスタクルーズ」が9月5日にイタリア国内の寄港地を巡るクルーズの運航を再開した。

 

オーストラリア:海外旅行とクルーズ船の禁止をさらに3カ月延長

オーストラリア政府は、海外旅行とクルーズ船の禁止をさらに3カ月延長すると発表した。オーストラリア人は少なくとも2020年12月17日まで、原則海外に向け出国することができず、乗客100人以上のクルーズ船の出航も引き続き禁止される。

 

イギリス:再拡大を受け、イングランドで行動制限

イギリス政府は、新型コロナウイルス感染症が再び拡大しているイングランドで14日から、行動制限などの措置を再強化した。

屋内外問わず、集まれる人数は6人までに制限され、違反者には100ポンド(約1万3700円)の罰金が科される。学校や職場、スポーツ競技は対象外としてみとめられる。罰金は2回目以降は毎回倍増され、最大3200ポンド(約43万8400円)となる。

地域限定の規制を行う「ローカル・ロックダウン」を導入している地域も増えている。イングランド北西部のボルトン地区では、9月8日から飲食店の営業を持ち帰りのみとし、すべての業種の店舗も午後10時から午前5時まで営業禁止。別世帯の人と会うことは、屋内外、問わず禁止となった。スコットランドのグラスゴーや、近隣のレンフルシャーとイースト・ダンバートンシャーでも、ローカル・ロックダウン導入がされており、別世帯との屋内での面会禁止などの措置がとられている。

イギリスでは9月11日、3539人の新規感染者が報告されており、これは1日当たりの数字としては、ロックダウンの一部が解除された5月以降でもっとも多くなっている。

 

EU:旅行ルールの簡単な色分けシステムを提案

EU加盟国はこれまで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として独自の入国規制や制限を設けてきたが、国によって規制にばらつきがあったり、感染の再拡大を受けて突然国境を閉鎖する国があったりと、渡航者や事業者などに大きな混乱を引き起こしていた。そのため、欧州委員会は4日、出入国に際して渡航者に検査や自主隔離を義務付ける基準をEU全体で統一する協調策を提案。感染指数や検査の陽性件数に関する共通の指標を設け、域内の国や地域を緑、オレンジ、赤、グレーの4つに色分けし、感染リスクの高い赤とグレーからの渡航者には到着後の検査と14日間の自主隔離を義務付けるなど、足並みを揃える方向で調整を続けている。

 

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