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【コロナ:世界の動きまとめ】中長期滞在者、全世界から入国再開。東京オリンピック開催にIOC自信。中国、国慶節で観光回復 タイも観光受入再開へ

2020.09.24

25日、第43回新型コロナウイルス感染症対策本部が開催され、新型コロナウイルス感染症への対応について話し合われた。これまでビジネス上必要な人材に限定されていた入国再開が、留学や家族滞在など3カ月以上の中長期滞在者に拡大されることとなった。国際オリンピック委員会のバッハ会長は、来年の東京オリンピック開催に自信を示した。その他、特別観光ビザの発給で、外国人観光客受け入れ再開を目指すタイや、国慶節の大型連休で、国内旅行が回復の見通しの中国などの様子をお伝えする。

 

来月1日から、在留資格をもつ中長期滞在者受け入れ再開

政府は10月1日から、全世界からの新規入国受け入れを一部再開することを決めた。3カ月以上の中長期に滞在できる在留資格の取得者が対象となり、外国人留学生らの入国も全面的に認められる。国籍を問わず入国ができるようになるが、観光客の入国は引き続き認められない。人数はまずは1日1000人程度とし、順次拡大していく。

現在、日本は新型コロナウイルスの感染拡大防止の水際対策として、世界159の国と地域に対して、日本からの渡航中止を勧告し、外国人の入国も原則拒否している。

ただし、感染状況が落ち着いている16カ国・地域とのビジネス関係者の往来再開のための交渉は開始しており、このうち、ベトナム、タイ、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、台湾とは、入国後14日間の待機は維持しつつ駐在員などの長期滞在者のビジネス往来を再開する「レジデンストラック」を再開している。シンガポールとは、2週間の待機が不要な短期出張者往来のための「ビジネストラック」の運用が9月から始まっている。日本の在留資格をもつ外国人は約290万人おり、永住者や日本人との婚姻による配偶者や、駐在員や留学生がいる。

今回の規制緩和により、外国人留学生の入国も全面解禁される。日本が学費などを支援する「国費留学生」の入国はすでに認められているが、秋からの新学期を前に「私費留学生」の入国解禁への要望が高まっていた。

 

東京オリンピック開催に向け自信。政府と東京都も準備着々

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は現地時間の22日、選手や関係者に宛てたメッセージを公開し、新型コロナウイルスの制約下においても多くの国際スポーツ大会が再開されていることなどに触れ、東京オリンピックの開催に自信を示した。これに対して東京都の小池知事は、「スポーツを安全に行うということに対してポジティブに受け止めていらっしゃることを心強く思っている」と述べた。

政府と東京都、大会組織委員会は23日、来夏に延期された東京オンリンピック・パラリンピックに向け、新型コロナウイルス対策会議を開催した。現在、入国を拒否している国・地域の選手らも、陰性証明書の提示や感染防止対策を条件に特例で受け入れる方針を確認。通常は自己隔離が必要となる入国後14日間も、行動管理やスマホのアプリを活用することで感染防止対策が取れれば、練習や大会参加を認める。また、入国後の国内移動は原則として専用車を利用し、公共交通機関はやむを得ない場合に限定するなど、コロナの制約下でも大会を開催できるよう準備を進める。

 

タイ:特別観光ビザの発給で外国人観光客受け入れ再開を目指す

タイ保健省は18日、「特別観光ビザ」による外国人観光客受け入れ再開の計画を発表した。これによると、タイを訪れる外国人観光客は、出発72時間以内に受けたPRC新型コロナウイルス検査の陰性証明書を提出する必要があり、出発前に混雑した場所を訪問していないという記録や、自国での検疫、旅行保険の加入、銀行口座に一定額の預金があることなどが求められる。入国後は14日間の隔離の対象となり、その間に2度の検査が行われる。長期滞在者を対象とした特別観光ビザでは、90日間の滞在が可能で、その後1回90日間、計2回の滞在延長が認められるため、最大で270日滞在することができる。タイ政府は同ビザの運用を10月に開始する方向で調整を進めている。

 

中国:国内観光収入は半減、航空便数はコロナ前の9割に回復

中国政府系の中国旅行研究院は、今年の国内観光収入が前年比52%減の2兆7600億元(約42兆7900億円)になる見通しであることを発表した。この報告書によると、国内旅行者数も前年比43%減の34億3000万人となっている。中国では、中国民間航空の航空便数が8月末の時点でコロナ前の9割まで回復しているほか、旅客輸送数も前年同期の8割弱まで回復している。

 

国慶節の8連休では、観光回復の見通し

10月1日から国慶節の大型連休に入る中国全土の観光地では、500カ所以上が国慶節の8連休中に入場無料や割引のサービスを打ち出すなど、観光客の誘致に向けた取り組みが進められている。今年の観光トレンドを見ると、自家用車で移動する国内ツアーに人気が集中しており、検索数が昨年の153%となっているという。このほかにも、目的地での車のレンタルも観光客に人気が高い。また、今年はグループツアーよりもカスタマイズされたツアーが注目を集めている。

国慶節期間中のホテル予約に対して支払われた平均価格が、前年比で2割近く高くなっているというデータも発表された。特に雲南、チベット、甘粛、青海、海南などのホテルの成長率が高く、大理、麗江、西安、三亜、碧街などの都市では、ホテル予約が前年比の2倍となっている。

航空チケットで販売が好調なのは、貴陽、伊寧、蘭州、包頭、桂林、鄭州、昆明などの中西部と南部の都市、長江デルタの地域で、国内ながらも遠くへ出かけたいという旅行意欲が回復していることが明らかになった。新型コロナの影響で格安になっていた航空チケットの代金も、現在は大幅に回復しているという。鉄道チケットも「上海=ハルビン」間や「上海=武漢」間などの乗車券が即完売するなど、8連休中には多くの人が旅行に出かける見通しとなっている。

 

香港:キャセイパシフィック航空が、電子健康パスポートを発行

香港政府と民間検査機関のプレネティクスは18日、キャセイパシフィック航空および公共信託ザ・コモンプロジェクトと提携し、世界電子健康パスポートを発行すると発表した。旅行者はスマホアプリでプレネティクスが行なったウイルス検査の陰性証明を提示することとなる。早ければ10月に「香港=ロンドン」間のフライトで試行される予定だ。

 

ベトナム:入国者の受け入れ拡大で1万人分の宿泊施設の手配へ

ベトナム政府は、新型コロナウイルス感染の危険性が低い国・地域からの外国人専門家や投資家、高技能労働者、さらに帰国できないベトナム人を国内に受け入れるため、国際線の定期便の運航を再開し、本数も増やすことを発表した。これに伴い、少なくとも1万人を収容・隔離できる宿泊施設の確保に向けて手配を進めている。外国からの渡航者は、原則14日間の隔離にかかる宿泊費および検査費用をすべて負担することが入国の条件となる。

これに先立ち、ベトナム政府は15日からベトナムと韓国、日本、中国、台湾の4カ国・地域を結ぶ路線の定期便を再開する予定だったが、入国者の受け入れ計画案がまとめっていないことから一時延期されることとなった。

 

アメリカ:ハワイ、陰性証明書の提出で14日間の隔離が免除となるプログラムを計画

米ハワイ州は、10月15日以降に入州する観光客に対し、到着前72時間以内に検査を受け、入州時に陰性証明書を提出すれば14日間の強制隔離を回避できるようにする「旅行前のテストプラグラム」の運用を開始する予定だ。ただし、陰性証明書を提出できない場合は14日間の強制隔離の対象となり、これに応じない場合は最高5000ドルの罰金または最高1年の禁固刑を科すと発表している。

 

ニューヨーク市、公立学校の対面授業を再び延期

ニューヨーク市は、9月21日より対面授業を一部再開していく計画を発表していたが、新型コロナウイルスへの感染を懸念する保護者や教師からの反発を受け、再開を延期することとなった。デブラシオ市長は17日に、安全確保に必要な教職員数を確保できなかったと説明し、大半の小学校は9月29日、中学、高校は10月1日に再開を延期すると発表した。

 

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各国・地域の入国規制まとめ