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【コロナ:世界の動き】中国・国慶節連休で観光地にぎわい 6.37億人が旅行。日本は来春から外国人観光客受け入れ再開か

2020.10.13

世界各国も待ち望む、日本の外国人観光客の受け入れ再開

日本政府は2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、外国人観光客の入国拒否を解除する方向で検討を進めているという。ジャパンタイムスが政府関係者からの話として報じた。この報道を受け、「Japan could reopen to tourists from spring 2021(日本は2021年春から、観光客の受け入れを再開する可能性がある)」として、各国の旅行業界サイトも情報を掲載している。

政府は現在、原則として159の国・地域からの入国を拒否しているが、海外へのビジネス出張からの帰国者を対象に入国時の規制を緩和する方向で調整を進めている。旅行者には、自国でビザを取得する際に健康診断アプリをダウンロードするよう要請するほか、出発前の陰性証明書の取得や、民間医療保険の購入を義務付ける予定となっている。オリンピック・パラリンピック期間中は、入国時のPCR検査で陰性となった場合に観戦を許可する。

現在、日本政府は往来再開を段階的に進めており、ビジネス上必要な人材等の出入国を一部の国から再開させている。第一弾として、入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の往来を再開するスキーム「レジデンストラック」として、7月29日から開始したタイ、ベトナム、9月にはマレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、台湾、シンガポール、10月8日には韓国とブルネイとの往来を再開。また、入国後14日間の自宅等待機期間中も行動範囲を限定した形でのビジネス活動を可能とする「ビジネストラック」を、シンガポールと韓国の間で実施している。
さらに10月1日からは、留学、家族滞在等の在留資格者を対象とし、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可している。

一方、日本からの海外渡航者に対しては、10月8日より「海外渡航者新型コロナウイルス検査センター(TeCOT)」を本格稼働させている。これにより、海外渡航者はオンライン上で新型コロナウイルスの検査を受けることができる医療機関を検索・予約できるようになった。

 

中国、国慶節連休で昨年比8割まで回復

中国文化観光省は9日、10月1日〜8日の中国の国慶節連休では、延べ6億3700万人が国内を旅行したことを発表した。当初の予想の6億人を上回り、旅行者数は前年同期比で約8割まで回復し、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降の連休で最多を記録した。観光収入も4665億6000万元(約7兆3400億円)となり、前年同期比で約7割まで回復したことが明らかになった。ただ今年の連休は前年より1日多くなっているにもかかわらず前年を下回ったことから、宿泊や飲食需要が前年並みに回復するには時間がかかりそうだとの見方も出てきている。

コロナによりマイカーでの旅行が増えたこともあり、国内航空や鉄道での輸送客数は前年には及ばなかった。

旅行者の世代別データでは、95後(1995年から1999年生まれ)が初めて旅行者のトップに立ち、全体の3割を占めた。この世代では、目新しさや体験を重視する文化的な旅行商品が人気で、ウイグル自治区や内モンゴルなどをじっくりと味わう旅行がトレンドになっているという。

今年の国慶節では、事前予約や人数制限など、新型コロナウイルスの予防と抑制を徹底した上で、全国1500カ所を超える観光地が入場料無料や割引などのサービスを展開した。

 

北京で開催モーターショー、10日で53万人が来場

中国では10月5日、国内3大モーターショーのひとつである「北京国際モーターショー」が開幕した。当初は4月に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い5カ月遅れでの開催となった。同モーターショーでは、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池自動車、EV、プラグインハイブリッド車など、新エネルギー車が公開され、来場者を引きつけた。

 

中国のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」が発表したデータによると、国慶節連休中には、海外旅行に行けない状況が続く中、オンラインストアを通じ海外の店舗からショッピングをする人が増え、人気のある国・地域のデパートや免税店での売り上げが上昇したという。

同社の越境ECプラットフォームで10月1日から7日の売り上げを見てみると、日本の免税店LAOX(ラオックス)は前年比105%増、香港のSasa(ササ)は前年比141%増、オーストラリアのChemist Warehouse(ケミストウェアハウス)は前年比24%増となっている。

 

マカオ、国慶節連休中のインバウンド客は15万6000人

中国本土からの観光客がインバウンドの7割を占めるマカオでは、中国の国慶節連休中もインバウンド客が回復せず、累計で15万6300人にとどまった。連休7日目までの1日あたりの平均旅客数は1万9538人で、前年から86%の大幅減となった。中国、マカオともに新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いており、往来制限の緩和が進んでいるため、中国本土からの観光客は検疫なしでマカオへの渡航が可能となっている。しかしコロナ前に比べてマカオへの渡航許可申請手続きに時間がかかり、PCR検査の陰性証明書の提示などの条件をクリアする必要もあり、需要回復につながっていないようだ。

 

香港政府、現行の防疫措置を10月15日まで延長

香港政府は6日、新型コロナウイルスに対する防疫措置を10月15日まで延長すると発表した。バーでの集団感染が起き、新規感染者が再び増加に転じたことからこの措置が講じられた。飲食店では1卓4人までに制限し、午前0時から翌朝5時までの店内飲食を禁止するほか、5人以上の集まりの禁止、公共の場でのマスク着用の強制などの措置が継続される。

 

オンラインで楽しむ「テイスト香港 Now」

香港政府観光局は日本国内の飲食店と連携し、日本にいながら香港の味覚が楽しめる「テイスト香港 Now」キャンペーンを10月12日から11月15日まで開催。新型コロナウイルスの影響により、香港旅行ができない日本人が香港の魅力に触れる機会を創出し、将来の香港旅行につなげたい考えだ。

 

台湾エバー航空、対人距離を確保するサービスを開始

台湾のエバー航空は6日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅客ニーズの変化に合わせ、対人距離を保てる新たな予約サービスを開始した。このサービスでは、隣接する前後左右の座席を合わせて購入できる「複数座席指定」や、エコノミーやビジネスなどの各クラスの客室のうち、独立した一区画を全部貸切にできる「エリア指定」、1つのクラスの客室をトイレ込みで全て貸し切りにし、専属乗務員によるサービスを受けられる「クラス指定」を行うことができる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業やビジネスマンが対人距離を重視するようになり、ニーズが高まっていることから、プライベート空間を持てる選択肢を用意したという。

 

韓国、観光オンライン博覧会を開催

韓国では10月12日から16日の5日間で、「2020韓国観光オンライン博覧会(Korea Tourism Virtual Fair 2020)」が開催される。同博覧会がオンラインで行われるのは今回が初めてで、新型コロナウイルスの感染拡大により大打撃を受けた観光業に活力を与え、安全・安心な観光文化を広めていくことを目的としている。国内外の著名人らによるショーケースや、オンラインビジネス商談会、韓国観光のPRを目的とした韓国観光広報館の開設など、さまざまなイベントが予定されている。

 

タイ、14日間の隔離期間を10日に短縮するよう提言

タイの保健省は7日、新型コロナウイルス感染症対策センターに対し、同国への渡航者に対する14日間の強制隔離を10日間に短縮するよう提言することを明らかにした。タイ政府は、マスクの着用が感染拡大の防止につながっていると考えており、こうした感染症対策の徹底により第2波が起きたとしても第1波の時ほどの状況にはならないだろうとの見解を示している。

一方で、タイ国立開発行政研究院(NIDA)が18歳以上のタイ人を対象に実施した世論調査によると、外国人観光客の受け入れを再開することに「反対」は40.2%、「やや反対」は16.8%だった。

 

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各国・地域の入国規制まとめ