【世界の動き】コロナ再拡大:日本、入国緩和先送り。増加つづけば緊急事態宣言も視野 韓国、厳しい行動規制を導入
2020.11.27
72時間以内短期滞在者への受け入れ、先送り
日本政府は72時間以内の短期滞在をする海外からのビジネス渡航者に対し、条件付きで受け入れる案を検討していたが、国内外の感染状況が悪化していることを受けて入国緩和を当面先送りする見通しだ。
日本は緊急事態宣言を解除した5月以降、入国制限を段階的に緩和してきた。9月には中長期の日本在留資格を持つ外国人の再入国を認め、10月からは新規の入国にも対象を広げた。新型コロナ感染の「低リスク国・地域」とも協議を進め、一定の条件下で入国時の待機措置を免除する「ビジネストラック」での往来再開も進めてきた。
しかし、さらなる緩和策として検討していた滞在72時間以内のビジネス関係者の入国を容認した場合、国内の感染拡大を助長しかねないとの判断で先送りが決定。日中両国ではビジネス往来の再開で合意していたが、これも当初の予定からずれ込んでおり、政府は経済活動への影響を懸念している。
大阪市と札幌市「Go To トラベル」除外
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は25日、上から2番目に深刻な感染状況を示す「ステージ3」に相当する地域との人の往来を今後3週間なるべく控えるよう求める提言をまとめた。分科会の提言では、感染が拡大する都道府県に対し「年末年始を穏やかにすごすため、この3週間に集中して早期に強い措置を講じる」ことを求めた。さらに、政府が主導する観光需要喚起策「Go To トラベル」で感染が拡大している地域から出発する旅行についても一時停止を検討するよう要請。分科会の尾身会長は、札幌市、東京23区、名古屋市、大阪市が「ステージ3」に相当するとの認識を示した。
西村経済再生担当相は同日の記者会見で、今後3週間で感染増加を抑えられなければ「緊急事態宣言が視野に入ってくる」と危機感を示した。菅首相は25日に行われた衆参両院の予算委員会で、「Go To トラベル」と新型コロナウイルスの感染再拡大は「直結していない」との考えを示した。
24日には「Go To トラベル」事業の対象から、感染拡大が深刻な札幌市と大阪市を一時除外することが決定。これにより、両市を目的地とする旅行は12月15日までの3週間、「Go To トラベル」の補助の対象から外れることになった。
「Go To トラベル」で補助がなくなるのは、札幌市と大阪市を目的地とする旅行で、日程が11月24日〜12月15日の新規予約分、そして12月2日〜12月15日の予約済み分となる。11月24日〜12月1日の日程で予約済みの旅行については補助の対象となるが、「新規予約」「予約済み」のどちらの旅行においても12月3日までにキャンセルすれば、旅行者がキャンセル料を払う必要はない。現状では12月16日からの旅行では再び「Go To トラベル」での新規予約ができる見通しだが、感染状況次第では延長の可能性もある。
ANA、「成田=深セン」線を新規就航へ
全日本空輸(ANA)は25日、12月14日から週1便で「成田=深セン」線を新規開設することを発表した。新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降、国際線航路の新設はこれが初となる。IT企業が集積する深センとの往来でビジネス客と貨物の需要を取り込むことが狙いで、日本の航空会社としては、深センへの直行便を就航するのは初の試みとなる。
韓国、新型コロナ第3波で再び厳しい行動規制を導入
韓国では26日、新型コロナウイルスの新規感染者が583人となり、3月以来初となる500人超えとなった。韓国政府は1カ月前に行動規制の緩和をしたばかりだが、今週から再び首都ソウルとその地域を対象とした厳格な行動規制を導入している。
やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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