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プレジデント社共催『観光再生』出版記念オンラインセミナー 観光再生に向け、2021年準備すべきことを考える ~観光はかたちを変えて戻る~

2020.12.24

2020年、新型コロナウイルス感染症により、世界そして日本の観光は大打撃を受けた。国内観光は回復の兆しを見せつつあるが、コロナ第3波に突入するなど見通しがつかない状況が続いている。

 

これまで築いてきたネットワークとの連携が力に

今後も「観光」が人々、社会にとって大事なものであり続けるのは間違いないが、コロナ発生前と後とでは観光のかたちが変わり、観光客のニーズはもちろん、受け入れ側の意識も違うかたちで「再生」されるだろう。

では、どうやって観光を再生していけばよいのか。その一つの指針になることを願って、やまとごころ代表取締役の村山慶輔がプレジデント社より出版したのが『観光再生 サステナブルな地域をつくる28のキーワード』である。



出版記念オンラインセミナーで講演した村山は、出版に至る経緯について、「インバンドが消滅したなか、やまとごころとして何ができるのか悩んだ」と吐露した。これまで築いてきたネットワークと連携し、2020年4月16日から毎週金曜日にオンライントークライブを継続。さまざまなジャンルのゲストの意見や課題を視聴者とも共有するなか、村山自身も刺激を受けて「観光はかたちを変えて戻る」と確信した。国内外のリサーチも踏まえ、本書をまとめることになったと振り返った。

 

コロナ禍で加速するサステナブルへの興味関心

DX(デジタルトランスフォーメーション)から食の多様化、観光CRM、ダイバーシティまで、村山が本書で挙げた28のキーワードに共通するのは「サステナブル」だ。サステナブルとは端的にいうと、「地域社会や環境を守りつつ、経済的にも持続可能な観光地づくり」を指す。

村山は、「サステナブルへの興味関心はコロナ禍で世界的に加速した」と指摘する。コロナ禍におけるニューノーマルな旅のキーワードといわれている「開放的」「少人数」「清潔」との親和性も高いとしたうえで、世界では「Future of Tourism」という任意団体も登場していることなどを紹介。「Future of Tourism」は、「量より質の選択」「観光地への負担軽減」といった13のガイドラインを準拠する観光地で連携しようという取り組みだが、日本ではまだ参画がなく、「サステナブルをうまく体系化、可視化している世界に日本は追いついていない」と危機感を示した。

講演では最後に、「観光再生に向け、2021年何をすべきか」について言及。「まだプロモーション、すなわち刈り取りの時期ではないが、戦略立案・見直し、商品造成・インフラ整備、ブランディングを徹底的に行うべき」と断言し、「サステナブルな観点で事業を見直す」「経験価値を高める取り組み」「先送りしていた大切なことを愚直に進める」「想定外を想定していく」ことが大切だとまとめた。サステナブルを超えるリジェネラティブ、トラベル、インバウンドの最新状況、回復に向けた見通しなども紹介した講演の全編は、ぜひ動画で視聴してほしい。

なお、オンラインセミナーでは、セミナーへの登壇や本書の取材・出版で協力いただいた方々から観光再生に関するメッセージをいただいた。


・プレジデント社 書籍編集部長 兼 書籍販売部長 桂木 栄一 氏
「世界の成功事例をもとに、ゼロから考え直して再生するチャンスが観光にはある」

・日本政府観光局(JNTO) 参与 日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB) 事務局長 小堀 守 氏
「雲外蒼天、東京五輪の後には厚い雲から青空がのぞくと確信している」

・株式会社美ら地球 代表取締役 山田 拓 氏
「再開のゲートが開くまでに、いかに準備をして備えておくかが重要」

・明海大学 ホスピタリティ・ツーリズム学部 教授 K plus 代表 阿部 佳 氏
「人を育てること、志ある人との連携に向け、一日も早く歩みをすすめるべき」

・JTIC SWISS 代表取締役 山田 桂一郎 氏
「持続可能性だけでなく、自立しなければ意味がない。産業を越えた連携がカギになる」


【開催概要】
プレジデント社共催『観光再生』出版記念オンラインセミナー〜観光再生に向け、2021年何をすべきか?〜
日時:2020年12月18日(金) 16:00〜17:15
会場:ZOOMウェブセミナー
主催:株式会社やまとごころ