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【世界の動きまとめ】新たに7府県を緊急事態宣言に追加へ。変異種拡大のイギリスなど、厳しいロックダウン措置とる欧州各国。アメリカでは動物園のゴリラに感染

2021.01.13

関西、中部を追加。緊急事態宣言、11都府県に

新型コロナウイルスの第3波に直面する日本では、政府は新たに7府県に対して、 13日、緊急事態宣言を発令する方針を表明した。関西の大阪、兵庫、京都の3府県と中部の愛知、岐阜、さらに福岡、栃木の2県が追加される。これにより対象は、すでに緊急事態宣言を発令している東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県とあわせて11都府県になる。

7府県への緊急事態宣言の期間は、先の1都3県と同じく2月7日までとなる。対象地域では午後8時以降の不要不急の外出自粛や、イベントの人数制限、テレワークによる出勤7割削減。飲食店の午後8時までの時短営業、酒類の提供は午前11時から午後7時までとすることが要請される。時短営業に応じた店舗には1日最大6万円までの協力金が支払われる。

地域経済への影響の大きさから当初の慎重姿勢を一変させ、各地で緊急事態宣言を要請する動きが相次いだ背景には感染者数の増加がある。愛知県では11日の時点で入院者数が過去最多の696人となり、病床使用率も63%となっている。岐阜県ではすでに県独自の「非常事態宣言」を1月9日に発令している。愛知県の大村知事は12日、岐阜県の県知事とともに緊急事態宣言の発令を政府に要請した。隣接する両県では感染拡大に歯止めがかからず、より強い規制措置が求められている。また、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数の割合が東京都、神奈川県に次いで多い栃木県の福田知事も、国に対して、栃木県に緊急事態宣言を出すよう要請した。

政府は、オフィスへの出勤については7割削減を呼びかけているが、今月7日先行して緊急事態宣言が発令された東京のオフィス街では、前回の緊急事態宣言が発令された時のようには昼間の人出は減っておらず、通勤電車も普段より混雑が少ない程度となっている。しかし夜ともなると街の様子は一変。午後8時過ぎ、東京の繁華街の一つ赤坂では人通りはパラパラとあるものの飲食店は早々に店仕舞いをしており、ごく限られた一部の店舗が営業をしているのみ。街を走る空車のタクシーもいつもより少なくなっていた。

 

2月7日まで全国で、一時停止のGo To トラベル

日本政府は7日、11日までを期限としていた「Go To トラベル」の全国一時停止を来月7日まで延長すると発表した。これに伴い、1月12日から2月7日の間に予約した旅行については、1月17日までにキャンセルすればキャンセル料が無料となる。また、キャンセルに応じた事業者には旅行代金の35%が保証される。1都3県では緊急事態宣言の期間を2月7日までとしているが、1カ月では解除できないとの意見も多く、「Go To トラベル」の再開についても先が見通せない状況となっている。

 

イギリス、全土ロックダウン措置を継続、医療が危機的な状況

イギリス政府は4日、新型コロナウイルスの感染再拡大を抑制するため、新たに全土でロックダウンを導入している。今回のロックダウン措置では、学校が5日から閉鎖され、生活必需品の購入や運動以外の目的での外出自粛を要請する。また、生活必需品以外を取り扱う店舗なども閉鎖されている。ジョンソン首相はワクチンの接種が計画通りに進み、死者が減少すれば2月半ばまでに規制緩和ができるとの見解を示しているものの、国民の間には3月末までロックダウンされるのではないかとの諦めのような覚悟をもっている人も多くいるようだ。

 

死者数は、ヨーロッパで最多。世界では5番目

イギリスでは新型コロナウイルスの変異種が急速に拡大していることにより、医療サービスが危機的な状況に陥っている。英政府のホイッティ首席医務官は11日、4月時点で入院者数が1万8000人だったのに対し、現在は3万人であることを挙げ、「今後数週間が最悪の期間になる」との見解を示した。首都ロンドンのカーン市長も8日、感染拡大が「制御不能だ」と述べ、病床数が今後数週間で限界に達する恐れがあるとして「重大インシデント」を宣言した。

同国では8日、新規感染者が6万8000人、死者も1325人と過去最高を記録。イギリスの死者数はヨーロッパでは最多、世界では5番目に多い8万1000人超えとなっており、感染者も300万人を超えている。

 

フランス、イギリスとの国境閉鎖を延長

フランスのカステックス首相は7日、12月20日より講じている英国との国境閉鎖を延長すると発表した。フランスではイギリスで発見された強い感染力を持つ変異種が確認されており、この変異種による2つのクラスターも起こっている。感染が高止まりしている同国では、夜間外出禁止令が少なくとも1月20日まで延長され、レストランも2月中旬まで閉鎖される予定だ。フランスはワクチン接種において、イギリスやドイツなどに後れを取っている。イギリスでは130万回以上、ドイツやイタリアでも40万回以上のワクチンが接種されたのに対し、フランスの接種回数は4万5000回程度にとどまっている。マクロン大統領は今月末までに100万回を目標としているが、その実現は疑問視されている。

 

ドイツ、全土ロックダウン措置を1月末まで延長

ドイツの連邦政府と各州政府は5日、1月10日を期限としていた全土ロックダウンの期間を31日まで延長する方針で合意した。新型コロナウイルスの流行地域では、居住地から15キロを超えた移動を原則禁止するなど、規制をさらに強化する。ドイツでは昨年11月に部分的なロックダウン措置を行ったが感染拡大に歯止めがかからず、先月半ばからは学校や店舗を閉鎖している。

 

スイス、全土ロックダウン措置を2月末まで延長、変異種の感染拡大を懸念

スイス政府は6日、新型コロナウイルスの感染拡大抑制を目的としたロックダウン措置を、2月末まで延長すると発表した。スイスでは昨年12月半ばから飲食店や博物館、図書館、スポーツ施設などを全て営業停止とし、国民に外出自粛を呼びかけている。しかし感染者数の大幅減とはならず、新型コロナウイルス変異種の感染拡大に対する懸念もあることから、ロックダウン措置の延長に踏み切った。

 

オーストラリア、市中感染者が3週間ぶりにゼロ

シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州当局は4日、新型コロナウイルスの市中感染者が約3週間ぶりにゼロになったことを発表した。一方で検査を受ける人の数が激減しており、正確なデータを把握するためにも市民に検査を受けるよう呼びかけた。また、シドニーでは同日、屋内や公共交通機関利用時のマスク着用を義務化。これに伴い違反者には200豪ドル(約1万6000円)の罰金が科せられることが決定した。シドニーではマスクの着用が定着しておらず、現在は警官が公共の場をパトロールしているという。

 

カナダ、海外からの渡航者に陰性証明書の提出を義務づけ

カナダのガルノー運輸相は2020年12月31日、国内で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、海外からの航空便による渡航者全員に新型コロナウイルス検査の陰性証明証の提出を義務づけると発表した。この措置は1月7日から開始されており、搭乗者は出発の3日以内に行ったPCR検査の陰性証明書を航空会社に提示する必要がある。陰性証明書を提示した上でも、入国後14日間の隔離措置が免除されることはないという。

 

アメリカ、動物園のゴリラ、大型類人猿へ初めて感染

新型コロナウイルスの感染拡大が依然猛威をふるうカリフォルニア州で、州内のサンディエゴ動物園サファリパークにいる2頭のゴリラが新型コロナウイルスに感染したことを州知事のニューソム氏が明らかにした。大型類人猿への新型コロナウイルスの感染が確認されたのは今回が初めて。

ゴリラ2頭は6日から咳をしていたことから、新型コロナウイルス感染症への感染状況を検査したところ、陽性となった。さらにもう1頭も症状が出ているという。無症状の職員1人から感染した疑いがあると見られている。