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【コロナ:世界の動き】欧州、34%が5月〜7月の国外旅行を希望。アメリカからの観光客で賑わうメキシコ・カンクン空港

2021.02.24

欧州、54%の人が今後6カ月以内にEU圏内の旅行を計画

ETC(欧州旅行委員会)が発表した月次調査によると、1月に収集したデータでは、回答者の54%が今後6カ月以内にEU圏内の旅行を計画していることが明らかになった。同調査は多くの旅行者を出しているヨーロッパ10カ国、ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、イタリア、スペイン、ベルギー、スイス、ポーランド、オーストリアを対象に、昨年9月より毎月行われている。

また、欧州全域で厳格な旅行規制が導入されたことで、欧州の旅行者は検疫を受ける可能性と訪問先での感染者数の増加を懸念していることがわかった。一方で、回答者の大多数(69%)は目的地に厳格なガイドラインがあれば、より安全でリラックスできると感じていると答えている。ワクチン接種は旅行再開の最大のカギとなりそうだ。回答者の11%は、ワクチン接種の推進が旅行再開に重要な役割を果たすと答えている。また、3分の1以上 (34%)の人が、2021年5月から7月に旅行をしたいと思っており、国外への旅行を希望している人は41%となり、調査開始以来最高となった。一方で35%の人は国内旅行を希望している。

 

アメリカ人の春休み旅行、エクスペディアが目的地トップ10を発表

世界各地でロックダウンが導入され、旅行先が限定されているにもかかわらず、アメリカ人はすでに春休みの旅行の計画を立てている。Expedia(エクスペディア)はこのほど、アメリカ人を対象とした2021年春休みの旅行先トップ10を発表した。ランキングは以下の通りで、1位のカンクンほか、国外はすべて隣国のメキシコの観光地だった。

1位:カンクン(メキシコ)
2位:リビエラマヤ/プラヤデルカルメン/トゥルム(メキシコ)
3位:ムヘレス島(メキシコ)
4位:ラスベガス
5位:オーランド
6位:プエルトバジャルタ/ヌエボバジャルタ/リビエラナヤリト(メキシコ)
7位:ロスカボス(メキシコ)
8位:マイアミ
9位:オアフ
10位:マウイ

 

メキシコ・カンクン空港では1日に400便が往来

そのカンクン国際空港は2月13日に、1日の発着便が約400便を記録したと発表した。内訳は、到着が195便(国内線60便、国際線135便)で、出発が192便(国内線58便、国際線134便)となっている。国際線の多くはアメリカからで、そのほかにも、世界各地からの便が到着。メキシコの空港運営会社によると、カンクン空港は1月に71万2000人の乗客が利用した。

入国制限が緩和されているメキシコでは到着時の検査や検疫措置がない。一方でアメリカへ帰国する際には抗原検査の陰性証明書が必要となるため、カンクンや周辺のリゾートでは無料の検査を行っているほか、一部のリゾートでは、旅行者が陽性になった場合に備えて14日間の無料滞在を提供している。

 

欧米の富裕層はビーチリゾートでワクチン待ち

『Bloomberg』の報道によると、イギリスと欧州の富裕層はロックダウン前にドバイやモルディブ、スペインなど、より温暖な場所へ避難したという。また、アメリカ人は旅行制限を緩和していたハワイや、国境を再開しているメキシコ、コスタリカ、ベリーズ、カリブ海などのビーチリゾートに逃れたそう。

ロックダウンに疲れた彼らは、インターネット環境が整った高級ホテルやリゾート施設に押しかけて現地で仕事をし、平均1カ月7万ドル(約740万円)の費用を払って2〜4カ月ほど滞在。中にはワクチンの予約ができるまでは戻らないという人もいる。一方で、長期滞在者には大幅な割引をオファーする宿泊施設もあるようだ。

 

各国で急速に進む「ワクチンパスポート」の導入

世界各国でデジタル版「ワクチンパスポート」の導入や検討が急速に進められている。アメリカではバイデン大統領が、新型コロナワクチンの証明書を他のワクチン接種記録とリンクさせ、デジタル版を作成することが実行可能かどうかを評価するよう政府機関に求めている。

デンマーク政府は、今後3〜4カ月の間に、予防接種歴を示すデジタルパスポートを導入すると発表。エティハド航空とエミレーツ航空も、IATA(国際航空運送協会)が開発したデジタルトラベルパスの使用を開始する。

 

2021年の旅行マーケティングは、タイミングが重要

『Travel Daily News』は、今年の旅行マーケティングはタイミングが重要であるとの記事を掲載した。これによると、イギリスでは3度目のロックダウンに入っているが、過去のロックダウン時の統計から消費者の行動を予測することができるという。ロックダウン中に人々は未来の旅行に向けてアイデアを閲覧し、情報収集を行うが、政府が規制緩和の日付を発表すると、ロックダウン終了の2、3週間前から、旅行の予約を始めるという。コロナ禍の旅行マーケティングでは、長期的な計画ではなく、戦略を固めつつ状況の変化に迅速に適応できる機敏性を持つことが重要になってくるようだ。

 

イギリス、ロックダウンの段階的解除を検討

『Daily Mail』紙はこのほど、イギリス政府はロックダウンを段階的に解除し、7月に正常化することを検討していると報じた。ジョンソン首相はロックダウン終了への道筋を22日に発表する。段階的な解除は4月に始まり、まずはバケーションレンタルやホテルの営業が再開され、5月にパブやバー、レストランが再開する見通しだ。同紙によると、ゴルフやテニスなどのいくつかのスポーツも可能になるという。

 

オランダは夜間外出禁止を当面維持

オランダの控訴裁判所は2月16日、新型コロナウイルス対策として発令されている外出禁止例を当面維持することを認めた。オランダで夜間外出禁止令が発令されたのは、第二次世界大戦以来で、導入時には数日間にわたって抗議デモが繰り広げられた。しかし、ルッテ首相は、感染力の高い変異ウイルスの感染拡大を抑えるためには、夜間外出禁止令が必要だと強調し、国民に協力を呼びかけた。

 

スペイン、ワクチン接種証明で観光回復へ

ロイターは16日、スペインは新型コロナウイルスで打撃を受けた観光産業の今夏回復を目指し、ワクチン接種証明を導入してイギリスからの渡航再開を目指していると報じた。この報道によると、同国観光省の関係者は、ワクチン接種証明は、社会的距離の確保、渡航前検査、マスク着用といった一連の対策の一環とすると語っているという。

 

ユナイテッド航空、“空飛ぶタクシー”に投資

新型コロナで航空業界が深刻な打撃を受けている中、アメリカのユナイテッド航空は、電動航空機スタートアップのArcher Aviation(アーチャー・アビエーション)に投資することが明らかになった。ユナイテッド航空は脱炭素技術への投資の一環として、“空飛ぶタクシー”と呼ばれる電動垂直離発着機(eVTOL)の開発を支援する。2023年に生産を開始し、2024年に一般利用が可能になる見通しで、ユナイテッド航空は最大200機を購入する方針を示している。