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【宿泊統計】2021年6月宿泊者数は1960万人泊、3カ月連続で減少。7月は東京五輪などの影響で増加

2021.09.02

観光庁が8月31日に発表した2021年6月の宿泊旅行統計調査結果(第2次速報値)によると、全体の延べ宿泊者数は1960万人泊だった。緊急事態宣言発出に伴う厳しい自粛要請のあった2020年6月と比較すると24.2%増だが、パンデミック前の2019年同月と比べると57.2%減となっている。

内訳は日本人延べ宿泊者数が1935万人泊で、2020年同月比24.2%増(2019年同月比46.6%減)だった。5月よりは88万人泊ほど減少している。

外国人延べ宿泊者数は前年同月比22.2%増の24万人泊(2019年同月比97.4%減)で、5月の泊数と変わらなかった。延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は5月に続き1.2%だった。

新型コロナウイルスのデルタ株による感染再拡大があって、延べ宿泊者数はこれで4月以降3カ月連続で減少している。なお、7月(第1次速報値)は東京2020大会の開催で人流が増えたせいもあるのか、3092万人泊となっており、昨年末の水準まで戻ったようだ。(下記グラフの2021年7月の数値は第1次速報値)

 

6月の日本人と外国人を含んだ都道府県別延べ宿泊者数では、東京都が258万3280人泊で全国で最も多く、次いで北海道、大阪府、神奈川県、千葉県だった。5月は全都道府県で前年同月から増加し、2倍、3倍となるなど大幅に増えた。しかし、6月の前年同月比の伸びはそこまで大きくはなく、41都道府県では増加に転じたものの、茨城県(0.6%減)、奈良県(1.0%減)、広島県(9.2%減)、高知県(1.0%減)、宮崎県(8.0%減)と減少し、なかでも岐阜県は17.4%減だった。

また、2019年同月比では全都道府県でマイナスだったが、減少幅が最も小さかったのは、19.4%減の山口県(22万7530人泊)だった。これは2020年にもあった県民割クーポンがこの期間に利用された影響と見られる。

国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数では、4万9000人のアメリカが4カ月連続トップで、フィリピン、中国、ベトナム、インドネシアとトップ5は5月と同様の顔ぶれだった。上位5カ国で全体の51.8%を占めた。

また、観光庁が8月6日に発表した国内の主要旅行業者48社の6月の総旅行取扱額は、前年同月比167.3%(2019年同月比13.0%)の519億5933万円だった。国内旅行は同156.6%(2019年同月比20.7%)の455億576万円。海外旅行は同264.3%(2019年同月比3.0%)の47億6133万円、外国人旅行(日本の旅行会社によるインバウンド向け旅行取扱分)は同883.0%(2019年同月比9.0%)の16億9224万円だった。前年同月と比べると大幅に増加したもの、2019年同月と比較すると、全部門で大きく減少した。