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新規感染者高止まりの韓国ウィズコロナの動き、トラベルバブルも活況。ワクチンパスポート検討へ

2021.10.06

韓国では、新型コロナウイルスの新規感染者が2000人を超える日が続くなど、高止まり状態が続いている。しかし一方で、ワクチン接種完了率が既に全人口の50%を超え、政府が目標としている70%の達成が近づく中、規制緩和の動きもみられる。11月から「ウィズコロナ」を推進すると発表した韓国国内の状況とともに、インバウンド、アウトバウンドの動きも紹介する。

 

韓国、感染拡大で最高レベルの規制を2週間延長も、段階的な緩和の動き

韓国政府は10月3日、前日の新型コロナウイルスの新規感染者が2086人だったと発表した。検査数が減少する土曜日の感染者としては、9月26日に次いで過去2番目の多さとなった。韓国では感染力の強いデルタ株の影響で6月下旬頃から新規感染者が急増し、高止まりが続く「第4波」に見舞われている。9月25日には、秋夕(中秋節)連休に伴う帰省などが影響し、新規感染者が3273人と過去最多を更新した。同政府は10月1日、首都圏で敷かれている規制措置を、現行の最高レベル「第4段階」(夜10時以降の外食禁止、午後6時以降の3人以上の集まり禁止等)のまま2週間延長すると発表した。首都圏以外の地域でも現行の「第3段階」を維持する。

一方で、韓国政府は、教職員らのワクチン接種完了といった一定の条件下で幼稚園と小中学校の登校拡大を段階的に推進すると発表。また「全国民の70%が1回目のワクチン接種を完了したことにより、大学内の対面活動を拡大する」という方針も明らかにした。

 

11月にはウィズコロナへ転換。「ワクチンパスポート」導入も検討

韓国では、ワクチン接種完了者の割合が、10月末から11月初旬頃に成人の接種完了率が80%に達する見込みから、政府は11月初めに「段階的な日常回復(ウィズコロナ)」を推進し、接種証明書を活用したワクチンパスポートの導入を検討していると発表した。ワクチンパスポートが導入された場合、パスの発給を受けていない未接種者は施設の利用や行事などへの参加などが一部制限される可能性が高いという。

同国で1回目のワクチン接種を終えた人は総人口の76.7%、必要回数のワクチン接種を完了した人は52.2%で(10月3日時点)となっている。

 

「変異株流行国」リスト修正で、日本は隔離免除の対象に

韓国の疾病管理庁は9月17日、10月1日から適用される「変異株流行国」リストを公表し、日本を含む18カ国がこのリストから除外された。「変異株流行国」以外の国から韓国へ入国する際は、ワクチン接種を完了し、一定の渡航事由があれば入国後の14日間の隔離が免除されるという。10月1日から適用される「変異株流行国」には、ナミビア、南アフリカ共和国、マラウイ、モザンビーク、ミャンマー、バングラデシュ、ブラジル、スリナム、アンゴラ、ウズベキスタン、インドネシア、チリ、カザフスタン、キルギス、トリニダード・トバゴ、パキスタン、ペルー、フィリピン、ザンビア、ジブチの20カ国が指定されている。

 

8月の訪韓観光客は41%増、海外パッケージツアーやトラベルバブルも

韓国観光公社は9月30日、8月に韓国を訪問した外国人観光客数は6万8797人で、前年同月比41.1%増となったと発表した。観光公社は、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で訪韓外国人が急減したため、その反動によるものだと説明している。訪韓外国人の国籍別ランキングは上から米国、中国、フィリピン、インドネシアの順となっている。一方、8月に海外へ渡航した韓国国民は13万7712人で、前年同月比54.9%増だった。

こうした中、韓国観光公社と旅行・レジャー予約プラットフォームのKlookは10月1日、海外旅行解禁後にすぐに韓国旅行を楽しんでもらうための共同プロモーションを開始した。キャンペーン期間は6カ月間で、Klookのキャンペーン特設サイトで、韓国旅行・レジャー商品が100%OFFとなる(上限5000円)クーポンを2カ月ごとに計3回配布するという。

大手旅行会社の韓進観光は、10月に出発する海外のパッケージツアーの販売を再開した。ワクチン接種を完了した旅行者のみ参加が可能で、韓進観光のベストセラーである「スイス1周」や「フランス1周」をパッケージにした商品で構成されている。同社はこのほかにも、ハワイ、グアム、サイパン、プーケット、アメリカ、カナダなどの安全が検証された国・地域を中心に本格的な商品販売の再開に乗り出している。

7月に韓国と「トラベルバブル」を締結したサイパンへの旅行需要も増えている。韓国では年末までに約2200人がアシアナ航空とチェジュ航空のサイパン便を予約しているという。