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JAL 脱炭素社会実現に向けたSDGs債を発行、航空業界として世界初

2022.02.09

JALはこのほど、航空業界として世界初となる「トランジションボンド」の発行を決定した。

トランジションボンドとは、脱炭素社会への移行(トランジション)に資する取り組みを行う資金を得るために発行する社債で、SDGs債の一形態。JALにとっては初めてのSDGs債の発行で、航空業界として世界初のトランジションボンドの発行となる。

JALが2021年5月に発表した「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画」では、時代が大きく動き価値観が変わるなか、安全・安心とサステナビリティを未来への成長エンジンとした「JAL Vision 2030」の実現に向け、事業戦略・財務戦略に加え、「ESG戦略(Environment/環境 Social/社会 Governance/企業統治)」を経営戦略の3本柱の一つとして掲げており、2030年のSDGs達成を目指して取り組んでいる。

特に、航空機による移動は他の移動手段に比べ単位当たりのCO2排出量が格段に多いことから、航空機からのCO2排出量の削減は航空業界における最重要課題の一つとなっている。CO2排出量が少なく、省燃費性能の高い最新鋭の航空機A350・787などへの更新や、代替航空燃料の搭載量拡大などにより、長期的には2050年の総排出量実質ゼロの目標達成を目指す。

今回発行予定の社債は、5年と10年の2種類、それぞれ100億円を予定しており、発行時期は2022年3月としている。 このSDGs債で調達した資金はCO2排出量の大部分を占める航空運送事業の中で、省燃費性能の高い最新鋭機材への更新に関連する新規投資及び既存投資のリファイナンスに充当する予定だという。

この社債は経済産業省の「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」に係るモデル事例に航空業界で初めて選定されていることに加え、世界的な第三者評価機関であるSustainalyticsから、適合性評価に関するセカンド・パーティ・オピニオン(第三者評価)を取得している。