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有給休暇の世界比較、欧州などでは高い水準。日本の取得率は低水準も6年ぶりに改善

2022.03.31

エクスペディアは、毎年実施している「有給休暇の国際比較調査」を実施し、結果を発表した。

このアンケートは、日本やアメリカをはじめとする世界16地域を対象に、2021年12月14日から12月30日までインターネットで実施し、1万4544名から回答を得たもの。

その結果、日本で働く人の有給休暇の取得率は6年ぶりに改善が見られた。過去11年の調査の中では過去最高で、2015年の時と同率の60%となった。2015年から有給休暇の支給日数は20日間のまま変化は見られず、取得率は45%から50%の間を推移していたが、2021年は支給日数20日間のうち12日間取得しており、最高の取得率となった。コロナ禍における有給休暇の取りやすさについて聞いたところ、半数以上の人が「変わらない」と回答したが、約3割の人が「取りやすくなった」と回答。在宅勤務が増えるなど働き方の変化が有給休暇取得率の改善に関係している可能性がある。世界の他の地域と比べると、日本の有給休暇の取得率はまだ十分高いとは言えないが、世界の中でも最も低い状況が続いていた中で取得率が増えたことは良い傾向と言えるだろう。

また、世界ではドイツとフランスが30日の有給休暇があり、ドイツは28日、フランスは25日を取得できている。このような国からは、遠方ではあるが、今後も訪日客が期待できる。

次に、2022年の有給休暇の取得予定に関して聞いてみたところ、日本では平均15日で、2021年よりさらに多くの有給休暇を取得する予定であることが判明した。2019年4月から有給休暇取得が義務化されたことによる影響とも考えられる。さらに、日本では有給休暇に対する意識にも変化が見られた。「以前にも増して、休暇を大切にするようになったか」という質問に対し、77%の人が「はい」と回答。休暇を重要視するようになったことも有給休暇の取得率の改善につながった可能性がある。

直近で取った休暇の過ごし方について聞いてみると、日本では74%が「旅行はせず、ステイホーム」と回答し、昨年同様、世界で最も多い割合だった。また、35%が2022年における有給休暇の取得に関して、「休暇のうち最低1回は旅行せず、ステイホーム予定」と回答し、こちらも世界で最も多い割合となった。一方で、ステイホームでも、旅行した時と同様に休息できるか聞いたところ、61%が「はい」と回答したが、世界で2番目に低い割合となった。世界と比較し、ステイホーム率は高いものの、あまり休息できてはいない事が分かった。

有給休暇を取得しない理由について聞いてみると、日本で最も多い回答は、「人手不足など仕事の都合上難しいため」が20%で最も多く、次いで、「新型コロナウイルス感染症の影響でどこにも旅行ができないため」が16%、「個人的な都合で難しいため」が14%という結果になった。

一方で、世界の回答の平均を見てみると、最も多い回答は「新型コロナウイルス感染症の影響でどこにも旅行ができないため」が28%となり、次いで「新型コロナウイルス感染症への懸念があったため」が20%、「2023年さらに長い休暇を取るために取っておくため」が17%だった。

世界では、休暇は旅行の為と言う意識が高く、旅行ができるようになった時にまとめて取得しようと考える人が多いことがわかった。渡航制限が解除された場合、旅行者が一気に押し寄せるかもしれない。