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【訪日外国人数】2022年9月訪日客数20万6500人、パンデミックでの入国停止以降 初の20万人突破

2022.10.20

日本政府観光局(JNTO)が10月19日に発表した2022年9月の訪日外国人数*(推計値)は、20万6500人だった。前年同月比は1065%増、新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の2019年同月比では90.9%減に相当する。

1カ月の訪日客数が20万人を超えたのは、新型コロナウイルス感染症の拡大により入国が停止した2020年3月以降、初となる。なお2022年8月よりは3万5700人増えた。9月7日からパッケージツアーであれば添乗員なしでも入国可能とするなど、段階的に水際緩和措置を実施してきた成果といえそうだ。10月11日からは、ビザなしでの個人旅行も解禁した。

9月の訪日客数を単純日割りで計算すると、1日6883人だった。9月7日以降、1日の入国者数上限が5万人に引き上げられていたが、訪日外国人の入国は1割強にとどまっている。なお、10月11日からの個人旅行解禁により、1日あたりの入国者数上限は撤廃された。

これで、2022年1月から9月までの累計は102万8500人で、2019年比95.2%減(2020年比438.5%増)となった。

同日に発表された2022年7月の訪日客数(暫定値)は14万4578人で、そのうち3万315人が観光客**だった。訪日客数のうち観光客が占める割合は3月~5月までは5%未満で推移していたのに対し、6月は10%、7月は20%と順調に伸びている。6月から添乗員付きパッケージツアーの受け入れを解禁した効果が出たといえる。

また、9月29日時点の今後の外国人観光客新規入国希望者数(入国者健康確認システム〔ERFS〕への申請数)は合計5万3906人で内訳は10月1日~31日:4万2410人、11月1日~30日:9167人、12月以降:2329人となっている。

9月の訪日数を市場別に見ると、トップ5は韓国の3万2700人、ベトナムの3万900人、アメリカの1万8000人、中国の1万7600人、インドネシアの9200人だった。8月は2位だった韓国が僅差でベトナムを抜き、久しぶりのトップとなった。ほとんどの市場がコロナ禍前の1~2割程度の人数にとどまっているが、ベトナムはコロナ禍前の8割、インドネシアも4割まで戻ってきている。

一方、9月の日本人のアウトバウンドは8月よりも6万7212人減り、31万9200人となった。2019年同月比81.8%減で、前年同月比では509.6%増だった。今年2月以降、毎月順調に増加していたアウトバウンドだが、9月は減少する結果となった。夏休みを利用して海外旅行に出かける人が一気に増えた反動が出たものと思われる。

 

*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない

**この場合の観光客とは短期滞在の入国者から商用客を引いた入国外国人で、観光目的での渡航が認められていない状況下でも、統計上は一定程度の人数が「観光客」に振り分けられカウントされている。