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日韓路線の増便ラッシュ、訪日パッケージツアーやアクティビティ商品も売上好調

2022.11.02

日本政府が入国規制を緩和したことで、9月は韓国からの訪日予約が急増し、両国間の航空路線が急回復したが、10月以降も好調が続いているようだ。今回はその動向を紹介する。

 

日本の入国規制緩和により、韓国からの訪日需要が加速

日本政府は10月11日より、韓国を含む68カ国・地域からの短期滞在者に対してビザなし入国を認めた。また、円安や日本が個人旅行を解禁したことも追い風となり、韓国では日本旅行の需要が急増している。聯合ニュースの報道によると、韓国のECサイト「インターパーク」では、10月1日〜22日までの国際航空券の発券数が前年同期比で14.4倍になり、そのうち日本路線が最も多く、48.2%を占めたという。

RecordChinaによると、韓国の大手旅行会社ハナツアーの10月の海外パッケージツアーの予約は日本が最も多く、30%以上を占めた。地域別の人気は、大阪、北九州、北海道、東京の順に高かった。また、旅行・レジャー予約のECサイト「KLOOK」では、10月1日〜21日の日本旅行商品の売上が、前月同期比で約35倍に増加した。同サイトで最も人気だった商品は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、東京ディズニーランド、レンタカーだった。

韓国ではコロナ禍前の2019年に、「ノージャパン(日本製品不買運動)」が始まり、訪日韓国人観光客数も大幅に減少したが、コロナの流行とともに国民の関心がそれ、ノージャパンはすでに下火となったと見られている。

 

日韓間の航空路線、増便相次ぐ。国際旅客船も2年7カ月ぶりに再開

日韓両国の入国規制の緩和を受け、航空路線の増便も相次いでいる。韓国の大韓航空は11月後半より、現在週4便の「中部―仁川」線を順次増便するという。「福岡―仁川」線では、12月1日より週7便を追加してダブルデイリー化(週7日、1日2往復)する。「那覇―仁川」線も12月1日より、2年10か月ぶりに再開する。

韓国のLCC、エアソウルは10月27日、日本路線を大幅に拡大すると発表した。10月30日から「関西―仁川」線と「福岡―仁川」線を1日1往復で再開し、「成田―仁川」線と「関西―仁川」線を11月21日からダブルデイリー化する。同社では日韓路線の増便を記念し、10月27日から来年3月25日までの「特価セール」を実施。「成田―仁川」線を片道5800円〜、「関西―仁川」線を片道3800円〜(どちらも燃油サーチャージ、諸税を除く)などの価格で販売している。

日本のJALとANAも、韓国路線を増便している。JALは10月30日から、ANAは11月16日から「羽田―金浦」線を増便し、ダブルデイリー化する。両社共に、コロナ禍前には同路線を1日3往復運航していた。日本のLCCピーチは10月30日より「羽田―仁川」線をデイリー運航で再開した。同便は羽田を深夜に立ち、早朝に仁川へ到着するため、ソウルへの0泊旅行も可能になる。

日韓双方で観光需要が拡大する中、韓国海洋水産部は10月26日、新型コロナウイルスの影響で2020年3月から中断していた韓日国際旅客船の運航を、10月28日から正常化すると発表した。これにより、韓国の釜山港、東海港と日本の福岡、大阪、下関、対馬、舞鶴を結ぶ国際旅客航路が再開された。ただし、日本側の準備の関係から、本格的な運航にはもう少し時間を要すると予想される。

 

韓国、11月1日より日本からのビザなし入国を正式に再開

韓国政府は10月19日、日本からの短期ビザなし入国を11月1日より正式に再開すると発表した。今月末までは一時的措置として再開していたが、これを無期限で延長する。入国前後の新型コロナウイルス検査の必要もないため、今後日本からの訪韓観光客がさらに増加するとみられている。ただし、ビザなしの入国でも出発の72時間前までに、「電子旅行許可制(K-ETA)」に申請する必要がある。

韓国政府は10月24日より、クルーズ客船による外国人観光客の出入国を再開した。同政府は2020年2月以降、旅行目的のクルーズ客船の入港を禁止していた。クルーズ客船の乗員、乗客は韓国の検疫情報事前入力システム「Qコード」で健康状態を報告する必要があるが、入国時に新型コロナウイルスの検査をする必要はない。