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世界6カ国の旅行者に聞いた2022冬の旅行動向調査、世界では避寒地が、訪日客には温泉が人気

2022.11.24

2022年になって海外旅行の回復がめざましい。北半球はまもなく冬のホリデーシーズンを迎えるが、この冬の旅行動向を探るべく、トリップアドバイザーが世界6カ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、日本、シンガポール)の旅行者への意識調査を行い、サイトの利用状況データをもとに分析した結果を発表した。2022年冬の旅行状況トレンドはどうなっているのだろうか。

 

日本を含め国内旅行が主流も、海外旅行も増加傾向

世界的に見ても旅行意欲は衰える気配はなく、回答者の3分の2以上(67%)がこの冬のシーズン(12/1~2/28)に旅行を計画している。国別ではシンガポール(84%)が最も多く、日本は6カ国のなかでは最も少ないが半数を越えており(53%)、昨年同期の調査の28%と比べると大幅に上昇した。

回答者のほぼ半数(45%)が昨年以上の旅行を予定しており、特にシンガポール(62%)で最も高く、日本(33%)で最も低くなっている。

全世界の旅行者の過半数(57%)は、今シーズンは国内旅行を計画しているが、海外旅行に出かける傾向は前回調査の40%から3ポイント高まった。国内旅行が圧倒的多数なのが日本(93%)で、逆にシンガポールは9割近くが海外旅行に出かけると回答しているが、これは国土が狭いため国内旅行では行き先が限られてしまうからだろう。

次に旅行費用について尋ねたところ、世界の旅行者の過半数(52%)は昨年よりも多く使うと答えている。ただし、世界的なインフレは旅行者の消費行動にも影響を与えている。回答者の約3分の2(62%)が生活費の上昇により旅行形態を変更しており、そのうち32%は以前の予定よりも旅行回数や期間を減らす可能性が高く、30%は以前の予定よりも近場で休暇をとる予定としている。たとえば、アメリカでは影響すると回答した61%のうち、前者は39%、後者は22%だった。逆に日本は42%のうち、近場にすると答えた人が26%あり、旅行回数や期間を減らすより人(16%)より割合が多かった。燃料費の上昇も旅行行動に影響を与えるが、生活費の上昇ほどではないことがわかる。

また、旅行を計画する際に、手頃な価格であることを他の要因の約2倍重要視している。たとえば、アメリカでは手頃な価格(62%)が旅行期間(41%)、旅行タイプ(35%)よりも重要視され、日本では特に手頃な価格(73%)が旅行期間(26%)、旅行タイプ(37%)よりもさらに重要と考えられていることがわかった。

なお、この冬の旅行期間としては最も人気があったのは、アメリカ(12/22-28)、イギリス(12/1-7)、オーストラリア(12/22-28)、日本(12/29-1/4)、シンガポール(12/1-7)だった。

 

人気の旅行先は世界の主要都市や避寒地、訪日客には温泉が人気か

それでは次に、この冬、旅行者に人気の観光地を見ていこう。下の表の左側が世界で最も検索された観光地だ。ロンドン、パリ、ニューヨークといった世界の主要都市や、カンクン、ドバイ、プンタカナといった冬の太陽が似合う都市が人気の渡航先として挙げられている。

続いて上の右の表は、海外の旅行者が検索した日本の観光地トップ10になる。ここでは東京都が多いものの、前年比で回復傾向が強い国内の観光地としては、神戸市北区(兵庫県)、由布市(大分県)、草津町(群馬県)、湯沢町(新潟県)などが挙がり、自然散策、 温泉が楽しめる観光地への関心が高まっている傾向が伺える。

国別に見ると、オーストラリアの旅行者による回復傾向が強い観光地では中央区(大阪府)が1位。 また、 シンガポールからの旅行者による回復傾向が強い観光地には大阪市(大阪府)のほか新宿区(東京都)などがランクイン、 アメリカからの旅行者による回復傾向が強い観光地では箱根町(神奈川県)、中央区(東京都)、新宿区(東京都)、千代田区(東京都)、渋谷区(東京都)、港区(東京都)、下京区(京都府)がランクインした。

海外の旅行者による訪日旅行に関する検索ボリュームを2019年と比べると64%減で、コロナ前の水準にははるかに届かないものの、 2021年と比べると1230%増と著しく上昇しており、訪日意欲が高まっているのがわかった。