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2022年定時運航ランキング 空港部門は羽田が首位、航空会社部門 上位に日系エアライン

2023.01.23

2022年、世界中の航空会社が運航した旅客定期便は、2021年から26%増の3100万便以上となった。1回の出発あたりの平均座席数が増加しているため、定期便の座席数の伸びはさらに大きく、32%増になっている。ただし、2019年の水準から見るとまだ8割程度の回復にとどまった。

さて、そんななか、航空業界のデータ分析を提供するCirium(シリウム)は、世界の航空会社と空港を対象とした定時運航ランキング2022年を発表した。航空会社の定時到着率では、グローバル部門でANAが2位、JALが3位にランクイン。空港の定時出発率では、発着規模が最も大きいグローバル部門で羽田空港が首位を獲得したほか、大規模空港、中規模空港、小規模空港の分類別ではいずれも、日本の地方空港がトップ3を独占した。

 

航空会社の定時到着率でANAは2位、JALは3位

航空会社の定時運航とは、各フライトが到着予定時刻から15分以内に到着したかどうかを示す「定時到着率」に基づいてランク付けされる。グローバル部門のうち、航空会社単体の実績が対象となる「メインライン部門」で1位に輝いたのは、ブラジルのアズール航空。定時到着率は88.93%である。2位には到着率88.61%のANA、3位に88.00%のJALがランクした。

グループ会社の運航便の実績も評価の対象とする「ネットワーク部門」では、ANAが定時到着率89.79%で第1位。JALが2位、アズール航空が3位となった。

メインライン部門で第5位のデルタ航空は、2年連続で「シリウム・プラチナ賞(最優秀運航実績賞)」を獲得。これは、定時運航の実績のほか、運航面の複雑性やフライトの遅延や欠航といった乗客への影響をいかに最小限に抑えられたかといった要因が総合的に評価される。

 

空港ランキングでは全カテゴリーで日本が首位

空港を対象としたランキングでは、航空機が出発予定時刻から15分以内に出発したかどうかを示す「定時出発率」をもとに順位付けが発表される。空港の規模別に、「グローバル空港」「大規模空港」「中規模空港」「小規模空港」に分かれるが、2021年に引き続き、すべてのカテゴリーで日本の空港が1位に輝いた。

「グローバル空港」は、運航された月間フライト総数で上位10%に入り、自国を含めて、アジア太平洋、ヨーロッパ、北米など3エリア以上に運航している空港が対象となる。1位に輝いたのは2年連続で羽田空港で、定時出発率は90.33%。軒並み80%台を示す2位以下を大きくリードしている。

大規模空港の首位は大阪国際空港(伊丹空港)で、定時出発率は94.06%。中規模空港トップは、中部国際空港(94.21%)。小規模空港では、宮崎空港(93.29%)が1位という結果だった。大規模、中規模、小規模のいずれも3位までを日本の空港が占めた。

2022年は、北米やヨーロッパでは遅延、混乱、人手不足といった課題に直面し、また、アジア太平洋地域では渡航制限がようやく解除となり、回復へと歩み出した年だった。「そうした厳しい状況下にあって、上位にランクした航空会社と空港の健闘ぶりは評価に値する」とCiriumのCEO、ジェレミー・ボーウェンは述べている。