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韓国の旧正月で国民の半分が国内移動、MZ世代にリベンジ海外旅行熱。東南アジアが一番人気

2023.02.02

韓国では1月30日、屋内でのマスクの着用義務が2年3カ月ぶりに解除された。すでに屋外での着用義務は2022年5月2日に、集会やスポーツ観戦のマスク着用義務は同9月26日に解除されていた。新型コロナウイルスの感染状況が改善し、日常を取り戻す動きが進む中、「リベンジ」旅行熱も高まりを見せている。今回は現在の韓国の旅行市場や訪日の動向などについて紹介する。

 

旧正月「ソルラル」、人口の半分以上が国内を移動

韓国では1月21日に旧正月「ソルラル」を迎え、4日間の旧正月連休があった。新型コロナウイルス関連の行動規制が全面解除されて以来、初めての旧正月となったため、今年は大勢の人が帰省や旅行目的で移動した。

韓国の国土交通部が25日に発表したデータによると、連休前日の20日から24日までの期間に前年同期比7.4%増となる2787万人が移動し、1日平均では同28.9%増となる557万人が移動した。約5000万人の人口を持つ韓国で、半数以上の人が国内を移動したことがわかった。また、高速道路を利用した車は1日平均で同20.5%増の505万台となり、高速道路の休憩施設の売上も1日平均で同70.2%増となる77億ウォン(約8億円)を記録した。

また、韓国最大の空の玄関口である仁川国際空港では、20日から24日までの期間に32万8610人が出国し、前年同期比で約15倍、コロナ禍前の2019年同期比で66%の水準まで回復したという。同期間の空港利用者は63万人を超えた。

 

旧正月連休中は海外旅行の需要が急増、東南アジア一番人気

旧正月連休中には、特にコロナ禍で我慢を強いられてきた人々による「リベンジ」海外旅行の需要が急増した。韓国の大手旅行会社ハナツアーは、今年の旧正月連休期間の旅行商品の予約が前年同期比で7015%増加したと発表した。コロナ禍前の2020年同期比では52%の水準まで回復している。地域別では東南アジアが54%、日本が30%、ヨーロッパが7%の順に多かった。

「ハンギョレ」紙によると、韓国の旅行会社インターパークでは、今年の旧正月連休期間の国際線航空券の前売り率が、前年同期比で3135%増加した。路線別の前売り率は日本(49%)が最も多く、次いで東南アジア(37%)が多かった。パッケージ海外旅行商品の予約も前年同期比で3187%増加し、最も人気が高かったパッケージ観光地はベトナムのダナンだった。旅行予約プラットフォームのKLOOKでも、日本と東南アジアへの旅行商品の予約件数が全体の78%を占めた。ソーシャルコマースTMONの航空券前売りデータでは、大阪、福岡、東京が上位を独占した。

 

韓国の旅行市場、20~30代のMZ世代が台頭

韓国の旅行市場では、20~30代のMZ世代の割合が増えているという。ハナツアーが年齢層別に2022年の海外旅行予約について分析した結果によると、20~30代の予約が30%を占め、コロナ禍前の2019年(16.3%)と比較すると、若年層の予約割合が大幅に上昇した。同社は「リベンジ旅行心理が大きく作用した」と分析している。

20~30代が選んだ海外旅行先は、ベトナム、タイ、フィリピンなどの東南アジアが37.4%で最も多かった。次いでグアム、サイパン中心の南太平洋が23.2%を占め、海外旅行の再開時期が遅れた日本は18.2%、欧州は12.7%だった。

 

日本の国境再開後、訪日韓国人が急増。2022年の訪日客数は国・地域別で韓国がトップに

日本が昨年10月に海外からの個人旅行の受け入れを解禁し、韓国からのビザなし入国を再開して以来、訪日韓国人客は急増している。JNTOの発表によると、2022年の年間訪日客数は383万1900人で、そのうち韓国からの訪日客数は101万2700人で最多だった。日本が入国規制を緩和した2022年10月は12万2959人で、その後11月には31万5400人、12月には45万6100人もの韓国人が訪日している。

これに伴い、韓国と日本を結ぶ航空路線の便数も急回復している。韓国と成田空港を結ぶ航空便数は、国境再開前の2022年9月は週約50便だったが、国境再開後の11月には週約150便に増加した。2022年12月25日~2023年1月7日の年末年始期間の発着回数(704回)は、コロナ禍前の2019年(750回)の9割超まで戻っている。