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2023年1-3月期インバウンド消費額1兆146億円、コロナ前の9割近くまで回復

2023.04.27

観光庁はこのほど、訪日外国人消費動向調査の2023年第1四半期の全国調査結果(1次速報)を発表した。

それによると、2023年1〜3月期の訪日外国人旅行消費額は2019年同期比11.9%減の、1兆146億円となった。2022年10月の個人インバウンド旅行の解禁を受け、同年第4四半期は5949億円でコロナ前の5割近くまで回復していたが、今期は2019年同期の水準の9割近くまで戻ったことになる。

なお、今期は全国調査(9空港)のみ実施され、地域調査・クルーズ調査については引き続き中止だった。
 (図版出典:観光庁【訪日外国人消費動向調査】)

 


国・地域別消費額は訪日客数最多の韓国がトップ

国籍・地域別に訪日外国人の旅行消費額をみると、2022年第4四半期と同様、訪日客数の最も多かった韓国が1999億円(構成比19.7%)とトップだった。2位以降は台湾が1535億円(15.1%)、中国1069億円(10.5%)、香港1054億円(10.4%)、米国998億円(9.8%)、タイ489億円(4.8%)の順となった。

また、2019年同期比では、シンガポールが69.3%増、アメリカが62.7%増、韓国が30.3%増など軒並み二桁の増加率である中、中国が74.8%減、ロシアが54.6%減だった。3月の時点で未だ2019年の9割減となっている中国から訪日客数が徐々にでも戻ってくれば、総額が2019年の水準を上回るのもそう遠くはないだろう。

また、費目別に訪日外国人旅行消費額の構成比をみると、宿泊費が3458億円(構成比34.1%)と最も多く、買物代 2417億円(23.8%)、飲食費2321億円(22.9%)と続く。2019年同期と比べると、宿泊費の構成比が増加し、買い物代が大幅に減少したことがわかる。

 

1人当たりの旅行支出は21万1957円、宿泊費は7万円

訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出は21万1957円で、2019年同期比43.8%増となった。最も多いのは中国の74万6591円(2019年同期比241.9%増)だった。

また、一般客1人当たり旅行支出(全目的)を費目別にみると、宿泊費が7万2236円と最も高く、次いで買物代 (5万496円)、飲食費(4万8483円)の順で高かった。入国日と出国日から算出した平均泊数は13.9泊だった。旅行支出の最も多い中国は75.8泊となっているため、観光客というよりも、長期滞在する人によって1人当たりの消費額も押し上げられているものとみられる。


一方、観光・レジャー目的で日本を訪れた外国人の1人当たり旅行支出の推計は、18万5616円 (2019年同期比28.3%増)だった。 費目別では、宿泊費が6万3852円と最も高く、次いで買物代(4万6763円)、飲食費(4万3359円)で、平均泊数は6.6泊だった。

なお、国籍・地域別の結果については、従来に比べて入国者数が少ないため十分な回答数が確保できない等の理由から、標準誤差率の大きい国籍・地域もある。 また、「訪日外国人」には、観光・レジャー目的に加えビジネス目的や親族・知人訪問目的などで日本を訪れた外国人が含まれることにも留意したい。

 

1人1泊当たり平均は1万5302円

今回は参考として、消費額トップ5の1人1泊当たりの費目別旅行支出も発表されている。全目的では、平均が1万5302円で、宿泊費が3分の1の5215円。国籍・地域別では香港(3万207円)と台湾(2万5369円)が平均を大きく上回った。

観光・レジャー目的のみでは、平均が2万8291円で、宿泊費が9732円。国籍・地域別では中国(4万2541円)と香港(3万6743円)が平均を大きく上回った。