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2023年の旅行・観光業界、CO2排出量減。持続可能な業界への成長を報告 ―世界旅行ツーリズム協議会

2024.10.15

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、2023年の旅行・観光業界のCO2排出量が、世界全体の排出量の6.7%で、2019年にピークとなった排出量7.8%より減少したことを報告した。この調査は同協議会がサウジアラビア観光省と提携して実施したもので、10月8日から10日にかけてオーストラリアのパースで開催された「WTTC第24回世界サミット」にて結果が発表された。

同調査報告書によると、旅行・観光業界は、世界経済への貢献度が環境負荷度を上回る成長を見せている。2023年の旅行・観光業の世界GDPへの貢献度は、コロナ水準に近づき、9.9兆ドルに達した。2019年のピーク時よりわずか4.4%の減少に留まる一方、温室効果ガス排出量は12%減少。GDP単位あたりの排出量(GHG強度)も8.4%減少しており、より持続可能な業界へと成長していることがわかる。

WTTC社長兼CEOのジュリア・シンプソン氏は「旅行・観光業界は、経済を成長させながら、地球環境への負担を減らすという、2つの目標を同時に達成しつつある。しかし、まだ満足できるレベルではなく、パリ協定の目標達成に貢献するためには、さらなる努力が必要だ」と述べた。

なお、2023年の化石燃料エネルギー源(石油、石炭、天然ガス)への依存度は、2019年の90%から88.2%に低下。低炭素エネルギー源(原子力と再生可能エネルギー)の割合は、2019年の5.1%から2023年には5.9%に増加した。WTTCは、再生可能エネルギーの利用増加と化石燃料への依存度の削減について、今後もより断固たる行動が必要であると指摘。各国政府は旅行・観光部門の税収をインフラの脱炭素化、再生可能エネルギーの拡大、グリーン化に向けた企業の支援に投資すべきだと主張した。