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~人民日報海外版から~

【人民日報】第52回:ゴーストタウン化していた地方都市に中国人が新たな活気注入

2017.06.25

今回のコラムは、在住華人について。地域の活性化につながった埼玉県川口市の事例を紹介する。

 

近年、埼玉県川口市の西川口駅周辺のムードが一変し、中華料理店が人知れず増え、日に日に人気を増し、地元の人が続々とやって来ておいしい中華料理を堪能するという光景が見られるようになった。取り締まりで廃業した違法風俗店の跡地が中華料理のレストラン街となったのだ。

日本で2007年に新「風俗営業法」が施行され、西川口駅周辺の違法風俗店が次々に廃業し、ここを訪れる人も激減した。そして、付近には大量の空き物件ができ、もともとにぎやかだったこの街のネオンは消え、ゴーストタウンと化した。

川口市の市民約60万人のうち、1万7391人が中国人。大量の空き物件を見た中国人は居ても立っても居られず、店を開き、起業の道を歩み始めた。現在、西川口駅から徒歩5分ほどの圏内だけで、中華料理店20数店がひしめき合っている。山東料理、四川料理など、中国でも定番の料理のほか、新疆維吾爾(ウイグル)自治区の羊肉の串焼きの店などもあり、お店を訪れて料理を楽しむ人で街は賑わっている。

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中華料理店が続々と開店し、付近で飲食店を経営している日本人もその恩恵にあずかっており、「現在、西川口は中華料理店が増えたから、以前のような活気が戻った。店も繁盛するようになったし、西川口に食事に来る人も増えた」とした。川口青年会議所の理事長によると、中華料理店がここまで密集している街はおそらくあまりないという。

また、その特徴を生かして、西川口に一人でも多くの人を呼び込み、お金を落としてもらうことで経済をけん引してくれればと期待を寄せている。

西川口で中華料理店を経営している劉珍さんは、「現在、川口市に住んでいる人は、中国人でも日本人でも、『中華料理を食べるなら西川口』と言うようになった。最初から西川口を中華料理店の代名詞にしようと思っていたわけではないが、そうなったのは私たちの努力の結果。飲食店を経営しているのは、単にお金を稼ぎたいからではなく、日本人に本当の中華料理を好きになってもらいたいから」と話した。

西川口で寿司屋を経営している藤本さんは、「ここの区域の日本人も中国人の努力に感謝すべき。中国人がたくさんあった空き店舗を借りて奮闘してくれたおかげで、この辺はすぐに活気を取り戻した。日本人も中国人の経営方法からたくさん学び、精進してこそ、地元の繁栄を一層促進できる」と話した。