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世界的な不確実性続くも、APAC旅行者の82%が1年以内に旅行予定、「現地体験・食」を重視

2026.09.15

オンライン旅行予約サイトBooking.comは、旅行がもたらす幸福感や、旅行の意思決定に影響する要因を分析した「Travel Happiness Index」を発表した。

調査では、世界的な不確実性が続くなかでも、アジア太平洋(APAC)の旅行意欲は底堅く、現地体験や食を重視する傾向が明らかになった。また、安全面への懸念があるなかでも、多くの旅行者が中止ではなく計画変更を選ぶなど、柔軟に旅行を続ける姿勢もみられた。

調査は2026年5月、APAC10カ国・地域(オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム)の21歳以上の旅行者1万136人を対象にオンラインで実施した。

 

APAC旅行者の98%が旅行にポジティブ、82%が今後1年以内に旅行予定

APACでは旅行が心身の充足につながるとの意識が強く、不確実な環境下でも旅行意欲は維持されている。旅行にポジティブな感情を抱く人は98%に達し、84%が「旅行は精神的・感情的なリセットに役立つ」と回答。82%が今後12カ月以内に旅行を計画している。

旅行は出発前から幸福感に影響しており、86%が「旅行を楽しみにすることで気分が高まる」と回答した。旅行計画そのものを「楽しい」とした人も60%で、計画時には「旅行先を調べる」(42%)、「アクティビティや体験を探す」(33%)、「宿泊施設を予約する」(32%)などに楽しさを感じている。

国・地域別では、旅行にポジティブな感情を抱く割合が99〜100%に達したのは、タイ、インド、中国、ベトナム、シンガポールだった。

一方、旅行中に「疲れや消耗」を感じる人は29%、「せっかくの旅行を最大限楽しみたいというプレッシャーを感じる」との回答は20%、「先行きが見通せないことへの不安」は19%だった。ネガティブな感情を抱く割合は韓国79%、インド71%、日本64%と高かった。

▶︎旅行に対する感情、APAC国・地域別の傾向
※上部(旅行にポジティブな感情を抱く割合が高い国・地域):左からタイ、インド、中国、ベトナム、シンガポール
下部(旅行にネガティブな感情を抱く割合が高い国・地域):左から韓国
、インド、日本

旅行に対する感情、国・地域別の傾向

 

旅行の幸福感は「自然」「人とのつながり」「食」、73%が現地体験を重視

旅行で最も幸福を感じる場面では、豪華さや予定を詰め込んだ旅よりも、シンプルで意味のある体験が重視されている。

具体的には「自然の景観を楽しむ」が35%で最も高く、「一緒に旅行する人と充実した時間を過ごし、つながりを深める」が28%、「おいしい食事や飲み物を楽しむ」が26%だった。また、59%が家族との旅行を最も楽しめる旅行として挙げている。

なかでも「食」は日本市場で存在感が大きい。特別な食・飲料体験が旅行の喜びにつながる割合は日本が41%と、韓国32%、ベトナム28%、タイ27%、シンガポール25%を上回った。

今後の旅行で幸福感を高めるために取り入れたいこととしては、73%が「現地の食やレストラン、ユニークな体験」、67%が「お得な価格を基準に旅行日や目的地を選ぶ」、62%が「休息やリフレッシュのために滞在日数を延ばす」と回答した。

訪日旅行の受け入れ側にとっても、地域の食や自然、人との交流など、その土地ならではの要素を旅行体験としてどう届けるかが重要になりそうだ。

こうした「価格」と「現地ならではの体験」を重視する傾向は、宿泊施設選びにも表れている。過去12カ月間に、APAC旅行者の12%がバケーションレンタルやアパートメント、ブティックタイプなど、従来型ホテル以外の宿泊施設を以前より選ぶようになった。その利用者の35%がホテルよりコストパフォーマンスが高いと感じ、29%がより本物の現地体験につながったと回答している。

 

APAC旅行者の90%が中止より「計画変更」、不確実性にも柔軟に対応

旅行の幸福感を左右する要素として、安全・安心も欠かせない。異常気象や治安などへの懸念があるなかでも、旅行者の多くは旅行を諦めず、計画を柔軟に変更する傾向にある。主な懸念事項は「異常気象・環境リスク」35%、「健康リスク・衛生基準」と「旅行先の犯罪」がそれぞれ34%だった。

旅行計画に支障が生じた場合、90%は中止せず計画を変更すると回答。具体的には、27%が「似た体験や雰囲気を持つ別の目的地を探す」、18%が「旅行を延期する」、17%が「時期や期間を変更する」としている。旅行者が不安を感じた際にも選択肢に残るためには、安全情報や変更条件などを分かりやすく伝えることが重要になりそうだ。

一方、日本は慎重な姿勢が目立つ。旅行計画に支障が生じた際、26%が「完全に中止する」と回答し、調査対象で最も高かった。対照的にタイでは3%にとどまる。また、新しい・なじみのない旅行先を訪れることへの自信が以前より低下した人も57%に上り、ニュージーランドの49%、韓国の43%を上回った。

 

予約時は「価格の透明性」重視が86%、信頼性・評判も84%

安心・信頼を重視する姿勢は、旅行の予約段階にも表れている。APAC旅行者の88%が、信頼できるプラットフォームを通じて予約することで安心感が高まると回答した。

デジタル旅行プラットフォームを選ぶ際に重視する要素では、「追加手数料のない、分かりやすい料金表示」が86%で最も高く、「予約プラットフォームの信頼性・評判」が84%、「予約手続きの速さ・分かりやすさ」が83%と続いた。旅行計画のデジタル化が進むなか、利便性だけでなく、価格の透明性や信頼性が旅行者の安心感を左右する重要な要素となっている。

 

【編集部コメント】

旅行意欲は底堅く、問われる「地域ならでは」の体験

今回の調査から見えるのは、不確実性が続いても旅行を諦めず、旅先では地域ならではの体験を求めるAPAC旅行者の姿だ。82%が今後1年以内の旅行を予定し、73%が現地の食やレストラン、ユニークな体験を取り入れたいと回答している。一方、旅行計画に支障が生じれば、目的地や時期を変更するなど柔軟に対応する人も多い。

訪日旅行の受け入れ側には、食や自然、人との交流など、地域の日常にある魅力を「ここで体験する理由」として磨くことに加え、料金や安全面などの情報を分かりやすく伝え、安心して選べる環境を整えることも求められそうだ。
(出典:Booking.com, Travel Happiness Index)

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