世界の入国規制状況は? 1/3時点で規制なし119カ国・地域。中国からの渡航者への規制強化する国増加
2023.01.05
UNWTO(国連世界観光機関)とIATA(国際航空運送協会)が共同で開発したデスティネーション・トラッカーでは毎週、入国規制を撤廃した国の数を発表している。
最新(1月3日現在)のデータでは、まったくの規制なしで入国できるのは119カ国・地域となった。前回11月28日の時点では116カ国・地域だったので、5週間で3カ国・地域の増加は少ないと思われるかもしれないが、新規に規制を撤廃した国が8つあるものの、規制を再導入した国も5つあった。
新規規制撤廃の8カ国・地域の内訳は以下の通り
北中南米 1: ドミニカ共和国 アフリカ 中東 アジア太平洋
入国規制を再導入した5カ国・地域の内訳は以下の通り
欧州 3: イタリア、サンマリノ、スペイン 北中南米 アジア太平洋
実は2022年の最終週、12月27日の時点では122の国と地域が規制を撤廃していた。11月28日からの4週間で6カ国・地域が増加したことになる。ところが、新年が明けると規制撤廃した国と地域は119に減っていた。そのほどんとが中国人の入国者に対しての規制を強化したもので、上記5カ国のうち、エクアドルを除いた4カ国が、中国からの入国者に対し陰性証明の提示を義務付けるなどの措置をとった。この統計発表以降もオーストラリア、フランス、英国が規制強化を発表しており、今後EU諸国にも拡大する可能性が大きい。規制撤廃する国や地域が順調に増えてきたが、ここにきて後退を余儀なくされそうだ。
1月3日時点の世界の規制レベルは、まったく規制なしが54%で11月28日から2ポイントアップ、なんらかの規制ありが44%、厳格な規制は0.45%となった。地域別では、欧州が最も規制撤廃が進んでおり、規制なしは81%。次いで緩和が進んでいるのが北中南米と中東で規制なしが6割前後。アフリカとアジア太平洋は徐々にだが、規制緩和が進んでおり、なんらかの規制ありが4~5ポイント程度減少している。
【入国規制なしの119カ国・地域一覧 1月3日時点】
欧州 44 :アルバニア、アンドラ、アルメニア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ジョージア、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、カザフスタン、キルギス、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、モナコ、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、モルドバ、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、ウズベキスタン
北中南米 30 :アングィラ、アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、バハマ、バルバドス、ベリーズ、バミューダ諸島、ボネール島、英領ヴァージン諸島、ケイマン諸島、コスタリカ、キュラソー島、ドミニカ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、フランス領ギアナ、グレナダ、グアドループ、グアテマラ、ガイアナ、ジャマイカ、メキシコ、モントセラト、パナマ、パラグアイ、ペルー、セントクリストファー・ネービス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、トリニダード・トバゴ、アメリカ領ヴァージン諸島
中東 9 :バーレーン、エジプト、イラク、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦、イェメン
アジア太平洋 17:アフガニスタン、アメリカ領サモア、オーストラリア、ブータン、カンボジア、クック諸島、ラオス、フランス領ポリネシア、マレーシア、ニュー・カレドニア、ニュージーランド、パプアニューギニア、サモア、スリランカ、タイ、バヌアツ、ベトナム
アフリカ 19:アルジェリア、ベナン、ボツワナ、カーボ・ベルデ、コンゴ、エリトリア、エスワティニ、エチオピア、ガボン、ガンビア、レソト、マダガスカル、ナミビア、レユニオン、ルワンダ、セネガル、ソマリア、スーダン、チュニジア