インバウンドコラム
アメリカの大手旅行雑誌「Travel+Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」が、年明けに、『1年前に予約すべき15の旅』という記事を掲載しました。
いつになったら旅行ができるようになるのか、誰にも分からない状況下で、1年後の旅行の予約を勧める記事を興味津々読みました。「1年後にくらいには、本格的に旅ができるのではないか」と想定して、予約してしまおうと言う、年の初めにふさわしい、大胆な前向きさが好きです。
15の目的地にアジアから選ばれたのは、「韓国」と「北海道」です。その紹介のされ方が、特徴的でしたので、ご紹介します。
Netflixの影響大、レシピコレクターにおススメの「韓国」
韓国は、レシピ・コレクターにお勧めの旅先として紹介されています。「韓国の首都ソウルはカフェやKフードで有名ですが、韓国料理はプルコギやビビンバ、インスタ映えする料理だけではありません」と始まります。アメリカで韓国がこのようなイメージで捉えられていることを興味深く読みました。それは、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『Chef’s Table(シェフのテーブル)』の影響が少なからずあるようです。同番組で有名になった尼僧でありシェフでもあるJeong Kwan(チョン・クァン)が、瞑想的なアプローチで韓国料理に取り組んでいる白羊寺(全羅南道にあり、ソウルからは高速列車で1時間20分ほど)は、滞在することができ、世界中から美食家が訪れているようです。
レシピの食材、文化、歴史を紹介する旅や僧侶と食事をし、屋台で買い物をし、キムチを作る旅などを旅行会社が提供していることも書かれています。ソウルで数日あれば、Yim Jung-sik(イム・ジョンシク)や、Mingoo Kang(ミングー・カン)など、国際的に高い評価を得ているミシュラン・シェフの料理を味わうことができるとされています。
雪質は文句なし、天候を気にせず予約できる「北海道」
日本からは北海道が、新オープンとオープン予定の高級リゾート情報と共に、スキーの目的地として、登場しています。記事によると、2020年にアジアで最も注目された新オープンホテル『パークハイアット ニセコHANAZONO』は、北海道で唯一のミシュラン3つ星シェフによるレストランを含む11のダイニングに、天然温泉を備えた、ゲレンデ直通のスキーリゾートです。『山翠ニセコ』は、2020年のオープン予定が2022年に延期されましたが、いままでの、カサラ・ニセコビレッジ・タウンハウス.や、Airbnbに代わる、フルサービスのホテルという選択肢ができたことになります。
更に2023年にはアマンが、藻岩山の斜面にスキーリゾートとスパという形式で、日本で4番目の施設をオープンする予定だとか。11月から4月にかけて、北海道の雪質はほぼ保証されているので、天候に恵まれるかどうかを心配して、直前まで予約をためらう必要はないでしょうと締めくくられています。
未知の目的地「韓国」は、10年前の日本のイメージのよう
まず、「韓国」で提案された、欧米からの食の旅は、場所を日本に置き換えてもこのまま成立しそうで、手強いライバルとしての韓国を意識しました。一方、まだ、読者が実際に旅したことがない、未知の目的地として、ミステリアスな雰囲気が強調された提案だとも言え、10年前の日本のようでもあります。それに対して、日本の北海道は、既に「日本」ではなく「北海道」と地域が限定されていることからもわかるように、旅好きの読者にとって日本がお馴染みの旅先であり、リピーターも多い事を念頭に、具体的な提案がされています。
米で大注目の「韓国」と「日本」セットで楽しめる提案を
2021年はNetflixで配信された、韓国のサバイバルドラマ『イカゲーム』が、全世界で大ヒットし、Netflixで最も視聴されているシリーズとして94カ国でランキング1位になりました。また、昨年、アメリカで最も売れたデジタル音源チャートの1位は、韓国の男性ヒップホップグループBTS のヒット曲だった「Butter」だったそうです。日本がこの10年、欧米から旅の目的地として認知されてきたように、今後、韓国も確実に人気を伸ばしていくでしょう。近さを活かし、日本と韓国とを一緒に楽しんでもらえるような、提案をしていきたいものです。
最後に、記事によると、「航空券を予約する」や「予約の確認」ボタンをクリックすると、幸せホルモンと呼ばれるドーパミンが急増し、旅行を計画することは、旅行そのものと同じくらい幸福感を得られるという研究結果があるそうですので、1年後の旅行を計画してみてはいかがでしょうか。
<アジア以外の「1年前に予約するべき15の都市」>
ユタ(アメリカ)
ロッキーマウンテニア鉄道が今年、新しいガラスドーム型の列車の運行を開始します。
ウルグアイ
漁村から活気あふれる高級リゾートに生まれ変わったホセイグナシオは、パンデミックのおかげで、まだあまり有名になっていないとか。
シベリア(ロシア)
伝統的なスキーリゾートではないが、自然のままの斜面を滑るオフピステなどの選択肢が豊富で、スリルを求める人や上級スキーヤーにはたまらないようです。
バンクーバー島(カナダ)
クワクワクワク族、ヌウ・チャ・ヌルス族、コースト・サリッシュ族の土地だったバンクーバー島で先住民の文化と向き合ってみては。
コスタリカ(中央アメリカ)
地球上で最も生物多様性に富み、環境に優しい場所のひとつ。
ハワイ(アメリカ)
ハワイは特にLGBT+に優しく、2013年から同性婚が合法化されています。
ヨルダン(中東)
ペトラ遺跡は2007年に新世界七不思議のひとつに選ばれています。
南極大陸
オーバーツーリズムとのバランスは難しいものの、かつて裕福な探検家や資力ある科学者だけが到達できた、荒涼と印象的な風が、年々一般に開放されつつあります。
ラダック(ヒマラヤ)
ヒマラヤでのトレッキングには、物流面、経済面、体力面で様々な困難が伴いますので、十分な事前予約をすることで、この一生に一度の体験から得られるものが大きく違ってきます。
ルワンダ(アフリカ)
ルワンダは、エコツーリズムという言葉が主流になるずっと以前から、森林再生や自然保護、観光客数の制限によって、環境とその中の野生生物を守ってきた国です。
モスクワ(ロシア)
モンゴル縦貫鉄道では、ロシアと中国を結ぶ6泊の壮大な旅が、わずか555ポンドで可能になります。
ノーザンテリトリー(オーストラリア)
ティウィ諸島は「微笑みの島」として知られ、ティウィの人は言語と習慣を守り続けています。島へのアクセスは限られているため、オペレーターを通して日帰り旅行を予約するのがおすすめ。
ラスベガス(アメリカ)
ラスベガスには、華やかさ、バカバカしさ、輝き、全てが揃っています。
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