インバウンドコラム
その昔、私は日系航空会社のCAで、主に国際線に乗務していました。
その当時「今まで行った国で、どこが一番よかった?」という質問をよく受けました。
「もしも世界中の国々を訪れたなら、一体どこを一番だと思うんだろう」。イギリスのオンライン旅行会社Holidaygems.co.ukが、この素朴な疑問に答えを出そうとしました。
◆旅のプロ、トラベル・ブロガー33人が選ぶ「ベスト・カントリー」は…「日本」
米Yahoo!と豪セブン・ネットワークが運営するポータルサイト「Yahoo7」によると、Holidaygems.co.ukは、33人のトラベル・インフルエンサーたちに、インタビュー形式で、どこの国が一番よかったかを答えてもらいました。
この33人は合計で2,800回以上も旅しており、訪れた国の数を総合すると1,208カ国にのぼります。世界中の国々を6回ずつ訪れた以上の数です。
その猛者たちが世界中の国々の中から「ベスト・カントリー」に選んだのは、なんと日本でした。
彼らのほとんどが口にしたのは「日本の独特の文化と自然の美しさは、行ってみる価値がある」ということです。
ビデオブログ「A Brit and a Broad」が人気のMaccaは、「イギリスとは異なった文化の国が好き。日本ほど違いを感じる国はない」とコメントし、「The Travel Bunny」を書くSuzanneは、「日本が好きなのは、文化的に地球上のどことも似ていないこと」と同意しています。「UntoldMorsels」のKatyは「文化と伝統的な食文化と美しい風景に魅了される」と語っています。
◆旅人は自分と異なるものを求めて旅をする
ブロガーたちのコメントから伺えるのは、日本の「独特な文化」への強い興味です。
また、この調査、2位は僅差でインド、以下キューバ、ニュージーランド、南極と続くのですが、そこからも「ヨーロッパの旅人」が何を求めて旅をするかが見て取れます。
スイス人の友人夫妻が2年前、世界一周旅行をしました。帰国後、彼らは「どこの国が一番よかったかと聞かれると難しい。どこの国もそれぞれに魅力的な部分、そうでない部分がある。ただ『今すぐにでもまた飛んで行きたい国は?』と聞かれれば間違いなく『日本』と答える」と言っていました。
日本は実際に訪れてみて、ステレオタイプとのギャップに驚き、興味が深まったそうです。
旅を仕事にしたり、世界一周旅行をしたりするような、旅行熱の高い人々は、自分と「異なるもの」「遠いもの」に強く惹きつけられます。
日本は、そんなヨーロッパの生粋の旅人たちの心を掴む要素を、ふんだんに持っています。遠くても、彼らがリピーターになってくれる可能性は十分にありそうです。
ちなみに、CA時代の私にとっての「ベスト・カントリーは?」という質問に対する回答は、日本の裏側にある「ブラジル」でした!!
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