インバウンドコラム
皆さん、9月27日が何の日かご存知でしょうか。
世界観光機関(UNWTO)が定める「世界観光の日(World Tourism Day)」です。この日に発表されたのが、米のクレジットカード会社Mastercardによる「世界渡航先ランキング」の2017年版です。世界132都市を対象に、2016年の旅行者数などをまとめたレポートで、2009年からの国際観光客数と消費額が、世界のGDPよりも早いペースで成長していることに注目し、観光は世界中で、経済の成長と発展の原動力になっているとしています。
そのレポートの中で紹介されている、「2016年世界渡航者数ランキング」は以下の通りです。
タイのバンコクが、昨年に引き続き首位をキープする結果となり、一昨年まで1位だったロンドンは2年連続で2位につけました。世界の名だたる観光都市がひしめく中、東京が9位につけているのは大健闘ではないでしょうか。
そして注目は、2017年の予想伸び率が、トップ10の中でダントツだとういう点です。来年発表される、2017年のデータが今から楽しみです。
2009年から2016年の間の成長率に注目したランキングも同時に発表され、そこで首位の座に着いたのは、24%の伸び率をみせた大阪でした。2位は中国の成都で22.7%、3位以下は、スリランカのコロンボ20.3%、アラブ首長国連邦のアブダビ18.9%、インドネシアのジャカルタ18.2%、東京17.7%と続きます。大阪は知名度も人気も実力も、ここ数年急成長を遂げています。
更に、クレジットカード会社のレポートらしく、「消費の力」として、渡航者の滞在中の支出額が多い都市のランキングも出ています。ここでトップに輝いたのはドバイです。2016年中に海外からの渡航者がドバイで使ったお金は285億ドルだというから驚きです。そして2017年にはさらに10%ほど伸びることが予想されています。ドバイの勢いはまだまだ続きそうです。
この数字を見て、驚くと同時になるほどと思いました。この夏のスイス滞在中には、過去に日本を訪れてくださったお客様にもたくさんお会いしたのですが、そのうちのあるご夫婦が、語ってくれたことを思い出したからです。お二人は、日本で約3週間の文化体験旅行を楽しんだのち、セブ島のビーチで1週間のんびりされ、ドバイ経由エミレーツ航空でスイスへ帰国されたのでした。「聞いてくれよ!ドバイの乗り継ぎで5時間程度休憩をとりシャワーを浴びた費用の方が、フィリピンで1週間過ごした費用の総額よりも高かったんだ!」と、興奮気味に話して下さいました。そして、「清潔感、商品やサービスの質、全てにおいて、コストパフォーマンスは日本が最高だった」とのお褒めの言葉も続けていただきました。
データから、過去や未来に思いを馳せる「世界観光の日」でした。
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