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インバウンド客に人気の龍角散、中国OTC医薬品メーカーとパートナーシップ締結。グローバル事業拡大へ

2019.08.20

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微粉末生薬「龍角散」など、インバウンド客に人気ののど用商品を薬局などで販売する(株)龍角散は、中国OTC医薬品*トップメーカーである華潤三九(カジュンサンキュウ)とパートナーシップを締結することを発表した。中国の一般家庭への新たな販路を構築するほか、インターネット広告を通じた製品プロモーションなど、デジタルマーケティング戦略も強化する考えだ。

日本国内でトップシェアを誇る主力製品の「龍角散ダイレクト」や「龍角散ののどすっきり飴」は、2010年頃からのインバウンド市場開拓が実を結び、中国のネットメディアで「神薬」とされ、訪日客の間で爆発的な人気になった。日本全国のドラッグストアのインバウンド消費動向調査でも、鎮咳去たん薬「龍角散ダイレクト」(スティックピーチ、ミント)は上位ランクインの常連となっている。しかしながら、人気の一方で個人転売や模造品の登場が問題視されはじめ、正規の購入経路で正規品が入手できるよう龍角散では越境ECを2017年に開始、中国大手ECサイトの「京東(ジンドン)」では「日本ブランドカテゴリ」で売り上げトップとなっている。

中国では、黄砂や微小粒子状物質「PM2.5」など都市部で懸念される大気汚染や健康意識の高まりから、のど関連商品、中でも特に信頼性が高いとされる日本製に需要が集まっている。台湾、韓国、香港、アメリカ、タイでも微粉末生薬「龍角散」は展開され、日本国内向け出荷量を上回っている。今回の提携で、中国市場での本格的な市場展開に注力し、華潤三九が保持する広い薬局販売ルートを通じて、グローバル事業のさらなる拡大を目指す。

*OTC医薬品:医師の処方箋がなくても店頭で購入できる一般医薬品

(やまとごころ編集部)

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