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IATA 旅客需要の2シナリオ解説、国際線回復は2024年と予測。各政府に検疫隔離の回避を強く要望
2020.05.20
国際航空運送協会(IATA)はこのほど、新型コロナウイルスによる航空便の需要減が中期的に拡大し、うち、長距離・国際旅行が最も深刻な影響を受けることを示す新規見通しを発表した。
IATAは、今回の見通しで基本的シナリオと悲観的シナリオの2つを示している。
基本的シナリオは、今年第3四半期に通常の国内線利用が再開されるものの、国際線利用の再開には時間がかかることを想定している。今年後半から2021年にかけて大きな経済回復が見込めたとしても、2021年の世界の旅客需要は2019年と比べ24%低く、前回の2019年10月時点で示した2021年の航空旅客予測より32%低くなると予想。2019年の需要レベルを2023年まで超えることはないとしている。国際線が再開し経済が回復するにつれ、2020年の需要激減からの回復は見込めるものの、2025年までの旅客需要予測は以前のものよりも10%程度低くなるだろうとしている。
また、悲観的なシナリオは、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が要因となり、ロックダウン(都市封鎖)が第3四半期まで延長された場合を想定。経済復興と旅行制限の緩和が遅れることで、旅客需要の回復がさらに遅れることを想定している。この場合、2021年の需要は2019年より34%低く、前回の予測を41%下回るとしている。
2020年4月に実施された最新の調査によると、最初の旅行を国内旅行に制限する可能性が高いと回答した人は58%。これにより、国内線収益は、2022年までに2019年と同等レベルに回復し、国際線収益回復は2024年までかかると予測している。
さらに、IATAは、コロナ終息後の旅行制限の在り方として、到着後の検疫隔離措置を回避する案を探すよう政府に強く要望している。調査によると、旅行者の86%が旅行中に隔離されることを懸念しており、69%は14日間の隔離期間が含まれる場合、旅行を検討しないと回答している。
(やまとごころ編集部)
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