インバウンドニュース
観光従事者に学び直しの機会を提供、京都 産学連携でリカレント教育プログラムの開発と実証開始
2021.03.18
新型コロナウイルス感染症の影響で、京都市内のインバウンド観光客はほぼゼロとなった。国内観光客はGo Toトラベル効果で持ちこたえた時期があったものの、多くの観光事業者にとって苦しい経営状態が続いている。国内外を問わず、旅行を控える傾向が見られる一方で、「観光したい」「外食したい」という京都ファン層の観光への渇望は、今後、日を追って増していくことが考えられる。このニーズに応え、より良いサービスと新しい観光スタイルの提案、受け入れ体制を確立していくため、人材育成プログラムの整備が急務である。
こういった状況を受け、大和学園京都ホテル観光ブライダル専門学校では、2020年度より3カ年事業として「京都観光復活に寄与する観光人材のための産学連携リスタートプログラムの開発・実証事業」を開始している。
本プロジェクトは、観光関連産業に従事する人材のための短期間での学び直し、特に就職氷河期世代をターゲットとしたリカレント教育プログラムの開発を行う。京都府観光連盟、京都市、市内のホテル・旅館・旅行会社などと連携して行う京都発・独自の職業訓練プログラムだ。リカレント教育とは、学校教育を終えて職についたのちに、必要なタイミングで新しい知識やスキルの習得を目指し再び教育を受け、また仕事に活かしていくという制度で、北欧の国々を中心に発展している。日本では、主に離職後の再就職の為の学びが主眼となっている点が欧米と異なっているものの、近年注目集めている。
2020年度は、2021年度以降の実証実験に向けた課題を整理し、プロジェクトの認知度向上のため、京都の食関連、観光関連企業と連携した専用ウェビナーを開催した。ウェビナーでは京都観光復活に寄与する各企業の取り組みや若手経営者のアイデアについて発信した。
また、3月5日には、京都大学経営管理大学院観光経営科学コースと京都市観光協会が主催する2020年度の成果報告会において「京都観光の実務教育機関における取り組み」として、「観光再生に向けた社会人Eラーニングの開発」と題して約300人を対象に講演を行った。
次年度以降も、プログラム開発をはじめ、特に受講生募集強化の視点で、京都の様々な企業と連携し、対面セミナーやウェビナーを開催していく予定。
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