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観光再生に向け、日本観光振興協会 2022年度 国の概算要求に要望書を提出
2021.08.23
公益社団法人日本観光振興協会は7月29日に「令和4年度国の概算要求に関する要望」を観光庁へ提出した。長引くコロナ禍で危機的状況に陥っている観光産業において、回復するためには幅広い対策が必要となってくる。今回の要望書では今年3月に同協会が発出した「日本の観光再生宣言」を踏まえ、3つの柱に重点を置いた内容となっている。
1.今を乗り越えるために ~観光の灯を消さない~
2020年度に実施されたGo toトラベル事業により倒産を免れた観光事業者も存在し、需要回復の一定の効果があったとして、今後も国主導での観光需要喚起施策の実施を訴えた。また、予想以上にコロナ禍の影響が長引いていることから、長期的かつ継続的な支援が必要であるとしている。
2.観光の再生とレジリエンスを高めるために ~観光産業の生産性の向上~
コロナ禍で新しい旅行スタイルや働き方が普及しつつある状況を受け、ワーケーションやブレジャーを推進するために、企業への導入支援や個人に対する利用支援、地域の受入環境整備とともに、企業と地域間のマッチング支援を要望した。
また、長期化するコロナ禍で観光産業の生産性向上のためには、デジタル化(観光DX)の推進は必要不可欠として、デジタルマーケティングに関わる予算規模の拡大を求めた。地域の観光事業者誰もが容易に参画でき、地域の観光コンテンツを一元的に閲覧できる観光コンテンツプラットフォーム整備やDMP(Data Management Platform)を蓄積・分析することで地域のデジタルマーケティング力向上や高付加価値化につなげるための支援を訴えた。
3.地域社会の発展に貢献するために ~観光産業のプレゼンス向上~
地域の特色を生かした観光コンテンツの磨き上げのために、観光以外の産業とも連携・協力する必要性を訴え、支援強化を要望した。情報発信や観光客の受入環境整備には個々の地域DMOだけでなく、広域で行うほうが効率的であるとの観点から、広域連携DNOの安定的な財源確保についても支援を求めた。
また、観光消費による経済波及効果について国全体では把握することができるが、地域ごとのデータが不足している点を指摘。よりきめ細かな地域単位で把握できるよう、観光協会やDMOが主体となって実施できる調査研究への支援を訴えた。
最後に、観光事業者の事業継続と雇用維持のための支援強化、観光振興に資する各種交付金・補助金の強化、感染症対策や非接触型サービスの導入に対する支援なども、合わせて要望した。