先月「カジノを含む統合型リゾート施設（IR）」の誘致反対を訴えて当選した横浜市長がこのほど、正式にIRの誘致撤回を宣言した。それを受けて、公募に参加していたメルコリゾーツ＆エンターテインメントジャパン株式会社とゲンティン・シンガポール・リミテッドが、活動の中止を発表した。

アジア及びヨーロッパで統合型リゾート施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツは、中止の発表と共に、横浜IR構想をビジュアル化した動画や、活動をともにしてきた地域の事業者に向けてThank You, Yokohamaと題した動画などを公開した。

同社の構想は、最高品質のホテルやレストラン、MICE施設、劇場や美術館に野外フェスティバルゾーンを備えたカルチャーセンター、ウォーターパークなどが想定されており、横浜を世界有数の観光地に発展させ、国内外の観光客が横浜と日本のユニークな文化を体験できる施設を作ることを目的に提案されたものだったと言う。

会長兼最高経営責任者（CEO)であるローレンス・ホーは、10年以上に渡り、日本の長期的な可能性を固く信じ、日本における世界最高の統合型リゾートの開発に取り組んでいると語り、今後も日本での開発機会を模索して行くと述べた。

同じく提案が市の審査を通過していたゲンティン・シンガポールも、活動の中止を決めた。「魅力的な入札を準備し、提出し、重要な投資を提案するために、多大な時間と最善の努力を費やしてきたにもかかわらず、横浜市が横浜IR入札の中止を決定するという予期せぬ出来事に驚き、失望している。我々の提案は、横浜市とそのコミュニティに利益をもたらし、同時に横浜を世界的な観光地にするものだった」とのコメントを発表した。同社は2010年にシンガポールのセントーサ島で巨大総合リゾート施設を開発している。

誘致推進を担っていた横浜市の担当部局「IR推進室」は10月1日に廃止される。