インバウンドコラム

【人民日報】第70回 ハイテクが国慶節連休の消費体験を一新

2018.12.18

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例年の状況から考えると、国慶節(建国記念日、10月1日)連休は消費現象を観察する絶好の機会であり、経済発展の潜在力を示す重要な指標でもある。今年の連休の消費で例年と異なる点を振り返ると、消費がより増加して活発になったことのほか、ハイテクが牽引したスマート消費シーンが注目を集めた。

新しい小売、ITと連動した進化した消費

中でも阿里巴巴(アリババ)・京東・蘇寧を代表とする中国ECサイトでの消費、携程旅行網・飛猪・同程芸竜・馬蜂窩を代表とするスマート旅行、美団点評・滴滴出行を代表とするサービス消費が重要な推進力となっている。

連休になると、家を出て買い物をすることが多くの家庭にとっては欠かせないものだ。連休中は、仮想現実(VR)試着室のような、新しい小売の科学技術を備えた売り場やスマート店舗で、来店者や売り上げも激増した。

このうち天猫(T-mall)の新小売スタイルのスマート店舗は、連休に多くの顧客がやってきて、その対応を効果的に振り分け、これまでにないバージョンアップした買い物体験を消費者に提供できた。他にも、南京市の新小売スマート店舗の店員は、「VR試着室が新鮮な感じを与え、さらに販売効率を高めたので、売り上げは普段の2倍に達した」と話す。アリババの新小売技術のバックアップを受けた銀泰百貨も、連休の最初の3日間に全国の各店舗の来客数と取引額が飛躍的に増加し、増加率はどちらも30%に迫ったことがビッグデータからわかる。

飲食店も無人でスムーズに対応

レストランで事前に予約をし、並ばなくて済むという新小売生活サービスが、今年の連休の外出の質を高める「秘密兵器」にもなった。

杭州市の華星時代広場では、100年の伝統をもつ老舗レストラン五芳斎が「スマートレストラン」に変身した。従来のレストランのように並ぶ必要はなく、店員が注文を取りに来たり料理を運んだりすることもない。ここでは注文から料理がそろうまで、すべての過程が「無人化」されており、客が自分で操作するようになっている。

湖北省武漢市に住む王さんの家は、老舗・蔡林記の新小売スマートレストランから歩いて15分ほどのところにある。朝、家を出る前に携帯電話で蒸し餃子を注文し、家を出て遠くの方に蔡林記の店が見え始める頃に焼きそばを追加し、店に着いて受け取りカウンターのところに行くと、注文したものがすでにできている。蔡林記のスマートレストランは今年の国慶節に初の大型連休を迎え、売り上げは前年同期より約45%増加したという。

観光地にも新しい波が押し寄せ、売り上げ増に貢献

観光スポットもハイテクの導入で観光客によりスムースな旅行体験を提供できるようになった。行列に並ばず、数秒で顔認証を済ませ、何度でも入退場できる。アリババ傘下の旅行ブランド・飛猪は連休に先立って未来の観光スポット戦略をバージョンアップ。技術イノベーションとビッグデータによる観光スポットへのパワー注入を通じて、杭州の西渓国家湿地公園で未来の観光スポットのモデルを打ち出し、観光客に「未来の観光シーン」を体験してもらった。

統計データによると、連休の1日目と2日目に、西渓湿地の未来の観光スポットには普段の6倍の観光客が訪れ、各日とも1000人を超える観光客が「チケットレス、身分証明書不要の100%顔認証」による入場システムを体験した。また連休1〜4日目には飛猪プラットフォームでの入場券売り上げ数が同約50%増加した。飛猪は未来の観光スポット100ヶ所と連携してQRコード読み取りによる割引きサービスを打ち出し、オフラインでのコード読み取りでスムーズに入場できた観光客は同約150%増加した。

EC研究センターの曹磊センター長も、「ビッグデータ、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの技術の後押しを受けて、モバイル決済が普及し、顔認証による決済、RFIDタグ、スマートクラウド型陳列棚、拡張現実(AR)試着室・テストメイクなどが勢いよく発展している。ハイテクの融合運用が進むにつれ、消費者の消費体験が絶えずバージョンアップし最適化するとともに、店舗側の運営効率もより高まり、まさに一石二鳥だ」と話した。

▲国慶節期間中、顔認識システムで地下鉄を利用する観光客

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