インバウンドコラム
2018年6月25日、JNTOは、ラグビーワールドカップ(RWC)2019の開催地の地方自治体を対象に、観光担当者ミーティングを開催した。
JNTOでは、日本政府が掲げる目標、2020年までに訪日外国人旅行者数 4000 万人、訪日外国人旅行消費額8兆円の達成に向け、滞在期間が長く、消費単価の高い欧米豪からの旅行者の拡大と地方への誘客に向けた取り組みを強化している。
RWC2019は、特にラグビーが人気の欧米豪を含めた世界からの注目を集め、試合観戦などを通じて日本各地の魅力をPRする絶好のチャンスとなる。今回は、国内12都市の地方自治体担当者に対して、JNTOの取り組みや過去の成功事例などのノウハウを提供するとともに、各自治体連携や日本各地の海外への魅力発信の強化をすることを目的として開催した。
冒頭のJNTOラグビー・オリパラ戦略推進室の鈴木副室長の挨拶では、RWC2019が欧米豪からの観光客増の追い風になること、そのためこのチャンスを活かすことが大切であるとし、「観客や選手だけでなく、海外メディアも含む全顧客のインフルエンサー化」がRWC2019のプロモーション方針と強調した。
ラグビーワールドカップに見られる4つの特徴
続いて、RWC2019の開催都市となる地方自治体との窓口業務などを担うラグビーワールドカップ2019組織委員会 開催都市業務局長の加藤氏より、RWCならではの特徴として、1、開催が6週間と長期にわたること 2、12の開催都市、および50カ所以上のキャンプ地いずれも北海道から九州まで、全国各地に広がっていること 3、ラグビー伝統国以外でのRWC開催は日本が初めてであること 4、ラグビーファンの特徴として紳士的な人が多いことの4つを挙げた。特にラグビーでは、敵味方関係なくスタンドに座り、素晴らしいプレーがあればお互いに称えあうという他のスポーツの観戦では見られない特徴があることにも言及した。今年10月に開催される、豪代表とニュージーランド(NZ)代表の国際対抗戦「ブレディスローカップ」や、11月のリポビタンDチャレンジカップ2018で日本代表とニュージーランド(NZ)代表の試合が日本で開催されることに触れ、これを機に外国人ラグビーファンの試合の楽しみ方を知ってほしいと話した。
ラグビー観戦を目的に日本訪問を考える人の9割が訪日未経験
その後、JNTOラグビー・オリパラ戦略推進室の大庭氏が、海外ラグビーファンの動向に関する調査結果を発表。昨年から今年にかけて、英・伊・仏・豪・NZ・アイルランドのラグビーファンを対象に行った調査結果からは、伊・仏・豪・NZでは、RWC観戦を目的とした訪日について、30%が非常に興味ありと回答した。一方で、英国でRWC2019目的の訪日旅行の実行意欲を聞いたところ、わずか6%にとどまり、訪日意欲は低いことが分かった。
訪日意向を持つ人の88.8%が、日本を訪れたことがなく、RWC2019観戦目的で訪れる多くの人が、初訪日となる可能性が高いことも分かった。
また、彼らに旅行計画時期を聞いたところ、今年6月以降に計画する意向が22%、直前に計画予定も15%に上り、今後もRWC2019関連のプロモーションが訪日に影響を与える可能性が十分残っていることを強調した。
ラグビー観戦+観光での訪日客増加に向け、プロモーション対策は必須
訪日意向を持つ人の多くが、カップルや友人など「誰か」と旅行する意向を示しており、2週間以上の滞在を検討する人が半数以上を占めている。また、初訪日の人が多いことから、日本の名所や史跡訪問といった観光意欲が高い。さらに、60%以上のラグビー愛好者がフェイスブックを利用していることもふまえ、今後はVISIT JAPAN2019ウェブサイトのコンテンツ充実だけでなく、フェイスブック広告を使ってラグビーファンへウェブサイトや地方を訴求すること、またラグビー関連の大会のメディア招請や、取材で来日したメディア向けのファムトリップなどを通じ、地方自治体と共に日本の魅力を発信するなど、幅広いプロモーションを行う予定だと話した。
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