インバウンドコラム
2018年9月19日~22日、北京で2018国際冬季運動博覧会(WORLD WINTER SPORTS (BEIJING) EXPO 2018:以下WWSE)が開催された。

北京冬季オリンピック開催に向け盛り上がる中国のスノー市場
2022年の冬季オリンピックの北京開催が決まったことをきっかけに、2016年よりスタートしたWWSEは今年で3回目。今年のテーマは「The Power of Ice & Snow」で、中国国内外のスノーリゾートのほか、ゴンドラや人工降雪機、スケートリングといった施設、ウェアやボードといったスキーメーカーなど、スノーリゾートに関する事業者225団体が参加した。
中国政府は、2022年に向けて「ウィンタースポーツ大国」及び「ウィンタースポーツ人口3億人」の2つの目標を掲げているが「2017年スノー産業白書」によると、2017年の中国におけるスノーアクティビティ人口は1750万人だったが、2022年には4500万人まで拡大する見込み。今後も、民間企業や業界関係者を巻き込み、産業全体を大きく発展させていく予定。
このような状態を受けて、成長する中国スノー市場に、海外各国が熱いラブコールを寄せている。
日本からは北海道、東北など10団体が参加、JNTOも初出展
日本からは、日本政府観光局(JNTO)をはじめ、北海道、東北、長野新潟のスキー場及びJTBなど、計10団体が出展。長野県と岩手県の安比高原リゾートは2016年から出展しており、今回が3回目。なお、JNTOは今年が初出展だった。
JNTOブースでは、スタンプラリーやスキー体験コーナーを用意、また日本のお土産を景品として配布するなど、日本観光の魅力をアピール。JNTOブースには2万人以上が訪れた。

国際イベント誘致など、積極的に活動する中国市場
エキスポの主催企業であるインターナショナル・データ・グループInternational Data Group(IDG)中国支社が発表した「中国スノー産業業界研究レポート」によると、中国における2016-2017年シーズンのスノーアクティビティ人口1750万人に対し、2017-2018年シーズンは1930万人と、前年比10%増となった。また、スキー場数は、2017年6月末の668件に対し、2018年6月末時点で738件と70件増加、前年比10%増となった。(※室内スキー場含む)
北京と同じく冬のオリンピック開催地となっている張家口市では、2022年北京冬オリンピックの誘致決定をきっかけに、ウィンタースポーツのビッグデータ解析プロジェクトを発足させた。また、2021年国際子供運動会(International School Children Games)と2024年冬オリンピック青年運動会(2024年Winter Youth Olympic Games)の国際イベントの誘致に向けても精力的に動いている。

中国のウィンタースポーツ業界で存在感を増す日本
20日午後に開催された「スノー産業フォーラム」では、海外各国の政府観光局や宿泊事業者企業が、次々とプレゼンテーションを行った。JNTOプロモーション部東アジアシニアマネージャーでWWSE責任者の松田景子氏は、日本が持つ豊富な観光資源を中国語でアピールした。また、1998年に日本で開催された長野冬季オリンピックの経験から、中国の今後のスノー市場の成長へ期待を示した。
また、インターナショナル・データ・グループInternational Data Group(IDG)中国支社は、ウィンタースポーツに特化したメディア「氷雪頭条」と「WINTER SPORTS AWARD」を発表した。
本アワードは、専門家による推薦、オンライン投票、常任委員会審査といったプロセスを経て選出しており、「ウィンタースポーツブランドTOP10」「中国スキー場TOP10」「中国アイススケート場TOP10」「中国スノー倶楽部TOP10」などに加えて、今年より、初めて海外スキー場やスノー倶楽部のアワードが設けられた。これに関しては、岩手県の安比高原が「海外推奨スノーリゾートTOP10」受賞したほか、JNTOも「優秀展示賞(Excellent Design Award)」を受賞した。

上:JNTO海外プロモーション部東アジアグループWWSE責任者の松田景子が受賞
下:安比高原スノーリゾートは「海外推奨スノーリゾート地TOP10」受賞
イベント概要
主催者:北京オリンピック都市発展促進会(BODA)、インターナショナル・データ・グループInternational Data Group(IDG)中国支社
開催日程:2018年9月19日~22日
開催場所:北京国家国際会議センター
展示面積:3万平米
来場者数:延べ15万人(うち2.4万人業界関係者)
媒体報道:国内外メディア550社
海外出展国:オーストリア(2018年主賓国)、カナダ、フランス、フィンランド、スイス、ノルウェー、イギリス、チェコ、イタリア、ドイツ、ロシア、日本、韓国 計13ヵ国
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