インバウンドコラム
2018年11月23日から26日までの4日間、台湾最大の旅行展示会「台北国際トラベルフェア」(以下、ITF)が開催された。
展示会会場が郊外に変わるも、最高来場者数を更新
ここ数年、来場者数が過去最高を更新し続けていたITFだが、今年は来場者数が減るのではないかという懸念があった。その理由として、1つは、台湾の22の県・市の首長らを決める中華民国統一地方選挙が11月24日と、ITFの日程と重なったこと、もう1つは、開催場所が変更になったことがある。これまでITFが開催されていた台北世界貿易センタービルは、人気の観光地台北101展望台から近い上に、台北駅からもさほど遠くなく、比較的アクセスが良かったが、2018年の会場は、郊外に位置する南港展覧館になった。
ところが、実際は、4日間で37.6万人が来場、昨年の最高来場者数(36.1万人)を更新した。また、会場が約1.5倍にまで広くなったことで、例年の混雑も見られず、ゆったりと見学できる状態になった。なお、会場にゆとりができたことで、これまで入場制限していた12歳未満の子供も入場可能となり、子連れの家族も見られた。
今年も昨年と同様、多くのブースで参加型のイベントや、FacebookやInstagram、LINE等のSNS活用、記念品(プレゼント)が用意されるなど、様々な工夫が凝らされていた。
子供が入場可能になり親子連れ向け体験コンテンツが充実
特に目立ったのは、親子で体験できるコーナーが充実していたこと。例えば、台湾観光局のブースでは、巨大なモニターを駆使したDance Dance Revolutionのようなミニゲーム体験コーナーが用意され、親子で楽しむ様子が見られた。
▲ 左:抽選会に並ぶ来場者の行列 右:台湾観光局の体験コーナー
例年出展している日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)ブースでは、毎年来場者にアンケートをしている。
ブースに日本地図を用意し、来場者にたいしてシールを貼ってもらうというもの。既に行ったことのある場所には黄色いシールを、今後行ってみたい場所には青いシールに貼ってもらう。訪日リピーターが多いだけあり、関東や関西などの大都市圏には黄色シールが集中していたが、今後は四国や青森県などの地方に行きたいという声が反映されたのか、こういった地域には青シールが多く見られた。
ITFに父と娘で来場した方に話を聞くと、3年前から、次の旅行先を決めるにあたっての情報収集を兼ねてITFを訪れているとのこと。東京、大阪、北海道には訪れたので、今年は行ったことのない場所、例えば九州のローカルなエリアなどを探しているそうだ。
また、会場内の舞台では、様々な団体がパフォーマンスを披露。極上の会津プロジェクト協議会では、舞踊パフォーマンスや観光地紹介動画(アクセス紹介や鶴ヶ城の魅力など)を紹介し、特にシニア層を中心に多く集まり、写真や動画撮影をする姿も見受けられた。
来年はこれまで以上に親子やファミリー層にフォーカスした参加型のイベントやパフォーマンス、それに付随した旅行商品のPRも増えるのではないだろうか。
イベント概要
主催者:財團法人台灣觀光協會(財団法人台湾観光協会)
開催日程:2018年11月23日~26日
開催場所:台北南港展覽館 展示面積:45,360㎡(グラウンドフロア(1F)スカイドーム(4F)各22,680㎡)
来場者数:延べ37.6万人(うち業界関係者数※不明)
海外出展国:23カ国
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