インバウンドコラム
2019年の春節が本日から始まりました。「春節のマカオは既に売り切れ」というBloombergの記事によると「世界経済の低迷が始まりつつあるが、マカオ最大級のカジノリゾート、シティ・オブ・ドリームズの運営会社メルコリゾートは、今年も春節の時期は満室だ」とのこと。春節へ経済効果の期待は大きく、今年の春節は2月5日から19日で「Pig(豚)」の年であるという基本情報の紹介記事が、年末から増えてきています。
※日本の干支では2019年は猪ですが、中国の干支では豚になります。
今年、特に目についたのは「○○(都市名)で春節を祝うならココ!」という記事です。世界中の都市で、春節に向けての準備が進んでいることが感じられます。「ドバイで春節を祝うなら」という記事によると、10を超えるレストランが、春節の特別メニューを企画しています。伝統的中華料理はもちろん、柚子風味の和牛やスパイシーな鴨料理のキムチ添えなどアジアを意識した限定コースや、ユニークなチャイニーズドリンクにプレゼントを用意する店、ドラゴンダンスのショーや、願い事をリボンに書いて木に吊るすウィッシング・ツリーで楽しませる所もあります。
「トロントで春節を祝うなら」によると、中華系移民も多いカナダトロントでは、今年で6回目となる”Chinese New Year Celebration Gala”という国外最大の春節イベントが開催されます。中国本土やカナダの選りすぐりのアーティスト達が繰り広げるパフォーマンスは、テレビで生中継され、2019年の訪れを大勢で分かち合うのです。その他にも、北米最大の屋内中華系ショッピングモール「パシフィックモール」で、春節前夜2月4日の夜10時からカウントダウンパーティーが始まるなど、大規模なイベントが盛りだくさんです。
「パリで春節を祝う」によると、パリの春節パレードは、パリ市内の年間行事の中でも、最も人気のあるイベントの一つへと成長してきているそうです。フランスの首都パリには、巨大なフランス-中国コミュニティがあり、その文化的影響力は年々増大しています。パリだけでも、春節パレードがいくつも開催されますが、最も大規模で人気があるのは、パリ13区で開催される「Main Chinatown Parade」です。パリ北西で開催される「Belleville Parades」は、この周辺にある多くの中華レストランの暖かいスープなどの美味しい料理も見逃せないとしています。
伝統行事もグローバル化が進み、春節が中国13億人のお財布を巡る世界的商業イベントへと変化していく兆しが見える中、「福」という漢字をデザインしたマフラーを発表するなど中国市場に攻めの姿勢を見せるイギリスのファッションブランド、バーバリー(Burberry)の2019年における春節広告のテーマは「家族の伝統と団欒」です。お正月に世代を超えて家族が集まり、記念写真を撮る様子が表現され、その特別な日にふさわしい装いイメージが提案されています。普段は離れて暮らしているかもしれない親しい人々が集まり、ゆく年来る年に思いを馳せる。お正月のあり方の基本が失われない形で、新しい過ごし方や楽しみ方に発展させていきたいですね。
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