インバウンドコラム

【海外メディアななめ読み】第9回: 中国の富豪達を知り尽くすメディアのレポートから見えてきた、彼らが今、旅に求める意外なものとは?!

2017.06.15

清水 陽子

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中国の富豪ランキングで有名なチャイニーズ・ヒューラン・レポート誌が、中国人富裕層の旅行のトレンドをまとめた「The Chinese Luxury Traveller 2017」を発表しました。

28頁のレポートに「Japan」という単語は19回出てきます。国名としては、Chinaを除いて最頻出で、日本が中国人富裕層の旅行を語る上で欠かせない存在であることが伺えます。

まず、1年を「夏秋」と「冬春」の2シーズンに分けた、季節ごとの人気旅行先として、日本の名が挙がります。冬の北海道の魅力が票を集め、「冬春」の旅先として、32%の支持を受けて堂々の1位です。

次に「Japan」が登場するのは、中国人富裕層が旅行先のホテルを選ぶ際、レストランの充実が重要なポイントであるという話題に関連してです。「ホテルにあったら嬉しいレストラン」で2位にランクインしたのが、広東料理(3位)や四川料理(4位)を抑えて、なんと和食なのです。1位は何かと言うと「地元料理」です。旅先では誰もが地元料理を食べたいですから、ここは実質1位と言ってもいいのではないでしょうか。旅先で、地元料理に飽きた時にも食べたいとは、日本料理への信頼は厚いですね。

さらに、日本が注目されるのは、若い世代の旅先として人気が高いというデータです。「昨年中に訪れたエリア」の全体ランキングでは、「日本と韓国」は24%で5位ですが、2000年以降に成人になるミレニアル世代の回答だけを集計すると、33%で3位にランクインしています。

最後に、今後のトレンド予測を見ると、「今後3年間に行きたい旅先エリア」として、「日本と韓国」は、わずか9%の得票で8位です。1位は夢の旅行先として根強い人気の「ヨーロッパ」、2位は「南北アメリカ」、3位が「アフリカ」という順位です。

 

このレポートから見えてくるのは、中国人富裕層にとって日本は、「憧れの旅先」から「定番の旅先」に変わってきているということです。特にミレニアル世代にとっては、「近くて遠い国」という意識もなく「近くて気軽に行ける国」なのでしょう。今年の5月には中国の高所得者へのビザが緩和され、リピーターの増加も期待されます。

では、何度も訪れたい国へと発展していくために日本は、中国人富裕層に何を提供してゆけばいいのでしょうか。それはズバリ「冒険」です。「今後3年間にしてみたい旅」のトップは「世界一周旅行」、2位が「極地探検」、3位が「冒険」という結果が出ています。中国人富裕層は今、旅に「冒険的要素」を求めているのです。日本は自信を持って、知られざる地方の魅力を発信していくべきです。アクセスの悪さは「冒険」を求める旅行者にはかえって魅力になるかもしれません。求められているのが「豪華さ」や「快適性」ではなく、「冒険」だと思うと、誘致企画を考えるのも楽しくなりますね。

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