データインバウンド
2019年上半期のインバウンド消費額前年同期比8.8%増の2.4兆円、年内5兆円超えるか!?
2019.08.08
刈部 けい子観光庁の訪日外国人動向調査の結果によると、今年上半期(1-6月)の旅行消費額の累計は、2兆4326億円(1次速報)となった。前年同期と比べると8.8%の増加となる。
訪日外国人旅行者数が前年同期より6.5%増加しており、1-3月の旅行消費額は前年同期比3.6%増(2次速報)にとどまったものの、4-6月が13%増(1次速報)になったのが大きい。特に訪日客数で1位の中国や1人当たりの旅行消費額の高い欧米豪の増加などで消費額が前年同期に比べて増加し、全体を押し上げた。
年末に5兆円を超えるか
このままの水準で推移すると年末に5兆円を超えるかどうか。この秋はラグビーワールドカップで欧米豪からの訪日客が増える予想もあり、消費額増加に期待がかかるものの、日韓関係の悪化による韓国人訪日客の減少もあって、予断を許さない。下のグラフには政府目標の2020年8兆円を入れているが、現状では目標達成は先延ばしとなりそうだ。
なお、2019年上半期の2兆4326億円のうち、372億円はクルーズ客による旅行消費額となっている。
また、国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額では、中国が8950億円と最も大きい。次いで、台湾2981億円、韓国2761億円、香港1732億円、 米国1560億円の順となっており、これら上位5か国・地域で全体の74%を占めた。
4-6月期は1人当たりの旅行支出でフランス人がトップ
一方、今年4-6月期の訪日外国人1人当たりの旅行支出(1次速報)は15万6670円で、前年同期と比べると7.8%の増加となった。最も支出が大きかったのは24万2491円のフランスで、平均より8万5000円ほど多い。次いでイギリス、オーストラリア、中国、スペインと続く。特にフランスは伸び率でも前年同期比19.6%増と最も大きく、平均泊数も全体平均より8泊近く多かった。また、クルーズ客は前年同期比8.0%減の3万7244円だった。
1人当たりの費目別旅行支出では、滞在日数の長い欧米豪で宿泊費が多く、全体平均が4万6323円に対し、特にイギリス(11万5420円)、フランス(10万7442円)と旅行支出の半分近くを占めるケースもある。一方で、娯楽等サービス費は全体平均が5258円に対し、オーストラリアの1万1655円を筆頭に、これもまた欧米豪の方がアジア圏よりも高くなっている。一方で買い物代は全体平均の5万5903円に対し、中国が12万3852円で最も高かった。
編集部おすすめ関連記事:
最新のデータインバウンド
-
中国で加速するAI観光 旅の全行程に広がる活用、企業・行政も本格参入 (2025.08.07)
-
「豪華さ」よりも「意味ある旅」へ、変化するアジア太平洋富裕層の旅行動向 (2025.08.05)
-
2025年5月の訪日宿泊者数、鳥取・宮崎で高い伸び率。クルーズ寄港や航空増便が後押し (2025.08.01)
-
ビザなし渡航国ランキング 日韓2位並ぶ。インド・サウジ急浮上、米英後退 (2025.07.29)
-
出張は「会う」ために、ミレニアル・Z世代の対面志向が鮮明に (2025.07.28)
-
Z世代は「アラカルト型贅沢」志向、旅で重視する5つの要素とは? (2025.07.23)
-
2025年の訪日消費、上半期4.8兆円で過去最高、単価横ばいに課題も (2025.07.22)
-
2025年6月の訪日客数337万人、1-6月の累計2151万人。前年同期を370万人超上回る (2025.07.17)
-
AIが旅の選び方を変える、旅行業界が注視すべき3つの消費行動の変化 (2025.07.15)