データインバウンド
【訪日外国人数】2020年4月訪日客数、統計史上最少99.9%減の2900人。1-4月も64.1%減に
2020.05.21
刈部 けい子日本政府観光局(JNTO)が5月20日に発表した2020年4月の訪日外国人数は、前年同月比99.9%減の2900人だった。2019年4月のわずか0.1%に過ぎず、これで7カ月連続で前年同月を下回ることになった。単月の訪日外国人数としては、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、過去最少だった。また、1月から4月の合計は394万2800人(前年同期比64.1%減)となった。
なお、JNTOが規定する訪日外国人とは、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない。入国拒否の対象国からの入国もあるが、田端観光庁長官は記者会見で、「再入国の方が多いと考えている」と話した。
4月分からメキシコと中東地域の推計値も加わる
今年4月分からは新たにJNTOの重点市場に追加されたメキシコと中東地域(イスラエル、トルコ、GCC6か国[サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート])が推計値の公表に加わり、21市場・1地域となった。
市場別に見ると、韓国、台湾、アメリカが300人、中国、ベトナムが200人、インドネシアが100人で、香港、フランスは10人、シンガポール、ドイツ、イタリアなどは10人未満だった。
JNTOは「新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的に旅⾏需要が停滞している状況にあり、感染症の推移とともに今後の市場動向を注視していく必要がある」としている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、全世界でなんらかの海外渡航規制が行われている。日本側も当初の検疫強化やビザの無効化に加え、入国拒否の対象国が増え、4月28日時点で73カ国・地域となった。なお、現在は下の表の100カ国・地域となっている。欧州やアジアの一部では国境閉鎖措置の緩和の動きが見られるが、まずは国内・地域内旅行からというのはどこも同様の方針であり、今後もしばらくは訪日客数が増加に転じる見込みは薄い。
編集部おすすめ関連記事:
【訪日外国人数】2020年3月訪日客数は9割減、31年ぶりに20万人下回る。1-3月訪日消費も4割減
3月の国際観光客数は57%減 UNWTO 回復の3シナリオ解説。最悪のケースは2020年 78%減に
最新のデータインバウンド
2024年世界平和度指数、アイスランドが首位堅持、日本は17位に後退。紛争の増加とともに平和度悪化 (2024.07.16)
サステナブル・トラベルへの関心の高さと旅行者が感じる課題ーブッキング・ドットコム2024年調査 (2024.07.11)
7割の訪日客がサステナブルツーリズムを重視、台湾・タイ・インドネシアで意識高くー観光庁調査 (2024.07.09)
訪日客が一番困ったことは? 3割がごみ箱の少なさを指摘、言語の問題をあげる人が増加ー観光庁 (2024.07.08)
2023年宿泊統計調査の確定値、外国人宿泊者数2019年比1.8%増の1億1775万人。都市と地方部で差が大きく (2024.07.05)
世界で最も住みやすい都市ランキング2024 ウィーンが3年連続首位、大阪9位。都市の住宅供給不足が課題に (2024.07.04)
【宿泊統計】2024年4月外国人延べ宿泊者数 1450万人泊、2019年同月比28.5%増。石川大きく伸びる、四国も堅調 (2024.07.01)
航空業界のアカデミー賞、Skytraxベスト・エアライン賞2024発表、カタール航空が2年ぶり世界一。ANA4位、JAL6位 (2024.06.27)
2024年IMD世界競争力ランキング、シンガポールがトップに。アジア勢好調も日本は38位にランクダウン (2024.06.24)