データインバウンド
世界一安全な国ランキング 国境開放と経済活動を継続した国が上位に、UAEがトップ—2022年1月
2022.02.14
アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグは、世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」の1月版を発表した。このランキングでは、コロナ禍における感染抑制やワクチン接種率、死亡率、渡航再開の進展度合いなど12のデータ指標に基づいて、53の国・地域を比較。どの国・地域が最も効果的に新型コロナウイルス感染症に対応できているか毎月発表している。
高いワクチン接種率と国境開放度が高評価
昨年末に登場したオミクロン株は、感染力は強いが軽症で済むという傾向が明らかになりつつあり、いかに経済活動を止めずにピークアウトさせるかが各国のランキングに影響を与えた。2022年1月のランキングで1位になったのは、変異株の登場でも一貫して渡航の自由を継続してきたアラブ首長国連邦(UAE)だった。3回目のワクチン接種が進んでいる同国では重症者や死者数も少数にとどまり、昨年11月から2カ月ぶりの首位返り咲きとなった。同様に、高いワクチン接種率と経済の回復基調が評価されたサウジアラビアが18ランクアップの2位に浮上、3位は旅行ルートの開放度が最も高いと評価を受けたフィンランドだった。
日本は前月から10ランク上げて、17位。中国や欧州のロックダウンほど厳しい移動制限を科すことなく、死者数も少なく済んでいることがランクアップにつながったと思われる。米国は前月より11ランクダウンの23位だった。オミクロン株感染急拡大の中で死者数の増え方が欧州を上回ったためで、ワクチン接種率の低さが影響しているとみられる。



図出典:Bloomberg「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」
ゼロコロナ維持かどうかで明暗
オミクロン株の登場により、新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザ同様に扱うべきだという論調が世界的に一気に広まった。一時は徹底したゼロコロナ政策で感染封じ込めの優等生とされてきたニュージーランドやオーストラリア、シンガポールも、ここにきてウイルスとの共存と経済再開に舵を切った。ゼロコロナをやめたシンガポール、ニュージーランドはともに前月より10以上ランクを上げて、5位と15位だった。
一方、ゼロコロナを追求する香港は9ランク下げて33位。少数のオミクロン株感染者が見つかると、部分的なロックダウンや渡航者の隔離などを実施。中国でも同様に部分的なロックダウンが繰り返されているが、広大な領土と人口においてそのダメージは限定的で、ワクチン接種が香港よりも1.4倍進んでいることも好材料となり前月より10ランクアップの18位だった。代わりに新規感染者が1日に10万人を超えたアルゼンチンがワースト5入りした。
ワースト5にも変動あり
フィリピンは再び、最下位となった。ワースト5の常連だったマレーシアとタイは今回急激なランクアップを見せた。欧州と比べて遅れていたワクチン接種が進み、ワクチン接種済みの人に対しての行動規制が緩和されたことで、マレーシアは前月から20ラングアップの27位に浮上。タイも2021年4月以来初めてランキングの上位半分に入る18位に上昇した。代わりに新規感染者が1日に10万人を超えたアルゼンチンが前月より30ランク下落しワースト5入りした。オーストラリアもゼロコロナ政策から転換を図っているものの、1日の新規感染者が10万人を超える日もあり、前月より30ランクダウンの47位に沈んだ。
ブルームバーグでは2000年11月から、COVID耐性ランキングを毎月発表している。この2年間で次々と現れる変異株に対して、各国政府と国民はただ恐れるのではなく、ワクチン接種により重症化を回避できることを認識し、長期的な付き合い方をつかんできた。ゼロコロナからウィズコロナへ大きく舵を切る国も増えてきており、今後の各国の動きにも注目したい。
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