データインバウンド
2024年4-6月期インバウンド消費額2兆1370億円、上半期で4兆円目前。8兆円も視野に。1人当たり23.9万円で大幅増
2024.07.25
やまとごころ編集部観光庁から、2024年4-6月期の「インバウンド消費動向調査」(1次速報)が発表された。2024年4-6月期の消費額の推計は、2兆1370億円。2023年同期比73.5%増、2019年同期比68.6%増となり、2023年7-9月期の集計から4期連続で最高額を更新、四半期の消費額は初めて2兆円台に突入した。これで、2024年上半期のインバウンド消費額の推計は、3兆9070億円となり、2023年通年の5兆2923億円を早い時期に超えることは確実に、8兆円達成への実現も視野に入ってきた。
(図版出典:観光庁【インバウンド消費動向調査】)
トップの中国、2019年水準回復まであと一歩
旅行消費額を国籍・地域別に見ると、中国が4420億円(構成比20.7%)と最も大きかった。2019年同期の4645億円にはいまだ及ばないものの、着実に迫っている。2位は米国で2781億円(同13%)、3位台湾2639億円(同12.4%)、4位韓国2232億円(同10.4%)、5位香港1743億円(同8.2%)と続く。19年同期と比べると、中国以外の調査対象すべての国籍・地域で数字が伸びている。また、2024年の1-3月期に4位だった米国が、今期は2位となっている。
費目別の旅行消費額構成比を見てみると、宿泊費が33%(7051億円)と最も多く、次いで買物代31.1%(6641億円)、飲食費21.8%(4655億円)と続く。2023年同期と比べると買物代の構成比(25.6%)が5.5ポイント増加した。
1人当たりの旅行支出は23万8000円、フランスがトップ
訪日外国人1人当たりの旅行支出は、推計で23万8722円。前年同期比14.4%増、2019年同期比54%増となった。国籍・地域別にみると、1人当たりの旅行支出が最も高いのは、フランス(41万7536円)。次に英国(41万6647円)、オーストラリア(39万9862円)と続く。2019年同期比で見ると、ロシアの伸び率が112%を記録。他に、カナダ(同91.1%増)米国(同91%増)シンガポール(同90%増)イタリア(同84.6%増)なども高い伸び率を記録した。
全国籍、地域の訪日外国人1人当たりの旅行支出を費目別で見ると、全目的(観光・レジャーに加え、業務や親族・知人の訪問目的で日本を訪れた外国人も含むもの)では、宿泊費が7万9323円、飲食費が5万2318円、交通費が2万5016円、娯楽等サービス費が8890円、買物代が7万3104円となっている。前期と比べると、2024年1-3月期は1万2825円だった娯楽等サービス費のみが下がる結果となった。
また宿泊費は英国、飲食費はイタリア、交通費はスペイン、娯楽等サービス費はオーストラリア、買物代は中国が最も高い。
一方、観光・レジャー目的に絞った場合の旅行支出額は23万9385円。2019年同期比で54.8%増となった。また、旅行者の平均泊数(入国日と出国日から算出)は7泊。中でもスペインでは2019年同期よりも4.1泊、米国では2泊伸びた。平均泊数が最も長かったのは、フランスの15.7泊、次いでドイツとスペインが15.5泊となっている。一方、最も短いのは韓国の3.4泊だった。
上半期で4兆円間近、消費8兆円も視野に。1人当たり消費は23.9万円に
四半期ごとの旅行消費額(青い棒グラフ)では、2022年10-12月期以降、右肩上がりとなっており、今期も引き続き増加している。2024年上半期の推計値は、3兆9070億円となっている。2023年の年間消費額5兆2923億円を超えるのはほぼ確実となったほか、8兆円も視野に入ってきた。
また、赤い折れ線グラフが示す1人当たりの旅行支出額では、2024年1-3月期まではコロナ以降21万円前後と大きな変化がなかったが、今期は23.9万円と大きな伸びを見せた。
1人当たり1泊の支出額、トップ5の中で香港が1位
最後に、旅行消費額トップ5の国・地域(韓国・台湾・香港・中国・米国)の、1人1泊当たりの旅行支出を見ていく。全目的での平均値は、2万8055円。観光・レジャー目的に限った平均は、3万4407円となった。全目的では、トップ5の国と地域全ての支出額が平均を上回る結果となったが、観光・レジャー目的では、韓国が3万1160円で平均を下回っている。トップ5の国・地域の中で、1泊当たりの支出額が最も高かったのは、香港で、全目的3万9104円、観光・レジャー目的で4万3191円となった。
▼前期の消費額はこちら
2024年1-3月期インバウンド消費額1兆7505億円、3期連続で過去最高を更新。1人当たり支出20万9000円
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