データインバウンド
2021年空港利用実績、コロナ禍で回復目覚ましいドバイが1位を堅持
2022.04.18
国際空港評議会(ACI)が4月11日に、2021年に世界で最も混雑した空港のランキングを発表した。ACIは世界の空港の業界団体であり、ランキングには、旅客輸送量、貨物量など空港業界で使用される最新のデータが反映されている。
2021年の世界の総乗客数は45億人近くと推定されており、2020年比で約25%増、2019年比では50%以上減少している。旅客輸送に関しては、国際線と国内線を合わせた総旅客数と、国際線旅客数の二つのランキングが出ているが、まず、日本にとって関心のある国際線から見ていこう。
パンデミックの早い段階で観光客の受け入れを再開したドバイ
国際線旅客数の1位はUAEのドバイで2911万人だった。2014年から連続して首位を守っているドバイは、コロナ禍にあっても2021年10月から2022年3月まで万博を開催するなど、高いワクチン接種率を背景に、積極的に外国人観光客を受け入れてきた。日本からも2020年7月以降観光での入国が可能となっている。
ドバイ経済観光局によると、2021年の海外からの宿泊を伴う来訪者数は、万博効果もあり728万人で、2020年比32.1%増だった。ただ、2019年比では56.4%減となり、完全な回復にはまだ時間がかかるとみられる。なお、ドバイからエミレーツ航空が就航する都市数は2月7日時点で120都市、パンデミック前の9割近くまで戻ってきている。
ドバイに続くのは2019年の14位から、6位、そして2位とステップアップしたトルコのイスタンブールだ。トルコの空港では他に海辺のリゾート地で、ロシア人観光客に人気のあるアンタルヤの空港が8位に入っている。
3位から5位は欧州の大都市が並び、6位は今年の冬にサッカーのワールドカップが開催されるカタールのドーハ空港。それまでトップ3常連だったロンドンのヒースロー空港は7位にランクダウン。また、コロナ禍にもかかわらずアメリカの観光客がいち早く訪れたメキシコのカンクンが10位に入った。

総旅客数ではアメリカの空港が圧倒的
続いて国内線を合わせた総旅客数のトップ10の顔ぶれを紹介する。特徴的なのは、アメリカの空港が8カ所と寡占状態で、残りは中国の2空港ということだ。
1位はジョージア州のアトランタ空港で、7570万4760人。2020年比76.4%増(2019年比31.5%減)で2年ぶりにトップに返り咲いた。次いでダラス、デンバー、シカゴ、ロサンゼルス、シャーロット、オーランドまでが7位、ラスベガスが10位に入った。中国では広州と成都の空港が8、9位に入った。これら10の空港で、世界の交通量のほぼ10%(乗客4億6300人)にあたるが、いずれも国内線の旅客数がかなりの割合を占めている。
航空貨物では香港が1位
パンデミックの影響が少ない航空貨物では、2020年比で15%増、2019年比でも3.5%増となった。総貨物量では1位香港、2位メンフィス、3位上海で、国際貨物は1位香港、2位仁川、2位上海といずれもトップ3の顔ぶれは2019年から変わっていない。成田空港は総貨物で9位、国際貨物で5位だった。
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