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韓国初の1位、外国人ツアー再開の日本30位にランクアップ —2022年6月COVID耐性ランキング

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アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグは6月29日、コロナ禍における世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」の6月版を発表した。このランキングでは、コロナ禍における感染抑制やワクチン接種率、死亡率、渡航再開の進展度合いなど11のデータ指標に基づいて、53の国・地域を比較。どの国・地域が最も効果的に新型コロナウイルス感染症に対応できているか毎月発表している。

 

韓国が初の首位に、2位と3位は常連国のUAEとアイルランド

2020年11月以降続いてきたこのランキングだが、2年間の変動を経て、上位国、下位国の顔ぶれがほぼ定位置化してきたことから、最後の発表となった。そんななか今回のランキングで1位に輝いたのは韓国、2位はアラブ首長国連邦(UAE)、3位はアイルランドだった。韓国ではマスクの着用など政府の感染対策指針に国民が協力的であり、ワクチン接種率が90%を超えている点が評価され、5月から5つ順位を上げて、初の1位に輝いた。韓国は今年3月には28位まで落ち込んでいたが、5月には6位に急浮上、ランキング集計最後となる6月に1位を獲得した。

 

図出典:Bloomberg「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」

 

急激にランキングをあげた国は? 日本はツアー客受け入れでランクアップ 

6月に最も急激な順位の上昇を記録したのがオーストラリアだ。5月から14ランクアップの9位に入った。トルコも11ランクアップの6位、日本も11ランクアップの30位となった。日本は外国人ツアー客の受け入れを再開したことが評価につながった。一方、6月最もランクダウンしたのはスウェーデンで、一時はトップ5の常連としてコロナ対策優等生であったが、5月から11ランクダウンの20位に沈んだ。

最下位は2カ月連続でロシアだった。ワースト2位は台湾、ゼロコロナ政策を堅持する中国も2カ月連続でワースト3の51位だった。ロックダウンによる市民生活や経済に与える影響は深刻で、変異株に置き換わっているにもかかわらず、同じ感染対策をとり続ける弊害が出ている。ワースト10の顔ぶれを見てみると、5月から順位が変わっていないのが3カ国、残りの国もすべて5月と比べて1ランクの順位変動しかないことから、ほぼ定位置化していることがわかる。

 

2年に及ぶレジリエンスランキングから見えてきたことは?

変異株の登場とともに、各国の感染症対策もこの2年の間に緩和と強化を繰り返し、順位の変動も大きくあった。ただ、この2年間で順位が下半分に落ちなかったのは53カ国中、アラブ首長国連邦、カナダ、フィンランドの3カ国だけだった。一方、米国とイギリスは、ワクチンの開発に貢献し、いち早く接種をスタートさせた国だが、6月のランキングではそれぞれ36位と22位だった。米国は5月下旬に1日の感染者数が約10万人と過去最悪を記録した。両国ともに、自由な移動や日常生活を取り戻しているが、新型コロナウイルス感染症よる死亡者数は先進国の中で最も高い水準にあり、順位に影響している。

パンデミック発生以降、2年におよぶランキングを通して見えてきたのは、公衆衛生の危機では常に適切な対応策を講じることが大切ということだ。ワクチンがあっても、ロックダウンしても感染は止められないことはすでに周知の事実といえる。科学的根拠はもとより、政府と国民の間に信頼と結束力があるかどうかがウィズコロナ時代を乗り切るためには必要だろう。

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