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2023年7-9月期インバウンド消費額1兆3904億円、2019年を17.7%上回り過去最高。1人当たり支出21万円

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観光庁から、2023年7-9月期の「訪日外国人消費動向調査」(1次速報)が発表された。

2023年7-9月期の訪日外国人旅行消費額は、推計で1兆3904億円。2019年同期より17.7%増え、コロナ後の調査では初めて2019年の水準を超える過去最高の結果となった。また、第3四半期までの合計は3兆6326億円となり、このままの勢いが続くと、年間5兆円を超え、過去最高となる可能性もある。

今期の全国調査は14空海港で実施され、また、コロナ以降中止されていたクルーズ調査も、今期より再開された。
(図版出典:観光庁【訪日外国人消費動向調査】)

国・地域別消費額トップは中国

2023年7-9月期、国・地域別の旅行消費額では、中国が、前回1位だった台湾を抜きトップとなった。中国の消費額は2827億円で全体の20.3%を占めるものの、コロナ前の2019年と比べると6割程度にとどまる。2位は台湾で2046億円(構成比14.7%)、3位は韓国1,955億円(同14.1%)、4位は米国1,439億円(同10.4%)、5位は香港1,342億円(同9.7%)。

2019年同期との比較では、中国(42.6%減)のほか、タイ(12.9%減)でマイナスだったが、ほかの国々はプラスを示した。中でも、フィリピン(117.3%増)、カナダ(109.8%増)、韓国(109.7%増)の3カ国の消費額は2倍を超えている。シンガポール(99.6%増)、インドネシア(83.3%増)、米国(81.9%増)でも、倍近く増えている。

 

 

次に、旅行消費額を費目別に見てみる。全体のうち、宿泊費が34.2%(4754億円)と最も多くを占め、次に買物代26.1%(3632億円)、飲食費22.9%(3179億円)と続く。

2019年同期と比べて、宿泊費は35%増加、逆に買物代は減少。コロナ後に行っている四半期ごとの調査では、この傾向が続いている。

 

1人当たりの旅行支出は、2019年同期比3割増

訪日外国人(クルーズ客を除いた一般客)1人当たりの旅行支出は、21万810円で、2019年同期より29.4%増えている。なお、この数値には、観光・レジャー目的のほか、業務や親族・知人の訪問を目的として日本を訪れた外国人も含まれている。

国・地域別で1人当たりの支出が最も高い国は、フランス(35万7775円)。次いで、スペイン(34万9718円)、イタリア(34万1870円)と欧州勢が上位に並ぶ。2019年同期と比べて伸び率が高いのは、英国(84.9%増)、フィリピン(73.7%増)だった。

次に費目別で見ると、1人当たりの旅行支出は、宿泊費が7万2272円、飲食費が4万8248円、交通費が2万4345円、娯楽等サービス費が1万1090円、買物代が5万4773円となっている。

宿泊費と飲食費ではイタリア、交通費ではスペイン、娯楽等サービス費ではオーストラリア、買物代では中国が最も高い。

続いて、観光・レジャー目的に絞った訪日外国人について、1人当たりの旅行支出額を見てみよう。総額は19万8263円(2019年同期比26.2%増)。費目別では、宿泊費が6万8338円、飲食費が4万5222円、交通費が2万3636円、娯楽等サービス費が8510円、買物代が5万2459円となっている。

また、観光・レジャー目的の旅行者の平均泊数(入国日と出国日から算出)は7.2泊。2019年同期の平均泊数は6.4泊だったので、全体的に長期化の傾向が見てとれる。最長はフランスの18.5泊。続いて、スペイン15.3泊、ドイツ15泊と、この3カ国は平均泊数が2週間を超えている。

 

上位5カ国、観光・レジャー目的は1人1泊当たり2万7435円を支出

最後に参考として、旅行消費額トップ5の国・地域(中国・台湾・韓国・米国・香港)について、1人1泊当たりの旅行支出が発表されている。訪日目的が、観光・レジャー、業務、親族・知人訪問など全目的の訪日外国人については、平均が1万8855円。そのうち、最も高かったのが香港(3万825円)で、平均を大きく上回っている。

観光・レジャー目的に限ると、5カ国の平均は2万7435円で、全目的に比べて8000円以上高い。5カ国の中で、最も高かったのは中国(3万4013円)、次いで香港(3万2937円)という結果だった。

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