データインバウンド

2026年2月の訪日客数346万人、中国45%減も東アジア・欧米がけん引。1-2月累計は前年並みに推移

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日本政府観光局(JNTO)が発表した2026年2月の訪日外国人旅行者数(推計値)は346万6700人。前年同月(2025年2月)比6.4%増となり、2月としては過去最高を更新した。

1月は4年ぶりに前年同月比でマイナス(359万7500人、同4.9%減)となったが、2月は増加に転じた。なお、1〜2月の累計は706万4200人で、前年同期比0.3%増とほぼ横ばいで推移している。

26年2月訪日客数

訪日客数17年〜26年の月別推移

 

春節の時期ずれで東アジア需要が押し上げ、18市場で2月の過去最高を更新

2月は例年、欧州を中心に訪日旅行のローシーズンにあたるが、2025年は1月末からスタートした旧正月(春節)が、2026年は2月中旬に重なったことで、東アジアを中心に旅行需要が高まった。これにより、韓国や台湾、東南アジアの一部市場、欧米市場でも訪日客数が増加した。

特に韓国、台湾、アメリカなど18市場で2月として過去最高を記録しており、需要の広がりが確認できる。

 

市場別動向、中国は4割減も、東アジア・欧米で需要拡大

市場別にみると、東アジアでは韓国が108万6400人(前年同月比28.2%増)と大きく伸長し、単月で100万人を超えた。航空便の増便やスクールホリデー、韓国の旧正月であるソルラルの重なりが背景にある。

台湾も69万3600人(同36.7%増)と好調で、増便や連休需要が寄与し、2月として過去最高を記録した。香港も23万3900人(同19.6%増)と増加している。

一方中国は、1月の38万5300人に続き、2月は39万6400人(同45.2%減)と大幅減となった。春節の時期が2月に移動したものの、中国政府による渡航注意喚起や航空便の減便の影響により、前年を大きく下回った。

26年2月訪日客数(単月)

東南アジアでは、フィリピン(7万1700人、同7.5%増)、インドネシア(5万1200人、同8.9%増)、シンガポール(5万1300人、同21.4%増)などが増加し、いずれも2月として過去最高を更新した。インドも1万5900人(同22.7%増)と伸長し、航空便の増便が寄与している。

一方で、マレーシア(5万9700人、同8.0%減)やベトナム(6万1000人、同17.4%減)は減少した。マレーシアではイスラム教の断食期間の影響、ベトナムでは経済の先行き不透明感や旅行需要のタイミングのずれなどが影響したとみられる。

欧米市場では、アメリカが21万9700人(同14.7%増)、カナダが5万1300人(同15.3%増)と堅調に推移し、いずれも2月として過去最高を記録した。アメリカでは、ウィンタースポーツ需要や祝日が後押ししたほか、メキシコが1万5400人(同42.8%増)と高い伸びを示し、他国で乗り換えして訪日する経由便の多様化が訪日需要を後押ししている。

欧州もイギリス(同13.3%増)、フランス(同15.4%増)、ドイツ(同17.5%増)など主要市場が軒並み増加。フランスでは2月中旬から始まったスクールホリデーに加え、若年層を中心とした訪日需要の高まりがみられている。

なお、中東地域は1万人(同7.5%減)で、イスラム教の断食期間による旅行需要の減少の影響を受けたとみられる。

 

累計訪日客数700万人台で横ばい推移、伸び率はロシア・メキシコで高い伸び

2026年1〜2月の累計訪日客数は706万4200人で、前年同期比0.3%増とほぼ横ばいで推移した。単月では2月が過去最高を更新したものの、1月の減少を補う形となり、年初は緩やかな立ち上がりとなっている。

26年2月訪日客数(累計)

市場別では、韓国が226万2400人(同24.7%増)と大きく伸長し、累計でも最多を維持。台湾も138万8100人(同26.1%増)と高い伸びを示した。一方、中国は78万1700人(同54.1%減)と大幅減となっている。

その他の市場では、アメリカが42万7500人(同14.3%増)、タイやシンガポール、インドネシアなど東南アジア主要国も増加基調を維持している。

伸び率で突出したのはロシア(同65.1%増)や、メキシコ(同52.6%増)だった。一方、香港(1.2%減)、マレーシア(5.5%減)、ベトナム(8.4%減)では前年を下回る結果となった。

 

日本人出国者数は減少、前年同月比7.4%減

2026年2月の日本人出国者数は109万3300人で、前年同月比7.4%減となった。1〜2月累計では216万5900人(同3.5%増)と前年を上回っている。

 

【編集部コメント】

訪日需要の変化にどう備えるか 市場構成見直しの視点

2026年1〜2月の訪日客数累計では前年並みにとどまり、需要の不安定さも垣間見える。背景には旧正月の時期がずれたことによる需要増加と、中国市場の大幅減という構造的変化が同時に存在している。また、韓国・台湾の堅調さに加え、欧米やメキシコなど中長距離市場の伸長は見逃せない。自社の市場構成を見直し、多角化の余地を検討する視点も求められそうだ。

*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない

(出典:日本政府観光局 訪日外客数2026年2月推計値

 

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