インタビュー

株式会社トライアングル 代表取締役 河村弘之氏

2011.07.30

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特にタイやシンガポール、香港など東南アジアを中心としたインセンティブ旅行企画を行うトライアングル。会社としては2006年に立ち上げ、現在のような体制になったのは2009年。同社のMICEおよび東南アジア市場に対するインバウンドの取り組みと、今後の課題や展望などを代表の河村弘之氏に伺いました。

目次:
インバウンドに取り組んだきっかけ
具体的な事業内容
海外に支社や提携会社があるメリットとは
今後の展望

インバウンドに取り組んだきっかけを教えてください。

私自身、この会社を立ち上げる前はホテル開業のコンサルタント業務を生業としていましたが、ホテルの宿泊需要が減るなかで海外からのインバウンドを提案するようになり、足を踏み込むことになったのです。それでランドオペレーターの老舗、総合ワールドトラベルの顧問となり、そこの団体事業を引き継ぐというかたちでトライアングルをスタートさせました。
まず他社との差別化という観点から、香港、タイ、マレーシアに支社を設けました。これまでの信頼関係により、現地のエージェントとの連携が実現したのです。さらにシンガポールでは地元の最大手のエージェントと提携ができ、それが今でも弊社の強みとなっています。

現在では、タイ、シンガポールなどASEANを中心にMICEなどインセンティブ旅行の企画などを行っている他、日本各地の旅館やホテルなどを、香港(マカオ)、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどに対してのPRやセールスの代行を行っています。

まずは御社の具体的な事業内容を教えてください。

 

タイでは、すべての現地の旅行会社を訪問するのは、たいへん困難です。そこで毎年、9月か10月ごろ、バンコクのホテルで業界関係者を招き、大々的に説明会を開催します。日本のツアーの紹介を我々はもちろん、人気の日本各地の担当者にも参加いただき、説明をしていきます。日本の観光地やホテル、旅行ルートなどのブースを設けてアピールを行い、インセンティブ誘致などの活動を行って来ました。こうした展示会場ではその場で旅程などコースを詰めることもできますから、ビジネスも非常にスピーディーです。

さらにシンガポールでは年に2回の展示会に参加します。こちらは一般のシンガポール人参加者の日とは別に、業界関係者の日を設けていて、展示即売会の様相です。電卓をはじいて、その場で具体的な日程と人数が電卓片手にブッキングが決まっていきます。次回は8月7日に開催予定で、すでに20社の日本側からの参加の予定です。ここでの商談は、お金もいただくせいかキャンセル率が低いですね。

海外に支社や提携会社があるメリットは何でしょう。

やはり現地との太いパイプがあることによる安心感ですね。ASEANはじめアジアのビジネスは、顔の効くコネクションがあるかどうか、といった長年の積み重ねによる信頼関係が非常に重要になります。
このネットワークのおかげで、震災後も情報のやりとりがスムーズにできました。

マレーシアでは、「頑張れ日本」をテーマに募集したツアーがあり、5月27日の深夜、羽田空港に約140名の参加者が来日されました。歓迎のボードを作り、お迎えにいきました。

ASEANはインセンティブなど報償旅行や研修旅行の目的地として、日本に非常に高い関心を持っていますし、日本の受け入れ側のクオリティも非常に質が高く、満足度の高い旅行を提供できています。1,000人規模での旅行になりますので、連絡のやりとりなど、現地支社の存在は大きいですね。

今後の展望などをお聞かせいただけますか?

ASEANは立山のアルペンルートや北海道、東北など、特に北の地域のニーズが高いところです。東南アジア諸国の人達にとって、雪や北国といった素材は非常に異国的で人気が高く、またASEANでは日本のりんごなどが高級品として流通していることもあり、ブランド力も高いのです。
当社でも東北で冠ツアーを行った実績もあり、これから積極的にPRしようとしていたところでしたので、今回の震災はやはり大きな打撃です。今年度は対前年比3~4割と見込んでいますが、それでもコースを組み直すなど、東北や北海道のPRを進めていきたいと思います。

またASEANのシンガポールや香港などは、今後FITが非常に伸びる市場だと考えています。韓国や台湾も含め、FITに対する旅行システムの構築などを整えていきたいと思います。
受け入れる側も画一的な素材をただ提供するのではなく「訪れる国の人々によってニーズが違う」ということを鑑みるのは重要でしょう。訪れる国の人々に合ったシナリオや食べ物、流れなど、コースを点ではなく線でつなぐことで、新たな展開やPRも見えてくるのではないかと思います。

株式会社トライアングル
http://www.triangle-group.jp/

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