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外国人客が最も必要とする情報は「放射能・放射線」ー安全性アピールのテンプレートも配布

2011.06.01

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出典:やまとごころ.jp

海外Webマーケティングなどを行う調査会社WIPジャパンでは、「海外における東日本大震災に関する知識・意識調査」を行っており、このほど5月に行った調査の結果を発表した。

調査対象国はイギリス、ドイツ、フランス、台湾、中国、オーストラリア、アメリカ、シンガポールの計8カ国・地域で、回答者数は一般男女18~40歳以上を対象うに、各国200~205人の計1625人となっている。

それによると、「日本に渡航することに抵抗が『非常にある』『少しある』」いう回答の割合は、全体の約65%にのぼり、その理由として最も多く挙げられたのが「放射能・放射線」で、特に台湾、中国、フランス、ドイツでは40%以上の数値を示していた。また「日本滞在時に欲しい情報」としても「放射能・放射線量」は最もニーズが高く、フランスの41%をはじめ、調査対象国いずれも34%以上の数値となっている。

だがその一方で原発事故の起こっている福島県の位置については、正しい認知率は4割程度にとどまっており、「逆に6割の外国人が福島県の正しい位置を知らないと言える」と上田輝彦代表取締役は話している。

なお同社では同様の調査を4月にも実施しており、4月に比べると訪日抵抗感は12%減少したものの、抵抗感のある理由には依然として「放射能・放射線」が挙げられており、この点については中国、台湾はそれぞれ7%と増加傾向にある。これらのデータは同社ホームページhttp://japan.wipgroup.com/でも閲覧が可能だ。

また同社では特に放射線・放射能の影響がないにも関わらず、宿泊客のキャンセルが相次ぐ、特に西日本や北海道のホテル・旅館、観光協会約2300カ所に対し、10カ国語による「安全・安心メッセージ」のテンプレートを6月1日からホームページ上で無料配布する予定。「観光産業の活性化、地域貢献のお手伝いになれば」と上田代表取締役は話している。

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